片翼の月
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夢を見た
ヴィランと対峙し昔を思い出したからか
はたまた雄英へ通い
ヒーローを目指すことになったからか
もう会うことは出来ないあの子との
もう叶うことは無い夢を見た
溌剌とした元気いっぱいな少年を抱えながら
青空を翔けるように飛び回る夢
「もっと!もっと高く!夜羽姉ちゃん!」
眩しくも優しく照り付ける太陽に
少年は手を伸ばした
『ふふふ、落っこちても知らないぞ〜』
「夜羽姉ちゃんがそんなヘマするわけねぇだろー!」
『ふふふ、はいはい』
その少年と一緒に
蒼く澄み渡る空を
どこまでも高く、高く昇っていく
そんな〝夢〟
夢から覚めて、
時計を見ると目覚ましが鳴るより前の時刻
みんなとの約束の時間までは
まだまだ余裕があった
夜羽はベットから起き上がり
ぐっと体と翼を伸ばした
「ー。規定を守りヴィランとの戦闘を避け
人命救助に徹底した雄英生徒ら3名がーーーー」
「激しい揺れで立つこともままならない中
彼らはとても冷静沈着でーー」
「一瞬にして道を塞いでた瓦礫の山が
吹き飛んで、氷の屋根も我々をーー」
「いやぁ、最近のマスメディアは過激だと前々から思ってたんですわ。雄英の件もなんやかんや雄英側が穏便に済ませてくれただけでーーーー」
テレビをつけると
今朝のニュースは昨日の事件の話題で
持ち切りだった
人気アナウンサー
生中継中に大号泣
原因は妻の命の恩人との奇跡的なーー
ネットニュースも、新聞も
昨日の事件がトップニュースになっている
テレビをつけながらも
それを一切見ず鼻歌交じりに
キッチンにたつ夜羽の手元には
既に揚げられた大量の唐揚げと
これから揚げられる大量の鶏肉
『 やっぱりみんなで食べるなら唐揚げだよね〜』
今日は日曜日
三奈ちゃん発案実行のもと
今日はクラス交流会
ピクニックが開催される
桜はもう既に散ってしまったが
みんながいればきっと楽しいだろう
『えーと。醤油と醤油ニンニク
ゆず塩に塩麹、ヤンニョムチキンに
ハニーマスタード、ピリ辛と超激辛唐揚げ……
一応追いスパイス持ってっとこう』
少ないよりは多い方がいいだろう
ということで
種類も量もかなり用意する
ルンルンで唐揚げを揚げまくる夜羽は
つけっぱなしのニュースに見向きもしない
そんな中夜羽のケータイが
ピヨピヨっと鳴った
見てみるとそこには勝己の名前
そしてメッセージの内容には
“激辛多めな”
という一言が
彼の中ではもう既に
夜羽が何を作ってるのかわかっているのだろう
勝己のメッセージには
敬礼するペンギンのスタンプを送っておく
『さてと』
ちらりと時計の時刻をみれば
そろそろいい時間だ
そしてまだ続いていた昨日のニュース
当たり前ではあるが
夜羽の姿はバッチリ映像に収められていた
『うーん』
少し悩んで夜羽は翼を隠すため完全人化し
黒のホットパンツにぶかっとした
白のパーカーを選んだ
背中にはチャックが付いている
有翼個性用の服だ
人化してる間はチャックを上げれば
普通に着られるし
チャックを下げればそこから
翼を出すことができる仕様になっている
大量の唐揚げを保温バックに入れ
家を出る
昨日の今日なので空を飛んでいれば
すぐに自分だとバレてしまうだろうと踏んで
今日は徒歩で目的地へ向かう
「おいおい、ニュース見たかよ!さすが雄英だな」
「俺八咫烏警察とか八咫烏高校の存在知らんかったわ」
「まぢかよ?
俺、昔助けて貰ったことあるぞ!」
「今は所狭しとヒーロー事務所が乱立してるからなぁ
八咫警は少数精鋭なイメージだ」
「テレビでもあんまり見かけないよな」
「オールマイトとあの八咫烏の女の子
連携プレイバッチリだったよな」
「ヒーローと八咫警って実は相性いんじゃね?」
たまには地面を歩いてみるものだ
オールマイトと夜羽の共闘
それによる八咫烏警察に対する
世間の反応が直に伝わってくる
そんな人々の声を聞きながら
ルンルン気分で待ち合わせの公園へ向かう
⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・*☽
「夜羽おっそーい!」
「昨日の今日だから心配したぞ!」
「てかすげー荷物だな貸してみ?」
見慣れた集団の元へ歩み寄ると
こちらに気がついた三奈と飯田が駆け寄ってきた
そして夜羽の荷物に
気がついた瀬呂がさりげなく荷物を
持ってくれる
『ありがと瀬呂君』
瀬呂
「こんくらいよゆーよ?」
三奈
「夜羽〜遅いから心配したよ!」
『あはは、ごめんねぇ
歩く時にかかる移動時間見誤った』
葉隠
「そうそう!凄いよ夜羽ちゃん
轟君爆豪君!もうニュースどこ見ても
昨日の事件ばっかりだよ!」
耳郎
「夜羽なんて雄英転入翌日じゃん」
葉隠と耳郎も
心配したよと言いながら
夜羽の元へ
ワラワラと集まるクラスメイト達だが
夜羽のお腹がグゥっと
なったのを聞いて
食事を始めることに
夜羽が唐揚げを持ってきたように
お茶子は
色とりどりなお餅を大量に
葉隠はサンドイッチ
砂藤はスイーツ
青山はチーズ
八百万は豪華なお重……
と、みんなそれぞれ色んなものを持ってきていた
そして料理が得意でない男子達は
飲み物や氷、紙カップなど
重たいものなどを担当
それぞれみんなの紙コップに
飲み物が行き渡るのを確認すると
飯田委員長がコホンとひとつ咳払いし
「えー、本日はお日柄もよく」
「ぶふぉっ、どこのお硬い会社やねん」
「そんな堅苦しいのナシナシ!」
「もっと簡潔に!短く!」
「む、そうか。では、これからのヒーロー科1年A組の益々の発展と
今後のご活躍とご健勝を祈念しまして乾杯!」
「結局硬い!」
「「「乾杯ーー!」」」
「夜羽ちゃん1年A組へようこそ〜!」
『ありがとー!』
近くにいる人たちとコップをコツンと当てて
夜羽の周りには自然と女子たちが集まった
取り留めのない会話でキャッキャと
話は2転3転
麗日
「夜羽ちゃんこの唐揚げどれ食べても
めっちゃ美味いわぁ!」
『口にあったみたいで良かった〜』
蛙吹
「それにしても凄い量よね」
『足りないよりはいいかな?って
皆が何をどれくらい持ってくるか
分からなかったし
余ったら持って帰って食べてもらえばいいしねー』
麗日
「え!?いいん!?
