砂の里とは違い、四季を感じる事が出来る木の葉は、

守羅にとってはいつ来ても新鮮に感じる様で、あちこちせわしなく視線が動く。

と、ある人物を見付けて二人の足が止まった。

「あ！ナルトおじさん！」

「ボルトもいるじゃん」

ナルトに抱かれていたボルトが、二人に気付いて父の腕から飛び降りた。

「守羅とシカダイ！守羅こっちに来てたんだな！」

「うん！とうさまたちと遊びにきたの！」

「よ！守羅、母ちゃんと父ちゃん元気か？」

ボルトの後ろからナルトが笑い掛ける。

「げんきだよ！今ねシカダイの家にいるから、おじさんも行ったら？とうさまたちも喜ぶよ！」

「んー、じゃあ行ってみっかな！ボルト、お前どうする？」

「オレ二人といる！」

「そっか、じゃあ終わったらお前もシカダイの家に来いよ　父ちゃんいるから」

「わかった！」

そうして、ナルトも奈良家に向かい、子供達は公園にやってきた。

「でさーとうちゃんが、かあちゃんに怒られててさ」

「オレのとこも、とうちゃんがウソついたらすぐにかあちゃんにバレてるぞ」

「やっぱかあちゃんって怒るとこえーよな」

「ボクのかあさまは、あんまり怒ってるの見ないな」

「いいなぁ守羅のかあちゃんは優しそうで、ウチのかあちゃんも優しいけどよ…」

「お前らはいいじゃねぇかよ、オレのとこなんてすぐに怒るしこえーぞ？
今日だって怒鳴って起こされたし…」

「それはシカダイがいつまでも寝てるからでしょ？」

砂場で三人で大きな山を作っていると、すぐ側を二人の兄妹が走り回る。鬼ごっこをしているようだ。

「まてー！」

「きゃー！あははは！」

『………』

楽しそうに走り回る兄妹を三人は目で追う。

「…いいなぁ」

ぽつりと零した守羅に、二人が守羅を見る。

「守羅、きょうだいほしーのか？」

「うん、楽しそう」

「…だよなーなんかいいよなぁ」

羨ましげにさっきの兄妹を見る。

「おにいちゃんって、呼ばれてみたいよね」

「うんうん！オレ弟がいいな！妹でもいいけどさ」

「ボクは妹かな？可愛いし…」

「女なんてメンドクセーぞ？」

「はははっ今の、お前のとうちゃんにそっくりだったぞ？」

「そうか？」

「うん、似てた！」

公園に子供の可愛らしい笑い声が響く。