狂花の呪縛 前篇
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「呪印?」
我愛羅は砂で空を移動しながら、テマリが書物から調べた
尚の胸にあった花の模様について説明していた。
孔明達の一族は、特殊な秘術を有しており、
『チャクラの質量』と『思念の強さ』で特定の相手を未来永劫、
自分に縛り付けるというもの。
呪印は『花』をかたどり、刻んだ者のチャクラの質量と
思念の大きさに応じて花の種類と大きさが変わるらしい。
つまり、相手への想いの強さが呪印に反映されるというのだ。
しかも、一度施された呪印は消えることはなく、
つけた本人を上回るチャクラと思念を持つ者が上書きするしか
今の相手から解放される術はなく、例えどちらかが死んだとしても
その呪縛は、生まれ変わっても、永劫続いていく…。
「………」
そこまで聞いて、我愛羅は自分の血の気が引いていくのを感じた。
尚があんな男に縛られ続けるなど許せなかった。
「上書きの方法は…?」
「相手の呪印の上に口づけて、チャクラを流し込むんだそうだ。
だが、相手を上回れなかったら呪印は変わらない」
「…急ぐぞ」
テマリの説明を聞いて、我愛羅は砂の速度を上げた。
我愛羅達は国が見えて、すぐに上空から領主の屋敷を目指す。
結婚式は身内だけのものなのか、国民は普通の生活を送っている。
我愛羅は砂で作った『第三の目』を屋敷内へ潜り込ませ、尚を探した。
「!」
目が捉えた教会の様な場所に、足を踏み入れようとしている
婚礼衣装の孔明と尚の姿に、我愛羅は砂から飛び降り、敷地内へ降り立った。
すると次々と現れる護衛の兵士。
テマリとカンクロウが応戦し、我愛羅は屋敷へ乗り込んだ。
(尚、待っていろ…!)
式が進む中、ドォンッと断続的に響く爆音と地響きに、孔明が微かに眉を顰める。
「では、誓いの口づけを…」
神父の男の言葉に従って、孔明が尚のヴェールを上げたと同時に、
ガッシャアアアンッ!!と二人の頭上のステンドグラスを蹴破って、我愛羅が現れた。
「貴方は招待していないはずですよ?風影様」
「尚を返せ」
我愛羅の鋭い眼光も、孔明はやれやれと言いたげに受け流す。
「諦めの悪い人だな、こんな所まで押し掛けて来て…
尚が俺以外を選ぶはずないのに」
勝ち誇った笑みを浮かべる孔明に、我愛羅は視線を尚に移すと、
尚は何か言いたげにしているが、声を出せないために悲し気に俯く。
「呪印で魂を己に縛り、体の自由を奪い、相手の意思をも奪い、
無理矢理従わせるのが貴様の『愛』か…?
そこまでしなければ相手をとどめておけんとは哀れだな…」
我愛羅の言葉に、孔明の顔が引きつる。
「餓鬼が知った風なことを言うな!」
孔明が手をかざすと、また空気の壁が迫って来たが、
我愛羅はひらりと上へ飛んでそれをかわす。
瓢箪から砂を広げ、孔明へ襲い掛かると今度はしっかりと捕えた。
「砂縛柩!!」
「ぐうっ…!」
砂に締め付けられて呻く孔明を尻目に、
着地した我愛羅は尚に駆け寄る。
「尚!無事か!?」
未だに自分の意思で動けないながらも、微かに頷いたのを見て安心する。
「ふっククククッ!お、俺の肉体は滅んでも、
魂は繋がり続ける!尚…生まれ変わって、待ってるよ」
我愛羅は尚に、孔明が視界に入らないように抱き締めると、
ぐっと拳を握った。
ぐしゃあっという音と共に、孔明は砂に呑まれ、そのまま地面に呑まれていった…。
「っあ…」
急に体の自由が戻った尚が膝から崩れそうになるのを、我愛羅が支える。
「我愛羅、ありがとう…」
「無事で良かった」
尚を抱き上げて教会を出ると、テマリ達によって兵士達は無力化されていた。
後に、この国の住民たちは全員孔明が作り出した幻影で、
実際は国としての機能はなかった。
孔明の父親は尚をオークションへ出した事で
