動き出した時間
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里を出て数か月は、普通に暮らせていたが…
何処から聞き付けて来たのか、尚の能力を知った商人が、抜け忍を雇って尚を攫った。
そのあとは、前の世界にいた頃と同じ様に、
ただただ石を出すために生かされ、痛め付けられる日々が続いた。
だが、尚は前の世界にいた時同様に心を閉ざし、感情を封じた。
ついに石を出さなくなった尚を、持ち主の男は結界に閉じ込め、
必要な時に無理にでも石を出させるつもりでいたのだが、
いつになっても反応を示さない尚を、オークションに出したのだ。
「そうだったのか…」
「まぁ売られたから、我愛羅にも会えたんだけどね…」
苦笑する尚に、我愛羅の顔が切なげに歪む。
「オレがもっと、早くに探していれば…すまない尚…」
「我愛羅…」
ぎゅっと尚の手を握る我愛羅に尚は頬を綻ばせた。
(ああ、この子のこういう優しい所は…変わってないな)
誰かの辛い気持ちを、自分の事のように感じる我愛羅の優しさは、幼い頃のままなんだと感じた。
「それは…我愛羅が悪いわけじゃないよ。それにもう過ぎたことなんだからいいじゃない…」
「………」
俯く我愛羅に、尚は優しく笑って、再会したときに言おうと決めていた言葉を口にする。
「我愛羅」
「ん?」
「ただいま…」
「!」
我愛羅の目に涙が滲む。ずっと探し続けた存在が帰って来たことを、改めて実感した。
「お帰り…」
黄昏が照らす中、すれ違い、止まっていた二人の時間が、再び動き出したのだった…
何処から聞き付けて来たのか、尚の能力を知った商人が、抜け忍を雇って尚を攫った。
そのあとは、前の世界にいた頃と同じ様に、
ただただ石を出すために生かされ、痛め付けられる日々が続いた。
だが、尚は前の世界にいた時同様に心を閉ざし、感情を封じた。
ついに石を出さなくなった尚を、持ち主の男は結界に閉じ込め、
必要な時に無理にでも石を出させるつもりでいたのだが、
いつになっても反応を示さない尚を、オークションに出したのだ。
「そうだったのか…」
「まぁ売られたから、我愛羅にも会えたんだけどね…」
苦笑する尚に、我愛羅の顔が切なげに歪む。
「オレがもっと、早くに探していれば…すまない尚…」
「我愛羅…」
ぎゅっと尚の手を握る我愛羅に尚は頬を綻ばせた。
(ああ、この子のこういう優しい所は…変わってないな)
誰かの辛い気持ちを、自分の事のように感じる我愛羅の優しさは、幼い頃のままなんだと感じた。
「それは…我愛羅が悪いわけじゃないよ。それにもう過ぎたことなんだからいいじゃない…」
「………」
俯く我愛羅に、尚は優しく笑って、再会したときに言おうと決めていた言葉を口にする。
「我愛羅」
「ん?」
「ただいま…」
「!」
我愛羅の目に涙が滲む。ずっと探し続けた存在が帰って来たことを、改めて実感した。
「お帰り…」
黄昏が照らす中、すれ違い、止まっていた二人の時間が、再び動き出したのだった…