――シブヤディビジョン某所

『嘘つけえええッ！！
こんな小っちゃくて可愛いのに俺らより年上な訳無ぇだろ！？　
そんな合法ロリが現実に存在する訳無ぇッ！！　絶対三郎とタメだろッ！？　
売春か！？　借金のカタに拉致したのか！？　この腐れ外道ッ！！！』
『ごうほうろり…』
『だああああッうっせぇわ！！　このクソヲタク野郎ッ！！！　
良いから放せや！！！　ボケが移る！！！』
『青棺さん、ごうほうろりって何ですか…？』
『ほら見ろやああああ！！　テメェが変な事言いやがるから、変に興味持っちまったろうがぁぁぁッ！！！』
『……ごうほうろりって何ですか？』
『えーっとなぁ～』
『教えんなッこのクソブラコン　ロリコンヲタク野郎！！！』

「あはははっ☆　何これ面白～い！　
《B．Bの山田一郎とMTCの青棺左馬刻　一人の少女を巡って三角関係か！？》だって～！　
左馬刻と一郎は相変わらず仲良しさんだねぇ～☆　ん～でも、こっちのオネーサンは誰かなぁ？」

カラフルなデザイン事務所でスマホを見ている飴村乱数。
昼間に上がったSNSの動画を見ながら、スクロールして色んなコメントに目を通す。

【合法ロリがどうしても気になる女の子ｗｗｗ】
【え？　これどっちの彼女？】
【一郎くん　圧倒的お兄ちゃん感ｗｗｗ】
【左馬刻様　スーパーの袋持ってるｗｗ　家庭的な感じが面白いｗｗｗ】
【借金のカタ？　拉致？　これマジ？？】
【一郎くん　顔がだらしなくなってるｗｗｗ　可愛いっ】
【私も一郎くんに抱き締められたい！！　代わって欲しい～！！】

『うっせぇッシスコン　ロリコン野郎ッ！！！』

「はあ゛ぁああぁんッ！？」

「あ゛ぁああぁんッ！？」

――パンッパンッ！！

『はいはいっそこまで！！　
真昼間から大衆の前でシスコンだの　ブラコンだの　ロリコンだの大声で言い合わないで下さい！　
SNSで動画が上げられているし、騒ぎになっているから様子を見に来てみれば…』
『尚をこちらに渡してもらえるだろうか？』

【銃兎さんキタァァァ！！】
【きゃー理鶯さん！！】
【なんか一郎くんと理鶯さんがひそひそしてるｗｗｗ】
【あ、女の子が理鶯に渡った。ん？　彼女じゃなかったのか？？】
【左馬刻様がマイク出そうとしてるｗｗｗ】

『とっとと失せろクソガキッ！！！』
『うっせぇクソヤクザッ！！！』
『はいはいッ！　マイクを出そうとしない！！　解散ッ解散ッ！！！』

【銃兎さんのオカンっぷりが好き】
【不良生徒を引き取る担任みたいｗｗｗ】
【あ、理鶯さんが左馬刻様担いでったｗｗｗ】
【終了～！ｗｗｗ】
【何気に銃兎さんが女の子の手を引いてるのがジワるｗｗｗ】

動画はそこで終わって、乱数は目を細める。

「ふぅ～ん…このオネーサン、尚って言うんだぁ☆　可愛いなぁ～会いに行っちゃおっかな？☆」

くるんっくるんっと椅子を回転させながら、名案！とばかりに笑みを浮かべる乱数だった。
新たな出会いまで、あと少し…。