「おやすみなさーい！」

「おやすみ」

「おやすみ守羅」

言った通りに早めに就寝するために、守羅が枕を抱えてカンクロウの部屋へ行ったのを確認して、

尚は、ほぅ…と息を吐いた。

「今夜から頑張るか」

「そ、そうだね」

我愛羅が尚の腰に手を回して抱き寄せると、尚は照れ笑いしながらも頷いた。

「守羅から弟妹が欲しいなんて言われるとは思わなかったなぁ」

「お前との子供なら、二人でも三人でも欲しいがな」

「もう、我愛羅…」

そして、守羅の協力と二人の頑張りのおかげで、無事に新しい命を授かったのは、少し後の事だった。







守羅７歳。　愛花３歳。

「にいしゃま！にいしゃまー！」

「愛花（あいか）ーこっちだよー！」

「にいしゃまー！」

よたよたと、ふらつきながら懸命に兄の後ろを着いて行く妹、愛花。

愛花の様子を見ながら、追い付けるように気遣う守羅はすっかりお兄ちゃんだ。

母親にそっくりな容姿の妹。可愛くて仕方がないようだ。

「あら、守羅　愛花と遊んでくれてたの？」

「うん！」

「かあしゃま！」

ひょこりと部屋を覗いた尚に、二人が駆け寄る。

屈んで二人の頭を撫でながら。

「今日のおやつはプリンだよー」

「やった！プリン！」

「プリンー！」

ぴょんぴょんと飛び跳ねる兄妹。すると尚の後ろから我愛羅が顔を出した。

「ここにいたか」

「父さま！」

「とうしゃまー！」

「後でカンクロウと散歩に出るが、お前達も行くか？」

『行くー！』

「あんまり二人を甘やかさないでね？」

「ああ、分かっている」

二人につい何でも買い与える癖のある我愛羅とカンクロウに、尚が釘を刺すと、我愛羅が苦笑した。

昼下がりの明るい太陽の下で、今日も我愛羅と尚は、可愛い子供達と穏やかな日常を過ごすのだった。