貴方の隣に在る為に…
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「っ愛花に手を出すな!!」
「兄さま!」
腕を広げて愛花を庇う守羅を、男達は笑う。
「ほおぉ…勇敢だねぇお兄ちゃん。で?突っ立てるだけじゃ、何にもならない、ぜ!」
「ッ!!」
「兄さまあぁぁッ!!」
勢いよくクナイを振り下ろす男に、守羅が反射的に瞳を閉じる。
――キイィィィンッ!!
『!?』
響いた金属音に、誰もが目を見開いた。
驚き固まる守羅の視界に入ったのは、ふわりとたなびく白い袖と、黒い髪。
キラリと輝く小刀と構えた母が、風を纏って目の前に降り立ち、鋭く男達を睨み据える姿だった。
「かあ、さま…?」
いつも穏やかで優しい姿からは想像もつかない母に、守羅が戸惑う中で、尚は肩越しに守羅に微笑む。
「守羅、偉かったね。愛花と一緒に少し離れていて…」
「う、うん」
愛花を抱えて下がる守羅を確認して、男達を見据える。
尚と男達を囲むように、騒ぎを聞いて駆け付けた親たちと子供達が集まっていた。
「はっ随分と威勢が良いな!アンタ我愛羅の嫁さんだろ?まぐれでクナイ弾いたぐらいで好い気になんなよ?」
けらけらと笑う男に、尚は静かに言い放つ。
「出て行きなさい。此処に、貴方達に渡すものなんて何もありません」
「っ!」
全く自分達に臆さない尚に、男達が忌々し気に顔を歪める。
「我愛羅がいない今!お前らなんてどうとでも出来るんだぜ?大人しく人質にでもなりやがれ!!」
「かかれぇッ!!」
おおおッ!!っと、男達が一斉に尚に襲い掛かった。
「奥方様ッ!!」
「尚様!!」
誰もが、尚がやられると思い、悲鳴を上げる。
が、その予想は外れることとなる。
――ヒュンッ ドカッ! バシッ!キィン!!
『ぐあああぁぁッ!!』
『!?』
男達が勢いよく、地面に倒れ伏していく光景に、全員が唖然とした。
「母さま、すごい…」
守羅の呟きが静かに響く中、皆 目の前の光景に見入っていた…。
襲い来る男達を、刀剣片手に我流の剣術と体術で応戦する尚の姿に。
力強く、それでいて しなやかな身のこなしは、まるで舞踏の様だ…。
初めての戦闘に、恐怖が無いわけではなかったが、尚は必死に相手の動きに集中した。
(大丈夫、ヒナタちゃんに比べれば遅い!ちゃんと見れば対処出来る!)
鋭い蹴りを男に繰り出して、尚は冷静に策を巡らせる。
(我愛羅が戻って来るまで、私が皆を守らないと!!)
