素直で従順は大変結構。…なはず
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「あっお兄ちゃーん! 銃兎さんと理鶯さんもこんにちは!」
「おー待ったか?」
「こんにちは」
「久しいな、元気そうで何よりだ」
笑顔で駆け寄って来る合歓に頬が緩む左馬刻の両サイドで、笑顔を浮かべる銃兎と理鶯。
「それで、頼みたい事って?」
「ああ、コイツの服とか一式揃えたいんだがよ…よく分からねぇらしいから一緒に見てやってくれ」
「ん?」
「………こんにちは」
「!」
左馬刻達の後ろにいて見えなかったが、そろ…と顔を出した尚に
合歓が数秒固まってから、ぱあっと瞳を輝かせる。
「わぁっ可愛い! こんにちは! お兄ちゃんこの子どうしたの?」
「ブフッ…」
「ッククク…」
「うむ」
「え?……え??」
合歓の言葉に思わず噴出す三人に、合歓がきょとんとすると左馬刻が合歓の頭を撫でる。
「あーいや、見た目がこうだから仕方ねぇけどな。コイツは俺の一つ上だから年上だ」
「え…ええ!? 嘘っやだ私ったら ごめんなさい! すみませんッ!!」
「いえ、気にしないで下さい」
真っ赤になって頭を下げる合歓に、同じ様に頭をさげる尚。
その様子を見て笑いを堪える左馬刻と銃兎、
微笑ましそうに和やかな視線を向ける理鶯だった。
「気を取り直して、そろそろ行きましょうか」
「そうだな」
「おう、ほら合歓も欲しいモンあったら一緒に買え」
そう言ってカードを合歓に渡すと、嬉しそうにそれを受け取る。
「良いの? ありがとう! じゃあ行きましょうか尚さん!」
「は、はい」
色々と見て回る女子二人を後ろから見ながら、左馬刻たち三人は尚について考えていた。
「…尚さんは、他人と関わるのが苦手と言うより、ある意味恐れている様に見えるな」
「おう、まあ記憶が無くなっても刷り込まれたモンは消えねぇだろうからな…
人間が恐怖の対象なのは仕方ねぇだろうよ」
「だが、尚なりに歩み寄ろうと努力している様だし、
少しずつ慣れて行けるように小官達で見守ってやろう」
「お兄ちゃん! 見て見て~! 尚さん似合うよね!?」
「ん? おー良いじゃねぇか買えよソレ」
「ほらっやっぱり似合いますよ!」
「そ、そうでしょうか…?」
「………着せ替え人形になってないか?」
「うむ、楽しそうでなによりだな」
「まあ、そうですね」
服や靴、バッグなどを一通り買い揃えて、たくさんの袋を抱えて戻って来た合歓と尚。
ほくほくした顔の合歓に対して尚、は申し訳なさそうにしている。
「尚さん可愛いから何でも似合うし、ついいっぱい買っちゃった!」
「こんなに買うつもりでは…」
「気にしなくて良いですよ。左馬刻の金ですから、
どうせ使い道なんて無いですし」
「お前も貯めるだけで使ってねぇだろうがよ。
けどまあ有り余ってるのは事実だからな、気にすんな」
「…ありがとうございます」
「おう」
わしゃわしゃと尚の頭を撫でる左馬刻に戸惑いながらも、
お礼を言って頭をさげる尚の隣で銃兎が休憩を提案した。
雰囲気の良い喫茶店で軽く食事をして、会計時に先に外に出ていた銃兎、理鶯、尚。
会計している左馬刻の隣に立って合歓がについて聞いた。
「ねえお兄ちゃん、尚さんって…」
「ああ、アイツは…――」
「時間掛かってますね」
「混んでいるのだろうか?」
「ですかね…? あ、荷物全部持たせちゃってすいません。持ちます」
「いや、問題無い。小官達が持とう。尚には重いだろう?」
「い、いえでも…自分の物ですし…」
「任せておいて良いですよ。我々男はそもそも荷物持ち要員ですから」
「でも…じゃあせめて小さい袋だけでも…」
「律儀ですねさんは…」
銃兎と理鶯に荷物を持たせているのは申し訳ないらしく、
若干食い下がる尚に理鶯と銃兎が微笑んでいると、
勢いよく喫茶店の扉が開いた。
――ガランッガランッ!!
