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我愛羅と再会して3週間ほど経った頃。尚は風影邸で暮らしていた。
容体も安定し、我愛羅とテマリとカンクロウの三人に押し切られたのだが、行くあてもないので嬉しかった。
リハビリも兼ねて邸内を散歩していると、窓の外に我愛羅の姿を見付けて立ち止まる。
「あ、我愛羅」
たくさんの人に囲まれて、すっかり人気者な我愛羅に頬が綻ぶ。
前の我愛羅からは考えられない光景だが、今まで我愛羅自身が努力して得た信頼。
幼い頃にあれほど渇望した繋がりが、今確かにある。
もう誰一人、我愛羅を『化け物』と冷たい目で見たりしない。
そのことに、心から安心した。嬉しかった。
(我愛羅が風影になったって聞いたときはびっくりしたなぁ…)
あの若さで里長になり、どれほど苦労してきたのか…。
だが、今の我愛羅の顔つきは、昔と比べればとても凛々しく、頼もしく、自信に溢れている。
我愛羅を囲んでいる若い女の子集団から黄色い声が上がる。
我愛羅は未だに女の子の対応が苦手らしく、見た目はいつもの無表情なのだが、
尚には困っている顔だと分かった。
(もう少し笑ったりしたら良いのに…腕組んだまま固まって…)
奥手なところも相変わらずらしいと苦笑する。
(随分、いろいろ変わったんだな…)
自分が結界に封じられている間に里も、人も変わった。
…が尚は眉間にシワを寄せる。
「何で、もっと早く…気付いてくれなかったの?」
その言葉は、砂の里に住む全ての者に向けたもの。
(我愛羅が危険な子ではないと、化け物でも兵器でもない…
とても優しい子なんだって皆が、もっと早く気付いてくれたら、
理解してくれたら、我愛羅はあんなに苦しい思いをしないで済んだのに…)
そこまで考えて、はっと我に返る。
(だめだめ!それはもう過去の事、せっかく我愛羅が頑張って皆が変わったんだから、
終わった事をいつまでも言ってはだめ!)
ふぅっと息を吐いて、もう一度窓から我愛羅を見る。変わらず女の子に囲まれていた。
「我愛羅様ー!」
「きゃあっ我愛羅さまー!」
我愛羅を中心に女の子の輪が広がっている。
我愛羅は変わらず大人しくなすがままになっていた。
――ツキンッ!
「…ん?」
尚は自分の胸に手を当てる。
(何で今、ちょっと嫌だなんて思ったんだろ?)
我愛羅が囲まれていたから?
いや違う。我愛羅が『女の子に』囲まれていたから?
だから嫌?これではまるで、『嫉妬』…。
「!?」
ぼんっと一気に顔が熱くなる。
(嫉妬!?何で!?我愛羅に?あの子達に?
いやいやいやっ違う違う!!これはアレだ!子供に好きな子が出来て寂しいお母さんみたいな感じであって、
ヘンな意味じゃない!ヘンな意味じゃ…!)
ぶぶぶぶんっと頭が取れるのでは?と思われそうな勢いで頭を振る。
それでも顔の熱は収まってはくれない。
「ええー…?」
両手で熱い頬を隠しながら、尚は困惑した。
容体も安定し、我愛羅とテマリとカンクロウの三人に押し切られたのだが、行くあてもないので嬉しかった。
リハビリも兼ねて邸内を散歩していると、窓の外に我愛羅の姿を見付けて立ち止まる。
「あ、我愛羅」
たくさんの人に囲まれて、すっかり人気者な我愛羅に頬が綻ぶ。
前の我愛羅からは考えられない光景だが、今まで我愛羅自身が努力して得た信頼。
幼い頃にあれほど渇望した繋がりが、今確かにある。
もう誰一人、我愛羅を『化け物』と冷たい目で見たりしない。
そのことに、心から安心した。嬉しかった。
(我愛羅が風影になったって聞いたときはびっくりしたなぁ…)
あの若さで里長になり、どれほど苦労してきたのか…。
だが、今の我愛羅の顔つきは、昔と比べればとても凛々しく、頼もしく、自信に溢れている。
我愛羅を囲んでいる若い女の子集団から黄色い声が上がる。
我愛羅は未だに女の子の対応が苦手らしく、見た目はいつもの無表情なのだが、
尚には困っている顔だと分かった。
(もう少し笑ったりしたら良いのに…腕組んだまま固まって…)
奥手なところも相変わらずらしいと苦笑する。
(随分、いろいろ変わったんだな…)
自分が結界に封じられている間に里も、人も変わった。
…が尚は眉間にシワを寄せる。
「何で、もっと早く…気付いてくれなかったの?」
その言葉は、砂の里に住む全ての者に向けたもの。
(我愛羅が危険な子ではないと、化け物でも兵器でもない…
とても優しい子なんだって皆が、もっと早く気付いてくれたら、
理解してくれたら、我愛羅はあんなに苦しい思いをしないで済んだのに…)
そこまで考えて、はっと我に返る。
(だめだめ!それはもう過去の事、せっかく我愛羅が頑張って皆が変わったんだから、
終わった事をいつまでも言ってはだめ!)
ふぅっと息を吐いて、もう一度窓から我愛羅を見る。変わらず女の子に囲まれていた。
「我愛羅様ー!」
「きゃあっ我愛羅さまー!」
我愛羅を中心に女の子の輪が広がっている。
我愛羅は変わらず大人しくなすがままになっていた。
――ツキンッ!
「…ん?」
尚は自分の胸に手を当てる。
(何で今、ちょっと嫌だなんて思ったんだろ?)
我愛羅が囲まれていたから?
いや違う。我愛羅が『女の子に』囲まれていたから?
だから嫌?これではまるで、『嫉妬』…。
「!?」
ぼんっと一気に顔が熱くなる。
(嫉妬!?何で!?我愛羅に?あの子達に?
いやいやいやっ違う違う!!これはアレだ!子供に好きな子が出来て寂しいお母さんみたいな感じであって、
ヘンな意味じゃない!ヘンな意味じゃ…!)
ぶぶぶぶんっと頭が取れるのでは?と思われそうな勢いで頭を振る。
それでも顔の熱は収まってはくれない。
「ええー…?」
両手で熱い頬を隠しながら、尚は困惑した。