ー死神篇ー
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夜も更け、周りに人などいない道を、無言の彼と2人で歩く。
自然に繋がれた手を平子に引かれれば、普段より早足で無口な彼はきっと、何か怒っているようで、一度も合わない視線に必死に付いていくが、酔いも回りバランスを崩してしまう。
足が絡み倒れれば、ドンッという物音に手が離れ、驚いた瞳と目が合った。
「いたい、」
「...スマン、歩くの早かったな」
「怒ってる...よね?」
目の前にしゃがみ込む彼は、苦笑いを浮かべ頭を掻いた。
「背中乗り。おぶったるわ」
膝から出る血を回道で止血し、言われるがまま彼の背中に体重を預ける。
「迷惑かけて、ごめんね。」
「自分の器の小ささに呆れてただけや。莉音は何も気にせんでええ」
「でも...嫌な思いさせたくない。」
「それこそ、俺かてオマエに我慢強いたくないねん」
自分以外の男性と仲良くする私を見て、きっといい気はしないはず。
逆ならどうだろう?私は心から彼を送り出せるだろうか。...きっと嫉妬して八つ当たりをしてしまう。
「...次からは男の人のいない時だけ行くようにする。真子が一番大事だもん」
「アホか、なら初めから俺誘えばええやろ」
「いいの...?」
「当たり前やろ。」
「うん!一緒がいい!」
嬉しくなって力強く抱き締めれば、背中越しに見える彼は穏やかな表情をしていて、もう怒ってなどいなかった。