怒り狂った孔明の手で殺害されていたことが判明した。
我愛羅は砂で空を移動しながら、テマリが書物から調べた
尚の胸にあった花の模様について説明していた。
孔明達の一族は、特殊な秘術を有しており、
『チャクラの質量』と『思念の強さ』で特定の相手を未来永劫、
自分に縛り付けるというもの。
呪印は『花』をかたどり、刻んだ者のチャクラの質量と
思念の大きさに応じて花の種類と大きさが変わるらしい。
つまり、相手への想いの強さが呪印に反映されるというのだ。
しかも、一度施された呪印は消えることはなく、
つけた本人を上回るチャクラと思念を持つ者が上書きするしか
今の相手から解放される術はなく、例えどちらかが死んだとしても
その呪縛は、生まれ変わっても、永劫続いていく…。
「………」
そこまで聞いて、我愛羅は自分の血の気が引いていくのを感じた。
尚があんな男に縛られ続けるなど許せなかった。
「上書きの方法は…?」
「相手の呪印の上に口づけて、チャクラを流し込むんだそうだ。
だが、相手を上回れなかったら呪印は変わらない」
「…急ぐぞ」
テマリの説明を聞いて、我愛羅は砂の速度を上げた。
我愛羅達は国が見えて、すぐに上空から領主の屋敷を目指す。
結婚式は身内だけのものなのか、国民は普通の生活を送っている。
我愛羅は砂で作った『第三の目』を屋敷内へ潜り込ませ、尚を探した。
「!」
目が捉えた教会の様な場所に、足を踏み入れようとしている
婚礼衣装の孔明と尚の姿に、我愛羅は砂から飛び降り、敷地内へ降り立った。
すると次々と現れる護衛の兵士。
テマリとカンクロウが応戦し、我愛羅は屋敷へ乗り込んだ。
(尚、待っていろ…!)
式が進む中、ドォンッと断続的に響く爆音と地響きに、孔明が微かに眉を顰める。
「では、誓いの口づけを…」
神父の男の言葉に従って、孔明が尚のヴェールを上げたと同時に、
ガッシャアアアンッ!!と二人の頭上のステンドグラスを蹴破って、我愛羅が現れた。
「貴方は招待していないはずですよ?風影様」
「尚を返せ」
我愛羅の鋭い眼光も、孔明はやれやれと言いたげに受け流す。
「諦めの悪い人だな、こんな所まで押し掛けて来て…
尚が俺以外を選ぶはずないのに」
勝ち誇った笑みを浮かべる孔明に、我愛羅は視線を尚に移すと、
尚は何か言いたげにしているが、声を出せないために悲し気に俯く。
「呪印で魂を己に縛り、体の自由を奪い、相手の意思をも奪い、
無理矢理従わせるのが貴様の『愛』か…?
そこまでしなければ相手をとどめておけんとは哀れだな…」
我愛羅の言葉に、孔明の顔が引きつる。
「餓鬼が知った風なことを言うな!」
孔明が手をかざすと、また空気の壁が迫って来たが、
我愛羅はひらりと上へ飛んでそれをかわす。
瓢箪から砂を広げ、孔明へ襲い掛かると今度はしっかりと捕えた。
「砂縛柩!!」
「ぐうっ…!」
砂に締め付けられて呻く孔明を尻目に、
着地した我愛羅は尚に駆け寄る。
「尚!無事か!?」
未だに自分の意思で動けないながらも、微かに頷いたのを見て安心する。
「ふっククククッ!お、俺の肉体は滅んでも、
魂は繋がり続ける!尚…生まれ変わって、待ってるよ」
我愛羅は尚に、孔明が視界に入らないように抱き締めると、
ぐっと拳を握った。
ぐしゃあっという音と共に、孔明は砂に呑まれ、そのまま地面に呑まれていった…。
「っあ…」
急に体の自由が戻った尚が膝から崩れそうになるのを、我愛羅が支える。
「我愛羅、ありがとう…」
「無事で良かった」
尚を抱き上げて教会を出ると、テマリ達によって兵士達は無力化されていた。
後に、この国の住民たちは全員孔明が作り出した幻影で、
実際は国としての機能はなかった。
孔明の父親は尚をオークションへ出した事で
怒り狂った孔明の手で殺害されていたことが判明した。