片翼の月
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「かっちゃん…!大丈夫?頭打ってたら大変だよ!」
ほんの数日前の出来事だ
大丈夫に決まってんだろクソデク
お前にできて、俺にできないことなんてない
人に手を差し伸べることくらい
この俺様にだってできる
この時俺は確かにイライラしていた
なのに、そのはずなのに
何故か俺の足はその原因があった
あの川に向かっていた
それも無意識に
そしてたどり着いたそこには
でけー鳥がいた
上手く泳げないのか川で鳥が
バシャバシャと大きな羽を忙しなく動かしている
近くまで寄って見れば
鳥が溺れてるのかと思ったそれは人だった
翼の生えた人
「…ッチ!俺にだってできらぁ…クソデク」
きっとこの時俺がこいつを
助けようと思ったのはデクのような
お人好しや優しさなどの理由からではない
ただの対抗心
MAXにイライラもしてた
ズカズカと川に入り
濡れる服もお構い無しに
バシャバシャと音をたてながら
翼だけ水面に出てるそいつの
元へと向かった
「おい、大丈夫かよ」
手を伸ばし水中にいる奴の
体を掴みあげようと手を伸ばすと
声に反応したのか水中から顔を出したのは
同い年くらいの女の子
差し出す手をじっと見つめて
キョトンとしていた
女の子と真っ直ぐ目が会い
何故か動けなくなった
雲ひとつない、今日の空みたいな
空色の髪
瞳は…
『…ふふ、ありがとうヒーローさん』
太陽のような金色の瞳が柔らかく笑った
ーーーーーー
かっちゃんが川に落ちたのって
何歳なんでしょう…