片翼の月
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カラス達の案内で
崩壊寸前に傾く建物に飛び込む
『誰か!誰か逃げ遅れてる人はいませんか!』
「おーい!こっちだー!」
人の声のする方へ飛んでゆくと
そこには10に満たない被災者が
助けが来たことに一瞬安堵の表情を浮かべたが
夜羽の姿を見て
子供が来たことに驚き
更に引き連れてきた
カラスに驚いていた
想定内の反応に夜羽は安心感を
与えるべく余裕のある笑みを浮かべ
『私は雄英高校ヒーロー科の者です
そしてこのカラスたちは私が
使役しているものなので無害です
避難誘導をしますので
慌てず、着いてきてください』
「まぁ!ヒーロー科ですって」
「あぁ、このカラスたちは
お嬢ちゃんの個性か…?」
『厳密には祖父の個性ですが…
今はそれより早く外に!
ここもいつまで持つか分かりませんから』
カラスが被災者それぞれを掴みあげ
建物の外へ運んで行く
傾き崩れた建物も
飛んでいれば足場のわるさも関係ない
『外に落下物から身を守るための
氷の屋根を用意してあります
まずはそちらまで逃げましょう』
無事全員建物外へ助け出し
焦凍が創った落下物から身を守るための
氷の屋根の下へ誘導
それを何往復か繰り返し
一通り崩れた建物からの救助活動を終え
現状を確認すべく当たりを見渡す
『八咫烏警察もヒーローもまだ来てない…
いくらなんでも遅すぎる』
大規模な事件発生からそれなりの
時間が経っているにも関わらず
ヒーローも警察も消防や救急車も
未だに到着していない
さらなる情報収集に
カラスを飛ばしていると
「夜羽!」
少し離れたところから
焦凍が駆け寄ってきた
『ショート!かっちゃんは?』
「倒壊して車道を塞いでた瓦礫を爆破して
交通網の整備をしている」
『そっか、ヴィランに突っ込んでなくてよかった』
「俺はむしろお前が突っ込んでいかないか
心配だった」
焦凍の言葉に夜羽は困った様に笑う
「さて、ここからどうする
俺たちは個性を攻撃には使えない
ヒーローが来なきゃヴィランは倒せない
またあの規模の地震が来たら
耐えてた建物も
俺の氷の屋根も持つ保証はない」
原因であるヴィランを直接叩けないのであれば
学生である我々にできることはできるだけ
けが人を出さないよう
救助と避難を続けるしかないのが現状だ
するとどこからともなく
また大きな地鳴りが聞こえた
「伏せろ!」
避難用の氷の屋根の下にいる
一般人に焦凍は叫ぶ
だが何も起きない
『揺れが来ない』
「どういうことだ?」
さっきはこの音の後に
立っていられないほどの揺れが襲ったのに
すると辺にいたカラスが鳴きだした
周辺のカラスたちと情報交換を行っているのだ
祖父の個性により
従えられている数多のカラス達
父や夜羽にもよく懐き
祖父が現場にいなくても
その力を貸してくれる
言うことを聞いてくれるからといって
娘を見守るためだけに
この量のカラスを割く父はどうかと思うが...
このカラスたちが八咫烏警察の
目となり耳となり口となり
迅速な情報収集と伝達を行い
八咫烏警察の活動に大きく貢献している
カァカァー
カァカー
カラス同士が情報の交換をしている
それを夜羽は聞き
『ヴィランはもう既に移動していて
ここから離れたところで
再度同じ手口て事件を起こしてるみたい
ひったくり犯も一緒だって』
「ここと同じく?急がねぇと」
『うん、行こう!』
焦凍が走り出し
夜羽は飛び立つ
Boooom
「うぉいこらこの鳥頭!半分野郎!
俺を置いていくつもりか!」
勝己が爆速で飛んでくる
簡潔にことの成り行きを説明すると
勝己はニヤリと口角を上げる
「そこに行きゃあヴィラン野郎ぶっ飛ばせんだな!?」
「ぶっ飛ばしちゃダメだ」
『また建物の倒壊がないとも限らない
急ごう』