唐揚げって家で作るの大変なんやろ?」
『私は好きでよく作るからねえ〜
慣れてるし、全然いいよ〜』
「天使!!」
目をウルウルさせた麗日から
熱い抱擁をいただいた
その光景を「花園……!」
と小声で呟く峰田
麗日
「けどこの〝激辛注意〟って書いてる唐揚げは
食べる勇気がわかんわぁ」
指さす唐揚げの小山には
お子様プレートで見るような旗が
立っておりその旗には国旗ではなく
〝激辛注意〟の4文字が
蛙吹
「ケロ、私もこのピリ辛で充分ちょうどいい辛さだと思うわ」
『あぁ、これはほぼかっちゃん用だから』
夜羽の回答になるほど、と納得する2人
そしてそこをなるほどで終わらせない
女子が数名キラリと目を光らせる
「夜羽ってさ彼氏とかいんの?」
そう話を振ったのは恋バナだいすきな
2人ではなく耳郎だった
話が聞こえてしまった男子数名は肩を揺らす
『ふぉ?いないよ』
口いっぱいに卵サンドを頬張ってた夜羽
は口元を抑えながらもごもご答えた
葉隠
「わぁ耳郎ちゃんがそんな話ふるなんて珍しい!」
芦戸
「先越された!」
耳郎
「いやぁ、だってねぇ」
そう言って耳郎はちらりと男子のいる方
主に轟と爆豪を盗み見る
耳郎
「この唐揚げも、爆豪用とか言われたらねぇ」
芦戸
「あー!私も気になってた!
夜羽は轟と爆豪どういう関係なの!?
ついでに緑谷も!」
緑谷
「ひっ」
三奈の大きな声は女子達だけではなく
同じレジャーシートに座るクラスメイト
全員に聞こえただろう
そして名前の上がった出久は変な声を出して
冷や汗を流し、そっと勝己がいる方から
顔を逸らす
『ちっちゃい頃からの友達?戦友?
いっくんは雄英の入試前に1回あったことが
あるくらいだけどね〜』
「恋仲ではありませんの?」
『ないない〜あ、この唐揚げ味付けバッチリ』
ほかの女子がウキウキ楽しそうに
恋バナする中夜羽は全く興味がなさそうに
ずっともぐもぐしている
耳郎
「じゃあさ八咫烏警察の人たちは?」
葉隠
「あー!イケメンお兄さん多いもんね!
八咫烏警察って顔採用なの!?」
芦戸
「もっとテレビに出たらいいのにねぇ〜!」
『完っ全実力主義だよ』
耳郎
「こわっ」
葉隠
「イケメンで強い人ばっかりってこと!?」
『……頭はそこまで強くないかもね〜』
芦戸
「じゃあさ夜羽はどんな人がタイプなの?」
『んぅ?考えたことないなぁ興味もないなぁ
わ、この、だし巻き玉子上品』
八百万
「光栄ですわ」
恋愛話に興味を示さない夜羽と百ちゃん
芦戸
「強いて言うなら!どんな人!?」
どうしてもガールズトークに
夜羽を巻き込みたい
芦戸と葉隠はくいさがる
八百万
「夜羽さん……これは答えないと解放されませんわ……」
『えぇー?うーん、そうだなぁ』
律儀に考え込む夜羽に
ワクワク顔の二人
『私より強い人かな』
「ぶふぉっ!脳筋や!」
やっと出た答えに笑いだす麗日
夜羽はそんな麗日を見て
ふと何かを思い出したように
『あと、お茶子ちゃんみたいに訛りっていいよね』
耳郎
「訛り萌え……!?」
葉隠
「今、明らかに誰か思い浮かべてない!?」
芦戸
「誰々?誰なのそれー!」
『ん?いないよ?』
「「うそだぁ〜」」
「うちのクラスになまってるヤツいたっけ?」
「麗日位じゃね?」
「青山のは?」
「あれはエセフランス語じゃね?」
「梅雨ちゃんは語尾によくケロって」
「それは方言と言うよりは口癖…いや、それも含めて個性?か?」
「…っち」
ーーー
ピクニック終わったら
USJですかね
なかなか原作そわなくてすいません(--;)