特別編 新時代の風 後篇
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「ぐっ何だ!?」
「これは…」
強烈な砂の圧力に男が苦戦する中、我愛羅が隣を見ると、そこには砂にチャクラを込める守羅の姿があった。
「守羅!」
「っ…!」
(オレは、自分で自分の限界を決め付けていただけだった…もう駄目だと諦めて、
誰かが助けてくれるのを、心の何処かで期待していた。そんなので、強くなれるはずがない!
大切なものを、守れるはずがないッ!!)
ゴアアアッと砂が渦巻いて男を覆って行く。
「はぁ、は…守羅」
地面に倒れ伏した尚が、守羅を見上げる。
「父様も、母様も、お前なんかに殺させない!
オレの大切なもの、何一つ傷付けさせないッお前はここで…オレが倒す!」
残りのチャクラ全てを込めて、守羅が繰り出す大技。それは父から教わったもの。
(今までちゃんと成功したことは無い。けど、これしかもう残ってない…今ここで、やるしかないッ!)
砂が男を覆い、何重にも重なって地中深くまで沈めて行く。
「く、くそおおおッこんな砂ごとき!!」
男も負けじと体を捻るが、もうどうにか出来る量の砂では無かった。
あと少しの所で、守羅のチャクラが限界に達し、砂の圧が徐々に弱まり出す。
「あと、少しなのに…ッ」
力を振り絞る守羅の肩に、大きな手が置かれた。
「父様…?」
見上げると、我愛羅は静かに頷いた。
そしてもう一方の肩に何とか動けた尚が手を置き、我愛羅にもたれるように寄り添い、
同じように頷いて見せた。すると、守羅の体を光が包み、みるみるうちにチャクラの消費が嘘のように、
次々と湧き上がって来た。
我愛羅が自分のチャクラを、尚が男の糸に抗って、自分の生命力を、それぞれ守羅に送っていたのだ。
「諦めるな」
「守羅、頑張って」
守羅が再びチャクラを込めると、一気に男が砂に埋もれて行く。
(今だ!)
「――砂瀑大葬!!」
「ぐあああああッ!!」
砂が渦を巻き、バクンッと男を呑み込む。
圧倒的な砂の圧により、男は二度と地上に出て来る事は無いだろう…。
「は、はぁ…はぁ…やった」
「よくやったな。守羅」
「へへ…」
がっくりと脱力する守羅を支えて、我愛羅が微笑むと守羅も頬を緩めた。
「はぁ…あっ」
「っ尚!」
「母様!」
「はぁっはぁ…」
男の糸が消え、尚にも限界が来たのだろう。フラッと倒れそうになるのを我愛羅が支えるが、
その顔色は全く血の気がないといっても不思議では無いぐらいに悪い。
「まずいな…すぐに里へ戻るぞ」
「うん!」
我愛羅が砂を浮上させると、辺りに地響きが響いた。
「ここも直に崩れる。急ごう」
辛うじて砂で飛行する力は残っていた我愛羅が、崩れ始める天井の瓦礫を避けながら地上へ戻ると、
一気に加速して里へと帰還した。
尚が目覚めたのは、耳を貫かんばかりの愛花の怒りの声が響いた夜中だった。
「兄様の、バカアアアアアッ!!」
「っ…?」
重い瞼を押し上げると、すぐ横で守羅に詰め寄る愛花と、それを困った顔で見ている我愛羅がいた。
どうやら自宅らしい。
「だ、だって仕方ないだろっ?愛花は戦えないんだから…連れてったって」
「そんなこと無いもん~~っ!!」
ポカポカポカッと両腕を振り回して守羅を叩く愛花。
「いたたっ痛いって!オレも一応ケガしてっあーもーごめんごめんッ分かったから!」
「愛花、そのぐらいで勘弁してやれ。兄様も頑張ったんだ」
愛花を膝に座らせて抑える我愛羅を、愛花がキッと見上げる。
「父様も、愛花を置いてったよね?」
「………すまん」
「も~~~!!」
ぐにっと我愛羅の頬を引っ張る愛花に、我愛羅はやりたいようにさせてやる。
その様子を見ていた尚が、ふっと笑みを零した。
「夜中に大声出しちゃダメだよ愛花…」
『母様!』
「尚、目が覚めたのか」
「うん、今ね。二人共、怪我の具合どう?」
ゆっくりと座ると、愛花と守羅が側に来て手を握る。
「大丈夫だよ!」
「オレも大事無い。お前の方が辛いだろう?」
「ふふっ生命力には自信があるから、平気よ」
「強がるな…」
そっと我愛羅が尚の肩を抱き寄せると、尚も我愛羅の首筋に擦り寄る。
「守羅、強くなったね」
守羅の頭を撫でてやると、守羅は複雑そうな顔をした。
「……ううん、オレまだ弱いよ」
「急に強くなる必要は無い。人は少しずつ成長していくものだ」
「そうよ守羅」
「うん…分かってる。だからオレもっと頑張るよ!オレが守りたいものをちゃんと守れるようになる!」
その忍道は、何処かあのナルトを思い起こさせた。
「…そうだな。お前ならそれを叶えるだろう」
「ええ、きっと出来るよ」
「愛花も修行する!!」
「ふふっそうね。愛花も頑張ろうね」
「うん!」
愛花の頭も撫でてやる尚と、嬉しそうに笑う守羅と愛花。その光景を見て、
やっと安堵して強張った体から力が抜ける我愛羅だった。
次世代の成長に、我愛羅は優しく微笑む。新たな風が、強く、優しく吹きはじめるのを感じながら…。
「これは…」
強烈な砂の圧力に男が苦戦する中、我愛羅が隣を見ると、そこには砂にチャクラを込める守羅の姿があった。
「守羅!」
「っ…!」
(オレは、自分で自分の限界を決め付けていただけだった…もう駄目だと諦めて、
誰かが助けてくれるのを、心の何処かで期待していた。そんなので、強くなれるはずがない!
