【長編化 候補作品】中編 ヒロアカ 轟焦凍夢
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始発の電車に飛び乗って、ほぼ無人の車両内で、轟ははやる気持ちを抑えながら流れていく景色を見ていた。
そして雄英高校の生徒寮へ戻って来た。朝日が昇り出した時間でまだ誰も戻っていないだろう…。彼女以外は。
速足で入り口を潜って、共用ルームに入ると、角から探し人の平野が出て来た所だった。
「ん? おー 一番乗りは轟くんか! お帰り。久しぶりの実家はどうだった?」
見慣れた顔、つい数日前まで普通に一緒に授業を受けていたクラスメイト。なのに…
まるで何年も会って無かったような懐かしさと、切なさと、悲しさで胸が締め付けられた。
「……ッふ…う…ぅ…っ」
ぶわっと溢れる涙と嗚咽に顔を真っ赤にして俯きながら、肩を震わせる轟に、平野は飛び上がる勢いで驚いた。
「んえ!? あれ!? どうしたのッ!? 実家で何かあったの!?」
「…ッう……ぐ、ちが…ッぐす、とめ…とめかた…わかん、ね…っ」
「お、おぉ…えー…っと、と、とりあえず部屋に行こうっ」
平野に背中を押されながら、寮内の轟の部屋にやって来た二人、
袖で涙を拭いながら、しゃっくりが止まらない轟にオロオロしていると、轟が赤い顔を腕で隠す。
「ぐず…っ う……けほっ…、カッコ悪ぃし、だせぇ…から、ぐすっ見ないでくれ…」
「う、んー………、ふんっ!」
「っ…?」
ガバッと平野が轟を抱き締める。ふわりと髪から香る優しい匂いと、平野から伝わって来る体温に
じわり…と涙腺がまた緩む。
「カッコ悪いなんて思わないよ。誰にでも、辛い時も泣きたい時もある…何があったのかは聞かないけど。
誰も見てないし、私も、何も見てない」
「ッ……う、っ……っああ…」
抱き締められながら優しく頭を撫でられて、平野の首元に顔を埋めてグッと抱き締め返す。
(良い匂い…あったけぇ…心臓、動いてる…)
密着した体から伝わる体温と、トクトクと脈打つ心音を感じて安心する。
(生きてる…平野が、生きてる)
ギュウウウ…と強く抱き締めながら、胸いっぱいに平野の香りを吸い込むと少し落ち着いた気がした。
一方、力いっぱい轟に抱き締められている平野は轟の頭を撫でながら。
「っ……、…」
(ちょっと苦しい…けど、今それを言ったらダメだよねっ が、我慢…!)
若干骨がミシミシ言ってる気がするが、しばらくそのままでいると落ち着いたらしい轟が顔を上げた。
「もう、大丈夫…悪かったな」
「ううん…あ、目がちょっと腫れちゃってる」
「ん…」
今ハンカチとか持って無いから…と言いながら袖で目元を拭いてやると、轟は目元を緩ませながら、
平野の手を握ると口を開いた。
「平野…」
「ん?」
「好きだ」
「……ん!?」
ピシ…と固まった平野に対して轟は涙で潤んではいるが、真剣な顔付きでギュッと手を握る。
思考が追い付かず混乱する平野に轟が続ける。
「俺は、平野が好きなんだ」
「……んんんっ!?」
これは、俺が大切な女性(ヒト)と 未来を歩むための物語だ。
そして雄英高校の生徒寮へ戻って来た。朝日が昇り出した時間でまだ誰も戻っていないだろう…。彼女以外は。
速足で入り口を潜って、共用ルームに入ると、角から探し人の平野が出て来た所だった。
「ん? おー 一番乗りは轟くんか! お帰り。久しぶりの実家はどうだった?」
見慣れた顔、つい数日前まで普通に一緒に授業を受けていたクラスメイト。なのに…
まるで何年も会って無かったような懐かしさと、切なさと、悲しさで胸が締め付けられた。
「……ッふ…う…ぅ…っ」
ぶわっと溢れる涙と嗚咽に顔を真っ赤にして俯きながら、肩を震わせる轟に、平野は飛び上がる勢いで驚いた。
「んえ!? あれ!? どうしたのッ!? 実家で何かあったの!?」
「…ッう……ぐ、ちが…ッぐす、とめ…とめかた…わかん、ね…っ」
「お、おぉ…えー…っと、と、とりあえず部屋に行こうっ」
平野に背中を押されながら、寮内の轟の部屋にやって来た二人、
袖で涙を拭いながら、しゃっくりが止まらない轟にオロオロしていると、轟が赤い顔を腕で隠す。
「ぐず…っ う……けほっ…、カッコ悪ぃし、だせぇ…から、ぐすっ見ないでくれ…」
「う、んー………、ふんっ!」
「っ…?」
ガバッと平野が轟を抱き締める。ふわりと髪から香る優しい匂いと、平野から伝わって来る体温に
じわり…と涙腺がまた緩む。
「カッコ悪いなんて思わないよ。誰にでも、辛い時も泣きたい時もある…何があったのかは聞かないけど。
誰も見てないし、私も、何も見てない」
「ッ……う、っ……っああ…」
抱き締められながら優しく頭を撫でられて、平野の首元に顔を埋めてグッと抱き締め返す。
(良い匂い…あったけぇ…心臓、動いてる…)
密着した体から伝わる体温と、トクトクと脈打つ心音を感じて安心する。
(生きてる…平野が、生きてる)
ギュウウウ…と強く抱き締めながら、胸いっぱいに平野の香りを吸い込むと少し落ち着いた気がした。
一方、力いっぱい轟に抱き締められている平野は轟の頭を撫でながら。
「っ……、…」
(ちょっと苦しい…けど、今それを言ったらダメだよねっ が、我慢…!)
若干骨がミシミシ言ってる気がするが、しばらくそのままでいると落ち着いたらしい轟が顔を上げた。
「もう、大丈夫…悪かったな」
「ううん…あ、目がちょっと腫れちゃってる」
「ん…」
今ハンカチとか持って無いから…と言いながら袖で目元を拭いてやると、轟は目元を緩ませながら、
平野の手を握ると口を開いた。
「平野…」
「ん?」
「好きだ」
「……ん!?」
ピシ…と固まった平野に対して轟は涙で潤んではいるが、真剣な顔付きでギュッと手を握る。
思考が追い付かず混乱する平野に轟が続ける。
「俺は、平野が好きなんだ」
「……んんんっ!?」
これは、俺が大切な女性(ヒト)と 未来を歩むための物語だ。
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