セピアに染まる幸せ…
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いつもの様に我愛羅を仕事に見送って、いつもの様に子供たちと過ごしていた尚。
早く帰ると言っていた夫、我愛羅の顔を思い浮かべながら今晩の献立を考えていると、
突然…幸せな日常を崩壊させる知らせが届いた。
縋る思いで風影低の医務室に駆けつけると、医療班数名とカンクロウが心配そうに一つのベッドを囲んでいた。
「尚…」
「我愛羅は…?」
カンクロウが力無く首を振ると、体から血の気が引いていく…。
ベッドに歩み寄ると、静かに眠る我愛羅がいる。
「父さま…?」
「とうしゃま どうしたの?」
幼い子供たちには事態が呑み込めず、母と叔父を不安げに見上げるしか出来ない。
事の発端は里内に侵入した不審者の捕獲。
各里の禁術について探っている不審な人物がいるという情報が最近会談で上がっていて、
里内で警戒態勢を強化しようという話があったばかりだったのだが
追い詰められた侵入者の男が、自棄になって他里から盗んだ禁術を発動させてしまった。
眩い光が細い針のように風を切る中、周りにいた上忍は、我愛羅が砂で庇い無事だったのだが、
オートの砂の盾が展開される前に光の針が我愛羅に突き刺さった。
我愛羅はその後、気を失ったまま目を覚まさず、捕えた男はその場で起爆札で自害してしまったので、
我愛羅が目を覚まさない理由を解明できなくなってしまったのだ。
「医療班で精密検査を行ったのですが、異常はありませんでした…」
目覚めない理由が分からず、医療班もお手上げ状態だ。
「我愛羅が目覚めないと、術に掛かっているのかいないのかも判断できないからな…」
カンクロウが眉を寄せて我愛羅を見下ろすと、微かに我愛羅の瞼が開いた。
「ん…」
『我愛羅!』
『風影様!』
「父さま!」
「とうしゃま!」
目覚めた我愛羅に、全員がほっと息をついて側に詰め寄る。
「……っ!」
詰め寄って来た面々に、我愛羅は逃げる様にベッドの隅に後ずさる。
「我愛羅?」
即座に我愛羅の異変に気付いた尚が声を掛けると、我愛羅が鋭い眼光を向けて…
「誰だ、貴様は…」
「え…」
まるで予想していなかった言葉に、その場にいた全員が言葉を失った。
空気が凍り、我愛羅は警戒心のこもった視線を尚に向けて唸っている。
「な、何言ってんだよ…我愛羅」
「カンクロウ、何者だこの女は…?」
「何者って…お前の嫁さんだろっ?」
「オレの、嫁…だと?何を言っている?」
「いやお前が何言ってんだよ!?どうしたんだよ我愛羅!!」
ガッとカンクロウが我愛羅の肩を掴むと、即座にパシンッとその手を払い除ける我愛羅。
不愉快だと言わんばかりに顔を歪ませて疑心に満ちた視線でカンクロウを射抜く。
「気安く触るな。オレを担ごうとでもしているのか?
大体、今から中忍試験に向かおうと言う時にふざけている場合か…」
「中忍試験?」
全員が我愛羅の言動に戸惑う中、ただ一人カンクロウの脳裏に、ある可能性が浮かんだ。
「我愛羅、お前今…年いくつだ?」
カンクロウの問いに、我愛羅は苛立った様子で腕を組んで顔を歪めた。
「…そんな事を聞いてどうする?いい加減にしろ貴様、遂に頭が沸いたか馬鹿め」
「っ良いから!いくつだお前!」
引き下がらないカンクロウに、我愛羅がぶっきらぼうに答える。
「…12だ」
『!?』
至極真面目な様子の我愛羅。冗談ではないと分かる。
愕然とする一同の中でカンクロウは『やっぱりか…』と額に手を当てて肩を落とす。
早く帰ると言っていた夫、我愛羅の顔を思い浮かべながら今晩の献立を考えていると、
突然…幸せな日常を崩壊させる知らせが届いた。
縋る思いで風影低の医務室に駆けつけると、医療班数名とカンクロウが心配そうに一つのベッドを囲んでいた。
「尚…」
「我愛羅は…?」
カンクロウが力無く首を振ると、体から血の気が引いていく…。
ベッドに歩み寄ると、静かに眠る我愛羅がいる。
「父さま…?」
「とうしゃま どうしたの?」
幼い子供たちには事態が呑み込めず、母と叔父を不安げに見上げるしか出来ない。
事の発端は里内に侵入した不審者の捕獲。
各里の禁術について探っている不審な人物がいるという情報が最近会談で上がっていて、
里内で警戒態勢を強化しようという話があったばかりだったのだが
追い詰められた侵入者の男が、自棄になって他里から盗んだ禁術を発動させてしまった。
眩い光が細い針のように風を切る中、周りにいた上忍は、我愛羅が砂で庇い無事だったのだが、
オートの砂の盾が展開される前に光の針が我愛羅に突き刺さった。
我愛羅はその後、気を失ったまま目を覚まさず、捕えた男はその場で起爆札で自害してしまったので、
我愛羅が目を覚まさない理由を解明できなくなってしまったのだ。
「医療班で精密検査を行ったのですが、異常はありませんでした…」
目覚めない理由が分からず、医療班もお手上げ状態だ。
「我愛羅が目覚めないと、術に掛かっているのかいないのかも判断できないからな…」
カンクロウが眉を寄せて我愛羅を見下ろすと、微かに我愛羅の瞼が開いた。
「ん…」
『我愛羅!』
『風影様!』
「父さま!」
「とうしゃま!」
目覚めた我愛羅に、全員がほっと息をついて側に詰め寄る。
「……っ!」
詰め寄って来た面々に、我愛羅は逃げる様にベッドの隅に後ずさる。
「我愛羅?」
即座に我愛羅の異変に気付いた尚が声を掛けると、我愛羅が鋭い眼光を向けて…
「誰だ、貴様は…」
「え…」
まるで予想していなかった言葉に、その場にいた全員が言葉を失った。
空気が凍り、我愛羅は警戒心のこもった視線を尚に向けて唸っている。
「な、何言ってんだよ…我愛羅」
「カンクロウ、何者だこの女は…?」
「何者って…お前の嫁さんだろっ?」
「オレの、嫁…だと?何を言っている?」
「いやお前が何言ってんだよ!?どうしたんだよ我愛羅!!」
ガッとカンクロウが我愛羅の肩を掴むと、即座にパシンッとその手を払い除ける我愛羅。
不愉快だと言わんばかりに顔を歪ませて疑心に満ちた視線でカンクロウを射抜く。
「気安く触るな。オレを担ごうとでもしているのか?
大体、今から中忍試験に向かおうと言う時にふざけている場合か…」
「中忍試験?」
全員が我愛羅の言動に戸惑う中、ただ一人カンクロウの脳裏に、ある可能性が浮かんだ。
「我愛羅、お前今…年いくつだ?」
カンクロウの問いに、我愛羅は苛立った様子で腕を組んで顔を歪めた。
「…そんな事を聞いてどうする?いい加減にしろ貴様、遂に頭が沸いたか馬鹿め」
「っ良いから!いくつだお前!」
引き下がらないカンクロウに、我愛羅がぶっきらぼうに答える。
「…12だ」
『!?』
至極真面目な様子の我愛羅。冗談ではないと分かる。
愕然とする一同の中でカンクロウは『やっぱりか…』と額に手を当てて肩を落とす。