素直で従順は大変結構。…なはず
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銃兎のマンションに尚が慣れて来た頃、家事もほとんど尚が担当していた。
特に料理はなかなかの腕前で、銃兎も気に入っていた。
尚がいる暮らしに慣れて来たある日、
珍しく休みが取れた銃兎がいる日に、左馬刻がマンションに訪れた。
――ガチャ
「おー銃兎ー 尚ー 邪魔すんぞー?」
「こんにちは青棺さん」
「ん″あ?」
「?」
たまたま玄関近くにいた尚。
その服装を見た瞬間、左馬刻の真紅の瞳が細くなり、
瞬時に尚を脇に抱えて、ズカズカとリビングで寛いでいる銃兎に詰め寄る。
「う″ぉいッゴラァ! このウサポリィィィ!!」
「うおっ!? なんだよ左馬刻」
「何だじゃねぇわ! テメェなんだコイツのこの服は!!」
「あ?……あー」
「………?」
左馬刻の脇に抱えられて手足をプラン…とさせながら、
きょとんと見上げてくる尚を見て、何か納得した様子の銃兎。
今の尚の服装は、グレーのダボダボのスウェット。
ズボンはサイズが合わないので自分のだが、上は男物で、袖は折っていないので手が完全に隠れている。
「お前なぁ…せめて服ぐらい揃えてやれや」
「いや、待て。これには訳があるんだ」
「あ?」
銃兎の話によると、前に尚の洋服を買いに行こうと言う話になって、出掛ける予定を立てたのだが…。
「尚さん、服を買いに行きましょう。どういう雰囲気の服が好きですか?」
銃兎が適当にパソコンで出した服の画像を見せながら声を掛けると、
洗い物を終えた尚が銃兎の側に来て一言。
「……古g」
「古着は却下」
尚の答えにピシ…と固まり即答で阻止する。
潔癖という程では無いが、身に着ける物にはそれなりにこだわりがある銃兎は、
何処の誰が着たかも分からない物を身に着けるのは気が引ける。
「尚さん、気を遣わなくて良いんですよ? お金も心配要りませんし…お店で新しい物を買いましょうね」
「でも…」
「良いから良いから、ほら行きますよ」
多少強引に連れ出して、ショッピングモール内にある女性向けの洋服を扱っている店にやって来た二人。
一人でゆっくり選びたいだろうと思って、銃兎は店の前のソファーで待つことにした。
「では尚さん、私はここで待ってますから
ゆっくり見て来て下さいね。お会計の時に呼んで下さい」
「は、はい…」
笑顔で店へ送り出す銃兎とは反対に、緊張した様子で、
おずおずと店に入っていく小さな背中を見送ってソファーに腰を下ろす。
「久々の買い物で、緊張しているんですかね…?」
(女性の買い物は長いと言うし…まあ気長に待つとするか…)
ゆったりとひじ掛けに頬杖を突きながら、何気なく店内を見ていると尚が店から出て来ていた。
「え? 尚さん、もう終わりました…ってどうしたんです?」
「いえ、その…」
速足で出て来た尚に銃兎が首を傾げると、尚は言い難そうにポツリ…と。
「どれが良いのか…分からなくて…」
「………え?」
ズル…ッとズレた眼鏡を指で押し上げながら眉をハの字に下げる。
「んー…色とか柄とか、さんが好きな物を買えば良いんですよ?」
「そう、言われても…ピンと来なくて…すいません」
「ふむ…」
シュン…と肩を落とす尚は、恐らく人と関わるのが苦手な質なのだろう。と感じた銃兎は、
この様子だと店員に話し掛けられるのも苦手なのだろう…。と察して、
この日は仕方なく何も買わずに帰って来たのだ。
結果、銃兎の着ていないスウェットを部屋着として着せている。
「…と言う訳です」
「ほー…尚、服の好み無いんか?」
「よく分からないです…」
「そうか…んなら乱数に…………あー」
「どうした左馬刻?」
元チームメイトである有名デザイナーの飴村乱数に連絡を取ろうとして、
嫌そうに眉を顰める左馬刻に怪訝な顔をする銃兎と、不思議そうな顔の尚。
「いや……」
一瞬、乱数の所にを連れて行った所を想像すると…
『えーっ? 左馬刻~この可愛いオネーサンどうしたの~!?
