その頃、木の葉では。

「何だって！？我愛羅がっ？」

ガタンッと椅子から立ち上がって、書状片手に目を見開くのは、木の葉の里の火影、ナルトだ。

我愛羅とナルトは無二の友。同じ里長であり、何かと家族ぐるみで交流がある。

お互いの妻や子供も仲が良い。そしてなにより砂と木の葉は『同盟国』

その同盟国の砂から、緊急の書状が送られて来た。

風影、我愛羅の異変と現状が記されていて、ナルトの二代前の火影であった綱手に、

なんとか現状を打破出来ないかという内容だったが、今、綱手は木の葉を離れていた。

旅行だとかで…。

「あーもー！タイミング悪すぎだってばよ！」

「ナルトくん、尚さん達、大丈夫かな…？」

ナルトの妻のヒナタが、不安気に訊ねるとナルトはしばらく唸っていた。

「綱手のばーちゃんはいねぇし…サクラちゃんも長期任務で呼び戻せねぇし…」

うんうんと唸って、顔を上げる。

「とにかく行くってばよ！」

「行くって、今から砂に？」

「おうっ瞬身の術で行って来る！」

ナルトは同盟国の至る所に、父の使っていた特別式のクナイを置いてある。

そのクナイのある場所に、瞬間移動のように行き来出来るのが、

ナルトの父、ミナトが使っていた『瞬身の術』だ。

「じゃあ、行って来る。子供達を頼むぞ」

「はい、気を付けて」

「ん！」

ヒナタに見送られて、ナルトはシュンッと姿を消した。