キイィィィンッと、男のクナイを弾き落とし、男達が後ずさる。
「っくそ…こんな、女一人にやられるなんて…!」
「一旦退くぞ!」
「次はこうは行かねぇからな!覚えてやが…っ!?」
逃げようとした男達を、砂の津波が呑み込む。
『ぐあああぁぁッ!?』
「!」
尚が上を見上げると、砂に乗った我愛羅が鬼の形相で男達を見下ろしていた。
「貴様ら、タダで済むと思うな…!!」
『ぎゃあああぁぁぁ!!』
ガッと我愛羅が拳を握ると、男達がみるみる砂に埋もれ、やがてその砂は巨大な球体になって浮かんだ。
恐らく男達は密度の高い砂に締め付けられているだろう。
ほっとして小刀を収める尚を、我愛羅が血相を変えて駆け寄って来た。
「っ尚!無事か!怪我はないか!?」
「だ、大丈夫。大丈夫だよ我愛羅」
肩を掴んで全身に視線を向ける我愛羅に苦笑すると、我愛羅が安心したように息を吐いた。
「良かった、無事で…」
「うん…」
『父さま!母さま!』
駆け寄って来た守羅と愛花を、尚が抱き締める。
「二人共!怪我は無い!?」
「だいじょうぶ!」
「父さま!母さますごいんだよ!?」
「ああ、見ていた。母様は凄いな」
「うん!」
母の勇姿に感動した守羅が、興奮気味に我愛羅の袖を引くと、我愛羅は微笑んで頷いた。
その後、抜け忍の男達は牢へ入れられ、暗部に寄る取り調べの後に然るべき処置がとられる事となった。
「それにしても、いつの間にあんな事を覚えたんだ?」
その日夜、ベットに入ると我愛羅が尋ねた。
「ん?ヒナタちゃんに頼んだの。戦い方を教えてって」
向かい合って横になる形で語り合う。
尚の言葉に、我愛羅は合点がいった顔をした。
「この間、二人でやっていたのはソレか…」
「うん、だって…いつまでも守られてるんじゃダメだから。私だって、このくらい出来ないと…」
「何故だ?」
「だって、私は我愛羅の奥さんだもの。後ろにいるばっかりじゃ…隣に立てないようじゃ、
『夫婦』とは呼べないじゃない。これからは、私も我愛羅を守って行きたい。もちろん子供達も、里も…
我愛羅の守りたいもの全部、一緒に守って行きたい」
「…全く、敵わないな。尚には」
微睡み掛ける尚を腕に閉じ込めて、その額に唇を寄せる。
「昔から、お前は強い。せめて外敵から守ってやりたいと思っていたが…
まさか、戦闘の術を会得するとは思っていなかった。だが…この上なく心強いな」
「我愛羅…」
「無茶はするなよ?」
「うん」
腕の中で頷く尚に、頬を綻ばせ額同士を合わせて微笑む。
「では、オレが留守の時は…皆を、里を頼んだぞ」
「はい…」
愛するもの全てを守るために。強い覚悟を心に刻む…。
「兄さま!」
腕を広げて愛花を庇う守羅を、男達は笑う。
「ほおぉ…勇敢だねぇお兄ちゃん。で?突っ立てるだけじゃ、何にもならない、ぜ!」
「ッ!!」
「兄さまあぁぁッ!!」
勢いよくクナイを振り下ろす男に、守羅が反射的に瞳を閉じる。
――キイィィィンッ!!
『!?』
響いた金属音に、誰もが目を見開いた。
驚き固まる守羅の視界に入ったのは、ふわりとたなびく白い袖と、黒い髪。
キラリと輝く小刀と構えた母が、風を纏って目の前に降り立ち、鋭く男達を睨み据える姿だった。
「かあ、さま…?」
いつも穏やかで優しい姿からは想像もつかない母に、守羅が戸惑う中で、尚は肩越しに守羅に微笑む。
「守羅、偉かったね。愛花と一緒に少し離れていて…」
「う、うん」
愛花を抱えて下がる守羅を確認して、男達を見据える。
尚と男達を囲むように、騒ぎを聞いて駆け付けた親たちと子供達が集まっていた。
「はっ随分と威勢が良いな!アンタ我愛羅の嫁さんだろ?まぐれでクナイ弾いたぐらいで好い気になんなよ?」
けらけらと笑う男に、尚は静かに言い放つ。
「出て行きなさい。此処に、貴方達に渡すものなんて何もありません」
「っ!」
全く自分達に臆さない尚に、男達が忌々し気に顔を歪める。
「我愛羅がいない今!お前らなんてどうとでも出来るんだぜ?大人しく人質にでもなりやがれ!!」
「かかれぇッ!!」
おおおッ!!っと、男達が一斉に尚に襲い掛かった。
「奥方様ッ!!」
「尚様!!」
誰もが、尚がやられると思い、悲鳴を上げる。
が、その予想は外れることとなる。
――ヒュンッ ドカッ! バシッ!キィン!!