「「「!?」」」
カラン カラン…と可愛らしい音が鳴るはずの扉のベルのけたたましい音に驚いて振り向くと、
真紅の瞳いっぱいに涙を溜めた合歓がいた。
「尚さんっ!!」
「え…はい?――うぐっ!」
一直線に尚に突進する勢いで抱き付いて来た合歓に、目を白黒させながら受け止めると、
合歓が嗚咽を漏らしながら頬を摺り寄せて来た。
「えっと…?」
「ど、どうしたんですか?」
「どこか痛むのか?」
「あー…悪い。俺だ」
合歓の後からのそのそ…と現れた左馬刻が
合歓の分の買い物袋を引っ提げながら、バツが悪そうな顔を浮かべていた。
「何があったんだ?」
「いやよぉ…尚について話したらこうなって…」
「話したのか」
「おう、簡単にな…まさか泣くとは思って無くてよ」
「ぐずっうぅ…尚さん、大変だったよねっ 辛かったよねっ 痛かったよねっ
でも、もう大丈夫だからね! お兄ちゃんも私も、銃兎さんも理鶯さんも、
みんな尚さんの味方だからっ何でも言って下さいね!」
「は…はい、ありがとう…ございます。…大丈夫ですか?」
「ぐずっ…はぃ…」
ぐりぐりと頬を摺り寄せて来る合歓の涙を袖で拭いてやりながら、
尚が眉を下げると、左馬刻が頭をガリガリと掻きながら合歓の頭を撫でる。
「おら合歓、もう泣き止めって…」
「うん、ごめんね…」
くすん…と鼻を鳴らす合歓の頭を撫でながら、左馬刻が仕切り直す。
「んじゃあ、次どこ行くよ?」
「あ、いえもう充分で…」
尚が待ったと掛けようと声を掛けると、合歓がそれを遮った。
「まだです!」
「え」
「女性には必要な物が、まだあります!」
「女性には、必要…?」
「メイク道具とか! 化粧水とか!」
「い、いえ…それは薬局とかの安いので…」
「ダメ! ちゃんと買わないと!」
「え…う…でも、あの……」
チラ…と左馬刻たち男性陣に視線を向けると、
左馬刻は『合歓はそうなったら聞かねぇから好きにさせろ』と言い、
銃兎と理鶯もそれにうんうんと頷くので、尚は引き下がるしかないと察した。
「は、はい…じゃあ、お、お願いします」
「はい! ジャンジャン甘えちゃって下さい!!」
爛々と瞳を輝かせる合歓と、若干焦っている尚を見ながら、
左馬刻たち三人は微笑んだ。
「じゃあ次は化粧品ですね」
「んだな」
「うむ」
「おー待ったか?」
「こんにちは」
「久しいな、元気そうで何よりだ」
笑顔で駆け寄って来る合歓に頬が緩む左馬刻の両サイドで、笑顔を浮かべる銃兎と理鶯。
「それで、頼みたい事って?」
「ああ、コイツの服とか一式揃えたいんだがよ…よく分からねぇらしいから一緒に見てやってくれ」
「ん?」
「………こんにちは」
「!」
左馬刻達の後ろにいて見えなかったが、そろ…と顔を出した尚に
合歓が数秒固まってから、ぱあっと瞳を輝かせる。
「わぁっ可愛い! こんにちは! お兄ちゃんこの子どうしたの?」
「ブフッ…」
「ッククク…」
「うむ」
「え?……え??」
合歓の言葉に思わず噴出す三人に、合歓がきょとんとすると左馬刻が合歓の頭を撫でる。
「あーいや、見た目がこうだから仕方ねぇけどな。コイツは俺の一つ上だから年上だ」
「え…ええ!? 嘘っやだ私ったら ごめんなさい! すみませんッ!!」
「いえ、気にしないで下さい」
真っ赤になって頭を下げる合歓に、同じ様に頭をさげる尚。
その様子を見て笑いを堪える左馬刻と銃兎、
微笑ましそうに和やかな視線を向ける理鶯だった。
「気を取り直して、そろそろ行きましょうか」
「そうだな」
「おう、ほら合歓も欲しいモンあったら一緒に買え」
そう言ってカードを合歓に渡すと、嬉しそうにそれを受け取る。
「良いの? ありがとう! じゃあ行きましょうか尚さん!」
「は、はい」
色々と見て回る女子二人を後ろから見ながら、左馬刻たち三人は尚について考えていた。
「…尚さんは、他人と関わるのが苦手と言うより、ある意味恐れている様に見えるな」
「おう、まあ記憶が無くなっても刷り込まれたモンは消えねぇだろうからな…
人間が恐怖の対象なのは仕方ねぇだろうよ」
「だが、尚なりに歩み寄ろうと努力している様だし、
