狂花の呪縛 前篇
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「うっ、ああああっ!!」
「尚!?」
まるで花の部分だけを物凄い力で噛み付かれているような強烈な激痛に、
たまらず尚は上体を丸める。
苦しむ尚を医務室へ連れて行こうと抱き上げようと腕を伸ばした時、
はっと我愛羅は何者かの気配を感じて鋭い眼光を窓辺へ向ける。
「何者だ…」
我愛羅の唸りにも似た低い声に、窓の外、宙にその身を浮かせた男は、
こちらに手をかざしたまま薄く笑う。
「ククク…ッこんばんわ風影様。
我が妻がずいぶんと長居をしてしまって申し訳ない」
男の言葉に、我愛羅が微かに眉を顰める。
「妻、だと?」
「ああ、まだ式は挙げていないから、正確には婚約者か。
まぁどっちでも同じ事だが…尚、迎えに来たよ。帰ろう」
男が尚に向かってかざしていた手に力を込める。
「ああああッ! いやああああッ!!」
「っ貴様!」
尚が悲鳴を上げて床に倒れて悶絶する姿に、
我愛羅は砂を出そうとした時、ゴウッと突風が我愛羅の脇を抜けて男に襲い掛かった。
「っ!?」
男が驚いて距離を取る。
我愛羅が振り返ると、怒りの形相をしたテマリとカンクロウが構えていた。
「尚に何してんだ!テメェッ!」
「単身でここまで踏み込むとはな、何処の里の者だ?」
今にも殴りかかりそうなカンクロウを抑えて、テマリが男の動きを伺いつつ問う。
「騒ぎにするつもりはなかったんだ。俺は婚約者を迎えに来ただけなんでね」
『婚約者!?』
テマリ達が驚愕していると、男がまた薄く笑いを浮かべた。
「そう、本当なら今頃、俺達は夫婦だったんだ。
それを親父が…勝手に尚をオークションなんかに売ったりするから、
こんな面倒が起きたんだ」
ぴくんっと我愛羅が反応した。
「尚を監禁していたのはお前達か…」
我愛羅の瞳が怒りを宿し、その周りを砂が舞い始める。
「それは親父がしていたことだ。
俺は尚にひどいことはしていない、むしろ愛しているんだからな」
男の『愛してる』という言葉に、我愛羅達は思い切り顔を歪めた。
「愛しているなら、何故苦しめる!」
未だ苦痛に悶える尚を見て、我愛羅が睨む。
「それは尚がいけないんだ。いつまで経っても帰って来ない上に、
せっかく迎えに来ても駄々をこねて…夫の言う事を聞かないから
こうなるんだって、教えてあげているんだよ」
冷たい瞳が尚に向けられ、細められる。
「尚!?」
まるで花の部分だけを物凄い力で噛み付かれているような強烈な激痛に、
たまらず尚は上体を丸める。
苦しむ尚を医務室へ連れて行こうと抱き上げようと腕を伸ばした時、
はっと我愛羅は何者かの気配を感じて鋭い眼光を窓辺へ向ける。
「何者だ…」
我愛羅の唸りにも似た低い声に、窓の外、宙にその身を浮かせた男は、
こちらに手をかざしたまま薄く笑う。
「ククク…ッこんばんわ風影様。
我が妻がずいぶんと長居をしてしまって申し訳ない」
男の言葉に、我愛羅が微かに眉を顰める。
「妻、だと?」
「ああ、まだ式は挙げていないから、正確には婚約者か。
まぁどっちでも同じ事だが…尚、迎えに来たよ。帰ろう」
男が尚に向かってかざしていた手に力を込める。
「ああああッ! いやああああッ!!」
「っ貴様!」
尚が悲鳴を上げて床に倒れて悶絶する姿に、
我愛羅は砂を出そうとした時、ゴウッと突風が我愛羅の脇を抜けて男に襲い掛かった。
「っ!?」
男が驚いて距離を取る。
我愛羅が振り返ると、怒りの形相をしたテマリとカンクロウが構えていた。
「尚に何してんだ!テメェッ!」
「単身でここまで踏み込むとはな、何処の里の者だ?」
今にも殴りかかりそうなカンクロウを抑えて、テマリが男の動きを伺いつつ問う。
「騒ぎにするつもりはなかったんだ。俺は婚約者を迎えに来ただけなんでね」
『婚約者!?』
テマリ達が驚愕していると、男がまた薄く笑いを浮かべた。
「そう、本当なら今頃、俺達は夫婦だったんだ。
それを親父が…勝手に尚をオークションなんかに売ったりするから、
こんな面倒が起きたんだ」
ぴくんっと我愛羅が反応した。
「尚を監禁していたのはお前達か…」
我愛羅の瞳が怒りを宿し、その周りを砂が舞い始める。
「それは親父がしていたことだ。
俺は尚にひどいことはしていない、むしろ愛しているんだからな」
男の『愛してる』という言葉に、我愛羅達は思い切り顔を歪めた。
「愛しているなら、何故苦しめる!」
未だ苦痛に悶える尚を見て、我愛羅が睨む。
「それは尚がいけないんだ。いつまで経っても帰って来ない上に、
せっかく迎えに来ても駄々をこねて…夫の言う事を聞かないから
こうなるんだって、教えてあげているんだよ」
冷たい瞳が尚に向けられ、細められる。