『ぐあああぁぁッ!!』
『!?』
男達が勢いよく、地面に倒れ伏していく光景に、全員が唖然とした。
「母さま、すごい…」
守羅の呟きが静かに響く中、皆 目の前の光景に見入っていた…。
襲い来る男達を、刀剣片手に我流の剣術と体術で応戦する尚の姿に。
力強く、それでいて しなやかな身のこなしは、まるで舞踏の様だ…。
初めての戦闘に、恐怖が無いわけではなかったが、尚は必死に相手の動きに集中した。
(大丈夫、ヒナタちゃんに比べれば遅い!ちゃんと見れば対処出来る!)
鋭い蹴りを男に繰り出して、尚は冷静に策を巡らせる。
(我愛羅が戻って来るまで、私が皆を守らないと!!)
キイィィィンッと、男のクナイを弾き落とし、男達が後ずさる。
「っくそ…こんな、女一人にやられるなんて…!」
「一旦退くぞ!」
「次はこうは行かねぇからな!覚えてやが…っ!?」
逃げようとした男達を、砂の津波が呑み込む。
『ぐあああぁぁッ!?』
「!」
尚が上を見上げると、砂に乗った我愛羅が鬼の形相で男達を見下ろしていた。
「貴様ら、タダで済むと思うな…!!」
『ぎゃあああぁぁぁ!!』
ガッと我愛羅が拳を握ると、男達がみるみる砂に埋もれ、やがてその砂は巨大な球体になって浮かんだ。
恐らく男達は密度の高い砂に締め付けられているだろう。
ほっとして小刀を収める尚を、我愛羅が血相を変えて駆け寄って来た。
「っ尚!無事か!怪我はないか!?」
「だ、大丈夫。大丈夫だよ我愛羅」
肩を掴んで全身に視線を向ける我愛羅に苦笑すると、我愛羅が安心したように息を吐いた。
「良かった、無事で…」
「うん…」
『父さま!母さま!』
駆け寄って来た守羅と愛花を、尚が抱き締める。
「二人共!怪我は無い!?」
「だいじょうぶ!」
「父さま!母さますごいんだよ!?」
「ああ、見ていた。母様は凄いな」
「うん!」
母の勇姿に感動した守羅が、興奮気味に我愛羅の袖を引くと、我愛羅は微笑んで頷いた。
その後、抜け忍の男達は牢へ入れられ、暗部に寄る取り調べの後に然るべき処置がとられる事となった。
「それにしても、いつの間にあんな事を覚えたんだ?」
その日夜、ベットに入ると我愛羅が尋ねた。
「ん?ヒナタちゃんに頼んだの。戦い方を教えてって」
向かい合って横になる形で語り合う。
尚の言葉に、我愛羅は合点がいった顔をした。
「この間、二人でやっていたのはソレか…」
「うん、だって…いつまでも守られてるんじゃダメだから。私だって、このくらい出来ないと…」
「何故だ?」
「だって、私は我愛羅の奥さんだもの。後ろにいるばっかりじゃ…隣に立てないようじゃ、
『夫婦』とは呼べないじゃない。これからは、私も我愛羅を守って行きたい。もちろん子供達も、里も…
我愛羅の守りたいもの全部、一緒に守って行きたい」
「…全く、敵わないな。尚には」
微睡み掛ける尚を腕に閉じ込めて、その額に唇を寄せる。
「昔から、お前は強い。せめて外敵から守ってやりたいと思っていたが…
まさか、戦闘の術を会得するとは思っていなかった。だが…この上なく心強いな」
「我愛羅…」
「無茶はするなよ?」
「うん」
腕の中で頷く尚に、頬を綻ばせ額同士を合わせて微笑む。
「では、オレが留守の時は…皆を、里を頼んだぞ」
「はい…」
愛するもの全てを守るために。強い覚悟を心に刻む…。