素直で従順は大変結構。…なはず
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「あぁ?…んだよこれ」
警察署の奥まった部屋で銃兎は眉を寄せて低く唸る。
理由は先日保護した 尚についての調査が良くない結果で決着を迎えた事。
【尚】という名前の26歳の日本人女性というだけでも、膨大な数になる。
行方不明者の捜索願いを確認した所、該当なし。
次に違法マイクを含むヒプノシスマイクによる被害届けも該当なし。
ここまでは、まあ想定内。
次に戸籍の確認、苗字不詳で名前だけだと絶望的だが、
年齢と性別で多少絞る事が出来る。
しかし東京で絞って探した所、該当なし。
ならば地方から来た可能性もある。尚は発見時 裸足だった。
全く違う場所から拉致されたのなら、裸足で汚れていなくても第三者が運んで移動させたなら納得出来る。
日本全国のデータベースから、時間は掛かったが照会した所…
【該当なし】のエラー画面に、銃兎は唸っていた。
何度試しても結果は同じだった。
「どういう事だ…?」
(戸籍のデータに該当しない?と言う事は…日本に、尚という人間はいない?
いやいやいや、おかしいだろ…そんなはず…)
座っていた椅子の背もたれに全体重を預けて、天井を仰ぐ。
ギシ…と椅子が鳴るのがやけに大きく聞こえた。
キッチリセットされた髪をぐしゃぐしゃと乱しながら、
銃兎は大きく息を吸って思考する。
(日本人じゃない…? いや、あの容姿は日系…海外から入国したとしたら? アジア圏か…?)
尚の外見はハーフには見えない。
日本人じゃないならアジア系だろう…。
入国の履歴を調べたが、26歳の女性でという名前で入国したアジア系の入国者はいなかった。
「ックソが! どうなってんだよッ!?」
バンッとデスクを殴って声を荒げる銃兎を同僚たちが何事かという視線で見て来るが、
銃兎自身はそれどころじゃない。
重いため息をついて眼鏡を外して目頭を押さえて俯く。
(戸籍も無い。海外からの入国者でも無い。だったら何なんだ彼女は?
尚は…何処から来たんだ? いきなりその場に湧いて出た訳じゃあるまいし…
不法入国? だとしたら誰が? 一人では有り得ないだろ…
だが尚は記憶喪失、関係者や協力者の存在も覚えてないだろうし…)
不法入国だとしたら何のために? とそこまで考えて、銃兎の脳裏に尚の顔が浮かぶ。
あの大人しい娘が犯罪者には見えない…
見た目だけでは犯罪者かどうかは判断出来ないのは分かっているが、
どうも『臭わない』 警察官として培ってきた嗅覚が反応しない。
「…何か犯罪に巻き込まれて、記憶を失った?」
口封じのために記憶を消された? そして日本に?
考えられるのはそれぐらいだ。そして戸籍が無いとしたら、
この国で生活出来ない。
「新しく戸籍作るか…」
悪徳警官として手慣れた根回しで、難なく新たな戸籍を手に入れた。
病院に行くにも保健証がいるし、これでしばらくは大丈夫と思って、
銃兎は一連の報告をするため左馬刻にメールを打った。
警察署の奥まった部屋で銃兎は眉を寄せて低く唸る。
理由は先日保護した 尚についての調査が良くない結果で決着を迎えた事。
【尚】という名前の26歳の日本人女性というだけでも、膨大な数になる。
行方不明者の捜索願いを確認した所、該当なし。
次に違法マイクを含むヒプノシスマイクによる被害届けも該当なし。
ここまでは、まあ想定内。
次に戸籍の確認、苗字不詳で名前だけだと絶望的だが、
年齢と性別で多少絞る事が出来る。
しかし東京で絞って探した所、該当なし。
ならば地方から来た可能性もある。尚は発見時 裸足だった。
全く違う場所から拉致されたのなら、裸足で汚れていなくても第三者が運んで移動させたなら納得出来る。
日本全国のデータベースから、時間は掛かったが照会した所…
【該当なし】のエラー画面に、銃兎は唸っていた。
何度試しても結果は同じだった。
「どういう事だ…?」
(戸籍のデータに該当しない?と言う事は…日本に、尚という人間はいない?
いやいやいや、おかしいだろ…そんなはず…)
座っていた椅子の背もたれに全体重を預けて、天井を仰ぐ。
ギシ…と椅子が鳴るのがやけに大きく聞こえた。
キッチリセットされた髪をぐしゃぐしゃと乱しながら、
銃兎は大きく息を吸って思考する。
(日本人じゃない…? いや、あの容姿は日系…海外から入国したとしたら? アジア圏か…?)
尚の外見はハーフには見えない。
日本人じゃないならアジア系だろう…。
入国の履歴を調べたが、26歳の女性でという名前で入国したアジア系の入国者はいなかった。
「ックソが! どうなってんだよッ!?」
バンッとデスクを殴って声を荒げる銃兎を同僚たちが何事かという視線で見て来るが、
銃兎自身はそれどころじゃない。
重いため息をついて眼鏡を外して目頭を押さえて俯く。
(戸籍も無い。海外からの入国者でも無い。だったら何なんだ彼女は?
尚は…何処から来たんだ? いきなりその場に湧いて出た訳じゃあるまいし…
不法入国? だとしたら誰が? 一人では有り得ないだろ…
だが尚は記憶喪失、関係者や協力者の存在も覚えてないだろうし…)
不法入国だとしたら何のために? とそこまで考えて、銃兎の脳裏に尚の顔が浮かぶ。
あの大人しい娘が犯罪者には見えない…
見た目だけでは犯罪者かどうかは判断出来ないのは分かっているが、
どうも『臭わない』 警察官として培ってきた嗅覚が反応しない。
「…何か犯罪に巻き込まれて、記憶を失った?」
口封じのために記憶を消された? そして日本に?
考えられるのはそれぐらいだ。そして戸籍が無いとしたら、
この国で生活出来ない。
「新しく戸籍作るか…」
悪徳警官として手慣れた根回しで、難なく新たな戸籍を手に入れた。
病院に行くにも保健証がいるし、これでしばらくは大丈夫と思って、
銃兎は一連の報告をするため左馬刻にメールを打った。