モノクロな日常からヘンテコな世界へ
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――コンコン!
「尚さーん、入りますよー?」
――ガチャ
「………」
「こちらの方達が、アナタを発見してここに運んでくれたんですよ」
「…ありがとうございました。ご迷惑をおかけしました」
看護師さんに紹介されて尚は三人に深く頭を下げると、三人は軽く頷いた。
看護師が出て行ってから、四人で話すことになった。
「えっと、意識が戻って安心しました。体調はどうですか?」
銃兎が微笑みながら問うと、尚は小さく頷いた。
「あ、はい、大丈夫です」
「そうですか…それで問診の繰り返しになりますが、
貴女の事についてお聞きしたいんですが…よろしいですか?」
「はい」
銃兎による事情聴取に淡々と答えていく尚。
医師に聞いていた通り、最低限な情報以外は覚えていない状態に、銃兎は頭痛を覚えた。
(マジか…せめて苗字が分かれば身元が分かるんだが、身分証明になる物も一切持っていないし…
捜索願いが出ていればまだ可能性はあるか…)
「なあ、あー…尚っつったか?」
「はい」
「お前、歳はいくつだ?」
「年齢ですか? 私は…」
(多分、合歓と同じぐらい…)
(恐らくイケブクロの山田次男と同じぐらいか、下手したら三男と同じぐらい…)
(恐らく10代…)
「26ですが」
「あ″あ″んッ!?」
「はああッ!!?」
「ほう…」
病室に左馬刻と銃兎の声が響く。きょとん…としている尚に二人が詰め寄る。
「おいおい嘘だろ!? 俺様より年上じゃねぇか!」
「お若いんですね…」
「いや、貴女の方がお若いですよ!? 全く見えねぇわ!」
「すいません」
「うむ、日本人の女性は実年齢より容姿が若い人が多いと言うからな」
「そうなんですね」
さほど興味が無さそうに淡々と相槌をうつ尚に、左馬刻と銃兎は『はあぁ…』と気が抜けたように脱力する。
「まあ良い…それよりよぉ尚 お前これからどうすんだよ?」
「………」
左馬刻の問い掛けに、尚は視線を彷徨わせた。
身寄りも血縁もいるのか分からない。家の所在も分からない。自分が何者なのかも分からない。
過去も無い。『自分』という存在、人生のほとんどを失って、これからの生活をどうしていくのか。
その問い掛けは、尚も答えられない。自分の現状もハッキリ自覚出来ていないのだから当然だろう。
そんなの心境を察して、左馬刻はガリガリと頭を掻く。
「まあ…どうするっつっても分からねぇわな」
「はい…」
「とりあえず身元を確認しますので、色々と調査している間は保護扱いになります。その間は…
そうですねぇどこかに身を寄せないといけませんが…」
「お前のマンションで良いじゃねぇかよ」
「は?」
左馬刻の提案に銃兎はポカンとしながら視線を向ける。
「どうせ仕事でロクに帰ってねぇし、使ってねぇじゃねぇかよ。たまに寝に帰るぐらいだろ?」
「……まあ、そうですが」
「うむ、それに銃兎の所なら安全だろうし、保護扱いならその方が都合が良いのではないか?」
「確かに…。尚さん、暫くは私の家で生活してもらっても良いですか?」
「ご迷惑でなければ…お願いします」
「分かりました。…数日はまだ検査もあるらしいので少し入院になりますが、またお見舞いに来ますね」
「ありがとうございます」
にこやかな銃兎に頭を下げ、その日はお開きになった。
「尚さーん、入りますよー?」
――ガチャ
「………」
「こちらの方達が、アナタを発見してここに運んでくれたんですよ」
「…ありがとうございました。ご迷惑をおかけしました」
看護師さんに紹介されて尚は三人に深く頭を下げると、三人は軽く頷いた。
看護師が出て行ってから、四人で話すことになった。
「えっと、意識が戻って安心しました。体調はどうですか?」
銃兎が微笑みながら問うと、尚は小さく頷いた。
「あ、はい、大丈夫です」
「そうですか…それで問診の繰り返しになりますが、
貴女の事についてお聞きしたいんですが…よろしいですか?」
「はい」
銃兎による事情聴取に淡々と答えていく尚。
医師に聞いていた通り、最低限な情報以外は覚えていない状態に、銃兎は頭痛を覚えた。
(マジか…せめて苗字が分かれば身元が分かるんだが、身分証明になる物も一切持っていないし…
捜索願いが出ていればまだ可能性はあるか…)
「なあ、あー…尚っつったか?」
「はい」
「お前、歳はいくつだ?」
「年齢ですか? 私は…」
(多分、合歓と同じぐらい…)
(恐らくイケブクロの山田次男と同じぐらいか、下手したら三男と同じぐらい…)
(恐らく10代…)
「26ですが」
「あ″あ″んッ!?」
「はああッ!!?」
「ほう…」
病室に左馬刻と銃兎の声が響く。きょとん…としている尚に二人が詰め寄る。
「おいおい嘘だろ!? 俺様より年上じゃねぇか!」
「お若いんですね…」
「いや、貴女の方がお若いですよ!? 全く見えねぇわ!」
「すいません」
「うむ、日本人の女性は実年齢より容姿が若い人が多いと言うからな」
「そうなんですね」
さほど興味が無さそうに淡々と相槌をうつ尚に、左馬刻と銃兎は『はあぁ…』と気が抜けたように脱力する。
「まあ良い…それよりよぉ尚 お前これからどうすんだよ?」
「………」
左馬刻の問い掛けに、尚は視線を彷徨わせた。
身寄りも血縁もいるのか分からない。家の所在も分からない。自分が何者なのかも分からない。
過去も無い。『自分』という存在、人生のほとんどを失って、これからの生活をどうしていくのか。
その問い掛けは、尚も答えられない。自分の現状もハッキリ自覚出来ていないのだから当然だろう。
そんなの心境を察して、左馬刻はガリガリと頭を掻く。
「まあ…どうするっつっても分からねぇわな」
「はい…」
「とりあえず身元を確認しますので、色々と調査している間は保護扱いになります。その間は…
そうですねぇどこかに身を寄せないといけませんが…」
「お前のマンションで良いじゃねぇかよ」
「は?」
左馬刻の提案に銃兎はポカンとしながら視線を向ける。
「どうせ仕事でロクに帰ってねぇし、使ってねぇじゃねぇかよ。たまに寝に帰るぐらいだろ?」
「……まあ、そうですが」
「うむ、それに銃兎の所なら安全だろうし、保護扱いならその方が都合が良いのではないか?」
「確かに…。尚さん、暫くは私の家で生活してもらっても良いですか?」
「ご迷惑でなければ…お願いします」
「分かりました。…数日はまだ検査もあるらしいので少し入院になりますが、またお見舞いに来ますね」
「ありがとうございます」
にこやかな銃兎に頭を下げ、その日はお開きになった。