少しずつ慣れて行けるように小官達で見守ってやろう」
「お兄ちゃん! 見て見て~! 尚さん似合うよね!?」
「ん? おー良いじゃねぇか買えよソレ」
「ほらっやっぱり似合いますよ!」
「そ、そうでしょうか…?」
「………着せ替え人形になってないか?」
「うむ、楽しそうでなによりだな」
「まあ、そうですね」
服や靴、バッグなどを一通り買い揃えて、たくさんの袋を抱えて戻って来た合歓と尚。
ほくほくした顔の合歓に対して尚、は申し訳なさそうにしている。
「尚さん可愛いから何でも似合うし、ついいっぱい買っちゃった!」
「こんなに買うつもりでは…」
「気にしなくて良いですよ。左馬刻の金ですから、
どうせ使い道なんて無いですし」
「お前も貯めるだけで使ってねぇだろうがよ。
けどまあ有り余ってるのは事実だからな、気にすんな」
「…ありがとうございます」
「おう」
わしゃわしゃと尚の頭を撫でる左馬刻に戸惑いながらも、
お礼を言って頭をさげる尚の隣で銃兎が休憩を提案した。
雰囲気の良い喫茶店で軽く食事をして、会計時に先に外に出ていた銃兎、理鶯、尚。
会計している左馬刻の隣に立って合歓がについて聞いた。
「ねえお兄ちゃん、尚さんって…」
「ああ、アイツは…――」
「時間掛かってますね」
「混んでいるのだろうか?」
「ですかね…? あ、荷物全部持たせちゃってすいません。持ちます」
「いや、問題無い。小官達が持とう。尚には重いだろう?」
「い、いえでも…自分の物ですし…」
「任せておいて良いですよ。我々男はそもそも荷物持ち要員ですから」
「でも…じゃあせめて小さい袋だけでも…」
「律儀ですねさんは…」
銃兎と理鶯に荷物を持たせているのは申し訳ないらしく、
若干食い下がる尚に理鶯と銃兎が微笑んでいると、
勢いよく喫茶店の扉が開いた。
――ガランッガランッ!!
「「「!?」」」
カラン カラン…と可愛らしい音が鳴るはずの扉のベルのけたたましい音に驚いて振り向くと、
真紅の瞳いっぱいに涙を溜めた合歓がいた。
「尚さんっ!!」
「え…はい?――うぐっ!」
一直線に尚に突進する勢いで抱き付いて来た合歓に、目を白黒させながら受け止めると、
合歓が嗚咽を漏らしながら頬を摺り寄せて来た。
「えっと…?」
「ど、どうしたんですか?」
「どこか痛むのか?」
「あー…悪い。俺だ」
合歓の後からのそのそ…と現れた左馬刻が
合歓の分の買い物袋を引っ提げながら、バツが悪そうな顔を浮かべていた。
「何があったんだ?」
「いやよぉ…尚について話したらこうなって…」
「話したのか」
「おう、簡単にな…まさか泣くとは思って無くてよ」
「ぐずっうぅ…尚さん、大変だったよねっ 辛かったよねっ 痛かったよねっ
でも、もう大丈夫だからね! お兄ちゃんも私も、銃兎さんも理鶯さんも、
みんな尚さんの味方だからっ何でも言って下さいね!」
「は…はい、ありがとう…ございます。…大丈夫ですか?」
「ぐずっ…はぃ…」
ぐりぐりと頬を摺り寄せて来る合歓の涙を袖で拭いてやりながら、
尚が眉を下げると、左馬刻が頭をガリガリと掻きながら合歓の頭を撫でる。
「おら合歓、もう泣き止めって…」
「うん、ごめんね…」
くすん…と鼻を鳴らす合歓の頭を撫でながら、左馬刻が仕切り直す。
「んじゃあ、次どこ行くよ?」
「あ、いえもう充分で…」
尚が待ったと掛けようと声を掛けると、合歓がそれを遮った。
「まだです!」
「え」
「女性には必要な物が、まだあります!」
「女性には、必要…?」
「メイク道具とか! 化粧水とか!」
「い、いえ…それは薬局とかの安いので…」
「ダメ! ちゃんと買わないと!」
「え…う…でも、あの……」
チラ…と左馬刻たち男性陣に視線を向けると、
左馬刻は『合歓はそうなったら聞かねぇから好きにさせろ』と言い、
銃兎と理鶯もそれにうんうんと頷くので、尚は引き下がるしかないと察した。
「は、はい…じゃあ、お、お願いします」
「はい! ジャンジャン甘えちゃって下さい!!」
爛々と瞳を輝かせる合歓と、若干焦っている尚を見ながら、
左馬刻たち三人は微笑んだ。
「じゃあ次は化粧品ですね」
「んだな」
「うむ」