もしかしてカノジョ~? うっわ~左馬刻さまったらやっるぅ~❤』
などと、キャイキャイ冷やかされる様が容易に想像出来て、げんなりする。
しかし他の適任も思いつかず唸っていると、左馬刻のスマホが着信を知らせた。
「あ″? んだよこんな時…に…」
スマホの表示を見た途端に左馬刻の表情が和らいだ。
この男にこんな顔をさせられるのはただ一人、妹の合歓しかいない。
「――ん、どうした合歓」
『あ、お兄ちゃん! 今大丈夫?』
「おう、なんかあったのか?」
『ううん、今ショッピングモールに行こうと思ってるんだけど、何か買っとく物あるかなって思って』
「ショッピングモール…」
『うん、日用品とか何か買う? ついでに買うよ』
「合歓、今家か?」
『そうだけど?』
「なら今から迎え行かせるからよ、ショッピングモールで合流しようぜ。頼みたい事があるんだわ」
『うん、良いよ? じゃあ後でね』
「おう」
ピッと通話を終了させて、次に舎弟に連絡して合歓のいる家へ迎えに行くように指示を出す。
「妹に頼むのか?」
「おう、合歓はセンスも良いし、コイツも怖がらねぇだろ。うしっ銃兎、車出せ」
「はいはい、それより…尚さんの靴がありませんね。
仕方ないからこのサンダルで辛抱して下さいね」
「大丈夫です」
「いっそ俺がずっと脇に抱えててやろうか?」
「即通報されるわ」
――ガチャ
「ん? 出掛けるのか?」
「おう理鶯、お前も来い」
「うん?」
「尚さんの洋服を揃えに行くんですよ 左馬刻の妹さんも協力してくれるそうで」
「そうか、今の尚も愛らしいが、やはり女性だからな…
洋服は持っていた方が良いだろう。
そういう事なら同行しよう」
ひょっこりと現れた理鶯も連れて、四人でショッピングモールへ向かう。
特に料理はなかなかの腕前で、銃兎も気に入っていた。
尚がいる暮らしに慣れて来たある日、
珍しく休みが取れた銃兎がいる日に、左馬刻がマンションに訪れた。
――ガチャ
「おー銃兎ー 尚ー 邪魔すんぞー?」
「こんにちは青棺さん」
「ん″あ?」
「?」
たまたま玄関近くにいた尚。
その服装を見た瞬間、左馬刻の真紅の瞳が細くなり、
瞬時に尚を脇に抱えて、ズカズカとリビングで寛いでいる銃兎に詰め寄る。
「う″ぉいッゴラァ! このウサポリィィィ!!」
「うおっ!? なんだよ左馬刻」
「何だじゃねぇわ! テメェなんだコイツのこの服は!!」
「あ?……あー」
「………?」
左馬刻の脇に抱えられて手足をプラン…とさせながら、
きょとんと見上げてくる尚を見て、何か納得した様子の銃兎。
今の尚の服装は、グレーのダボダボのスウェット。
ズボンはサイズが合わないので自分のだが、上は男物で、袖は折っていないので手が完全に隠れている。
「お前なぁ…せめて服ぐらい揃えてやれや」
「いや、待て。これには訳があるんだ」
「あ?」
銃兎の話によると、前に尚の洋服を買いに行こうと言う話になって、出掛ける予定を立てたのだが…。
「尚さん、服を買いに行きましょう。どういう雰囲気の服が好きですか?」
銃兎が適当にパソコンで出した服の画像を見せながら声を掛けると、
洗い物を終えた尚が銃兎の側に来て一言。
「……古g」
「古着は却下」
尚の答えにピシ…と固まり即答で阻止する。
潔癖という程では無いが、身に着ける物にはそれなりにこだわりがある銃兎は、
何処の誰が着たかも分からない物を身に着けるのは気が引ける。
「尚さん、気を遣わなくて良いんですよ? お金も心配要りませんし…お店で新しい物を買いましょうね」
「でも…」
「良いから良いから、ほら行きますよ」
多少強引に連れ出して、ショッピングモール内にある女性向けの洋服を扱っている店にやって来た二人。