大切なものを、守れるはずがないッ!!)
ゴアアアッと砂が渦巻いて男を覆って行く。
「はぁ、は…守羅」
地面に倒れ伏した尚が、守羅を見上げる。
「父様も、母様も、お前なんかに殺させない!
オレの大切なもの、何一つ傷付けさせないッお前はここで…オレが倒す!」
残りのチャクラ全てを込めて、守羅が繰り出す大技。それは父から教わったもの。
(今までちゃんと成功したことは無い。けど、これしかもう残ってない…今ここで、やるしかないッ!)
砂が男を覆い、何重にも重なって地中深くまで沈めて行く。
「く、くそおおおッこんな砂ごとき!!」
男も負けじと体を捻るが、もうどうにか出来る量の砂では無かった。
あと少しの所で、守羅のチャクラが限界に達し、砂の圧が徐々に弱まり出す。
「あと、少しなのに…ッ」
力を振り絞る守羅の肩に、大きな手が置かれた。
「父様…?」
見上げると、我愛羅は静かに頷いた。
そしてもう一方の肩に何とか動けた尚が手を置き、我愛羅にもたれるように寄り添い、
同じように頷いて見せた。すると、守羅の体を光が包み、みるみるうちにチャクラの消費が嘘のように、
次々と湧き上がって来た。
我愛羅が自分のチャクラを、尚が男の糸に抗って、自分の生命力を、それぞれ守羅に送っていたのだ。
「諦めるな」
「守羅、頑張って」
守羅が再びチャクラを込めると、一気に男が砂に埋もれて行く。
(今だ!)
「――砂瀑大葬!!」
「ぐあああああッ!!」
砂が渦を巻き、バクンッと男を呑み込む。
圧倒的な砂の圧により、男は二度と地上に出て来る事は無いだろう…。
「は、はぁ…はぁ…やった」
「よくやったな。守羅」
「へへ…」
がっくりと脱力する守羅を支えて、我愛羅が微笑むと守羅も頬を緩めた。
「はぁ…あっ」
「っ尚!」
「母様!」
「はぁっはぁ…」
男の糸が消え、尚にも限界が来たのだろう。フラッと倒れそうになるのを我愛羅が支えるが、
その顔色は全く血の気がないといっても不思議では無いぐらいに悪い。
「まずいな…すぐに里へ戻るぞ」
「うん!」
我愛羅が砂を浮上させると、辺りに地響きが響いた。
「ここも直に崩れる。急ごう」
辛うじて砂で飛行する力は残っていた我愛羅が、崩れ始める天井の瓦礫を避けながら地上へ戻ると、
一気に加速して里へと帰還した。
尚が目覚めたのは、耳を貫かんばかりの愛花の怒りの声が響いた夜中だった。
「兄様の、バカアアアアアッ!!」
「っ…?」
重い瞼を押し上げると、すぐ横で守羅に詰め寄る愛花と、それを困った顔で見ている我愛羅がいた。
どうやら自宅らしい。
「だ、だって仕方ないだろっ?愛花は戦えないんだから…連れてったって」
「そんなこと無いもん~~っ!!」
ポカポカポカッと両腕を振り回して守羅を叩く愛花。
「いたたっ痛いって!オレも一応ケガしてっあーもーごめんごめんッ分かったから!」
「愛花、そのぐらいで勘弁してやれ。兄様も頑張ったんだ」
愛花を膝に座らせて抑える我愛羅を、愛花がキッと見上げる。
「父様も、愛花を置いてったよね?」
「………すまん」
「も~~~!!」
ぐにっと我愛羅の頬を引っ張る愛花に、我愛羅はやりたいようにさせてやる。
その様子を見ていた尚が、ふっと笑みを零した。
「夜中に大声出しちゃダメだよ愛花…」
『母様!』
「尚、目が覚めたのか」
「うん、今ね。二人共、怪我の具合どう?」
ゆっくりと座ると、愛花と守羅が側に来て手を握る。
「大丈夫だよ!」
「オレも大事無い。お前の方が辛いだろう?」
「ふふっ生命力には自信があるから、平気よ」
「強がるな…」
そっと我愛羅が尚の肩を抱き寄せると、尚も我愛羅の首筋に擦り寄る。
「守羅、強くなったね」
守羅の頭を撫でてやると、守羅は複雑そうな顔をした。
「……ううん、オレまだ弱いよ」
「急に強くなる必要は無い。人は少しずつ成長していくものだ」
「そうよ守羅」
「うん…分かってる。だからオレもっと頑張るよ!オレが守りたいものをちゃんと守れるようになる!」
その忍道は、何処かあのナルトを思い起こさせた。
「…そうだな。お前ならそれを叶えるだろう」
「ええ、きっと出来るよ」
「愛花も修行する!!」
「ふふっそうね。愛花も頑張ろうね」
「うん!」
愛花の頭も撫でてやる尚と、嬉しそうに笑う守羅と愛花。その光景を見て、
やっと安堵して強張った体から力が抜ける我愛羅だった。
次世代の成長に、我愛羅は優しく微笑む。新たな風が、強く、優しく吹きはじめるのを感じながら…。
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