【長編化 候補作品】中編 ヒロアカ 轟焦凍夢
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「―――ッ!!…はあっ…はっ……はあ………」
夜中、轟焦凍は自室で飛び起きた。流れる冷たい汗を腕で拭いながら辺りを見渡すと見慣れた実家の和室。
「……俺は、なんで」
何故 実家にいるのか。混乱する頭で更に見渡すと枕元に自分の通学鞄があった。
そして大きめの荷物と壁に掛けてある雄英高校の制服を見て思い出した。
夏休みで実家に帰省していた事に。それを思い出すと頭が落ち着きを取り戻す。
「…そうだ、今実家か。はあ…何かすげぇ長ぇ…嫌な夢見てた気がする…」
キッチンへ水を飲みに行こうと立ち上がろうとすると、何かが胸元で揺れた。
「ッ……!!!」
ドクッ…!!と心臓が音を立てて跳ねて、ひゅっ…と息を呑む。
胸元にあったのは身に着けた覚えのない真紅の石のネックレス…。
そしてそのネックレスを見た瞬間、脳裏を駆け抜けるたくさんの光景と、
胸を潰されるような激しい感情。
「な、なん…!?」
グルグルと駆け巡る映像に思わず頭を抱えて蹲ると、
黒い強大な水晶に身体を貫かれているクラスメイトの姿が強烈に流れ込んで来た。
そしてそのまま動かなくなって、そこからは雑な寄せ集め映像のように、葬儀、火葬、
そしてモノクロの街や人々の映像が駆け抜けた。
「はっ!……はっ!!はぁッ!!」
息が出来ない程に乱れる鼓動と思考。そして最後に流れて来たのは強烈な想い。
【俺がもっと強かったら…】
【もっと、アイツの事をちゃんと見てやれば良かった…】
【もう一度、逢いてぇな…】
【俺…アイツが、平野が―――好きなんだ】
「―――ッ!!!」
カッチリと、何かが合わさったような感覚の後、嘘のように収まった異変。
そして轟はゆっくりと体を起こして力なく下していた手で、ネックレスの石を撫でる。
「……ひら、の」
無意識に呟くと、直後に弾かれたように立ち上がって、バタバタと着替え始める。
荷物をひったくって玄関へ向かうと姉が後ろから驚いた様子で声を掛けて来た。
「ちょっちょっと焦凍っ? どうしたのこんな早くに! もう寮に戻るの!?」
「ああっ急用思い出したから…ッ お母さんの見舞い、今度行くって言っといてくれ! じゃあ!」
「あ、うん…いってらっしゃい。………どうしたのかしら? あんなに慌てて珍しい…」
帰省最終日で、どのみち今日雄英の寮へ帰る予定だった弟だが、こんな夜明け前に立つとは思っていなかった。余程大切な用事なんだろうと思って、姉は部屋でもうひと眠りすることにした。
夜中、轟焦凍は自室で飛び起きた。流れる冷たい汗を腕で拭いながら辺りを見渡すと見慣れた実家の和室。
「……俺は、なんで」
何故 実家にいるのか。混乱する頭で更に見渡すと枕元に自分の通学鞄があった。
そして大きめの荷物と壁に掛けてある雄英高校の制服を見て思い出した。
夏休みで実家に帰省していた事に。それを思い出すと頭が落ち着きを取り戻す。
「…そうだ、今実家か。はあ…何かすげぇ長ぇ…嫌な夢見てた気がする…」
キッチンへ水を飲みに行こうと立ち上がろうとすると、何かが胸元で揺れた。
「ッ……!!!」
ドクッ…!!と心臓が音を立てて跳ねて、ひゅっ…と息を呑む。
胸元にあったのは身に着けた覚えのない真紅の石のネックレス…。
そしてそのネックレスを見た瞬間、脳裏を駆け抜けるたくさんの光景と、
胸を潰されるような激しい感情。
「な、なん…!?」
グルグルと駆け巡る映像に思わず頭を抱えて蹲ると、
黒い強大な水晶に身体を貫かれているクラスメイトの姿が強烈に流れ込んで来た。
そしてそのまま動かなくなって、そこからは雑な寄せ集め映像のように、葬儀、火葬、
そしてモノクロの街や人々の映像が駆け抜けた。
「はっ!……はっ!!はぁッ!!」
息が出来ない程に乱れる鼓動と思考。そして最後に流れて来たのは強烈な想い。
【俺がもっと強かったら…】
【もっと、アイツの事をちゃんと見てやれば良かった…】
【もう一度、逢いてぇな…】
【俺…アイツが、平野が―――好きなんだ】
「―――ッ!!!」
カッチリと、何かが合わさったような感覚の後、嘘のように収まった異変。
そして轟はゆっくりと体を起こして力なく下していた手で、ネックレスの石を撫でる。
「……ひら、の」
無意識に呟くと、直後に弾かれたように立ち上がって、バタバタと着替え始める。
荷物をひったくって玄関へ向かうと姉が後ろから驚いた様子で声を掛けて来た。
「ちょっちょっと焦凍っ? どうしたのこんな早くに! もう寮に戻るの!?」
「ああっ急用思い出したから…ッ お母さんの見舞い、今度行くって言っといてくれ! じゃあ!」
「あ、うん…いってらっしゃい。………どうしたのかしら? あんなに慌てて珍しい…」
帰省最終日で、どのみち今日雄英の寮へ帰る予定だった弟だが、こんな夜明け前に立つとは思っていなかった。余程大切な用事なんだろうと思って、姉は部屋でもうひと眠りすることにした。