一人でゆっくり選びたいだろうと思って、銃兎は店の前のソファーで待つことにした。
「では尚さん、私はここで待ってますから
ゆっくり見て来て下さいね。お会計の時に呼んで下さい」
「は、はい…」
笑顔で店へ送り出す銃兎とは反対に、緊張した様子で、
おずおずと店に入っていく小さな背中を見送ってソファーに腰を下ろす。
「久々の買い物で、緊張しているんですかね…?」
(女性の買い物は長いと言うし…まあ気長に待つとするか…)
ゆったりとひじ掛けに頬杖を突きながら、何気なく店内を見ていると尚が店から出て来ていた。
「え? 尚さん、もう終わりました…ってどうしたんです?」
「いえ、その…」
速足で出て来た尚に銃兎が首を傾げると、尚は言い難そうにポツリ…と。
「どれが良いのか…分からなくて…」
「………え?」
ズル…ッとズレた眼鏡を指で押し上げながら眉をハの字に下げる。
「んー…色とか柄とか、さんが好きな物を買えば良いんですよ?」
「そう、言われても…ピンと来なくて…すいません」
「ふむ…」
シュン…と肩を落とす尚は、恐らく人と関わるのが苦手な質なのだろう。と感じた銃兎は、
この様子だと店員に話し掛けられるのも苦手なのだろう…。と察して、
この日は仕方なく何も買わずに帰って来たのだ。
結果、銃兎の着ていないスウェットを部屋着として着せている。
「…と言う訳です」
「ほー…尚、服の好み無いんか?」
「よく分からないです…」
「そうか…んなら乱数に…………あー」
「どうした左馬刻?」
元チームメイトである有名デザイナーの飴村乱数に連絡を取ろうとして、
嫌そうに眉を顰める左馬刻に怪訝な顔をする銃兎と、不思議そうな顔の尚。
「いや……」
一瞬、乱数の所にを連れて行った所を想像すると…
『えーっ? 左馬刻~この可愛いオネーサンどうしたの~!?
もしかしてカノジョ~? うっわ~左馬刻さまったらやっるぅ~❤』
などと、キャイキャイ冷やかされる様が容易に想像出来て、げんなりする。
しかし他の適任も思いつかず唸っていると、左馬刻のスマホが着信を知らせた。
「あ″? んだよこんな時…に…」
スマホの表示を見た途端に左馬刻の表情が和らいだ。
この男にこんな顔をさせられるのはただ一人、妹の合歓しかいない。
「――ん、どうした合歓」
『あ、お兄ちゃん! 今大丈夫?』
「おう、なんかあったのか?」
『ううん、今ショッピングモールに行こうと思ってるんだけど、何か買っとく物あるかなって思って』
「ショッピングモール…」
『うん、日用品とか何か買う? ついでに買うよ』
「合歓、今家か?」
『そうだけど?』
「なら今から迎え行かせるからよ、ショッピングモールで合流しようぜ。頼みたい事があるんだわ」
『うん、良いよ? じゃあ後でね』
「おう」
ピッと通話を終了させて、次に舎弟に連絡して合歓のいる家へ迎えに行くように指示を出す。
「妹に頼むのか?」
「おう、合歓はセンスも良いし、コイツも怖がらねぇだろ。うしっ銃兎、車出せ」
「はいはい、それより…尚さんの靴がありませんね。
仕方ないからこのサンダルで辛抱して下さいね」
「大丈夫です」
「いっそ俺がずっと脇に抱えててやろうか?」
「即通報されるわ」
――ガチャ
「ん? 出掛けるのか?」
「おう理鶯、お前も来い」
「うん?」
「尚さんの洋服を揃えに行くんですよ 左馬刻の妹さんも協力してくれるそうで」
「そうか、今の尚も愛らしいが、やはり女性だからな…
洋服は持っていた方が良いだろう。
そういう事なら同行しよう」
ひょっこりと現れた理鶯も連れて、四人でショッピングモールへ向かう。