少年編 満月の夜
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時は流れ、我愛羅は12歳になっていた。
中忍試験を受けるために、会場である木の葉の里にテマリとカンクロウと共にやってきた。
『自分のためだけに戦い、自分だけを愛して生きる』それが自分『我愛羅』という存在だと定め、
『他人は全て、自分がこの世に存在している事を実感させてくれるためにいる物』として、
冷酷に、残酷に、一切の躊躇なく何人もの命を砂を用いて奪う日々。
6歳から度重なる父親から差し向けられる暗殺者も我愛羅の敵ではなかった…。
『自分以外の全ての人間を殺すために、自分は存在している』
目が合ったものは皆殺しにする…そのあまりの強さに、
テマリとカンクロウも完全に我愛羅に恐怖を抱いていた。
そして中忍試験。予選を無事に終えて、一か月後の本戦に控えていた我愛羅達は、
担当上忍のバキから、とある計画を明かされる。
我愛羅としてはどうでも良かったが、暇潰し程度にはなるかと思い、作戦を決行することにした。
『木の葉崩し』大蛇丸の持ち掛けた計画。
その日を間近に控えたある日、我愛羅は建物の屋上で苦しんでいた。
守鶴が体の中で、我愛羅の意識を乗っ取ろうと暴れているのだ。
我愛羅は必死に守鶴を抑え込む…。
「はぁっぐ、うううッ!!ぐああああッ!」
なんとか守鶴を抑え、我愛羅はその場に座り息を整える。
キラリッと我愛羅の首元から、ネックレスが零れ、月光に照らされながら揺れる…。
「はぁ…はぁ…っ」
優しい光を放つ石を手に取り見詰める。不思議と乱れた心が落ち着き、微かに安らぐのを感じた。
『――大好きだよ』
幼い頃に消息を絶った女の声が、我愛羅の脳裏に優しく響く。
途端に我愛羅の胸が締め付けられる。
「っ…だったら」
痛みに耐えながら、石を握りしめ顔を歪める。
「だったら何故、側にいない…!」
静寂に消えた我愛羅の言葉に、応える者はいない…彼女の捜索も、もうすでに打ち切られた。
それでも我愛羅が未だに肌身離さず、清泪石を付けているのは、頭の奥底にこびりついた…
彼女の優しい笑顔と、記憶が我愛羅のわずかに残った『自我』が、そうさせていた…。
中忍試験を受けるために、会場である木の葉の里にテマリとカンクロウと共にやってきた。
『自分のためだけに戦い、自分だけを愛して生きる』それが自分『我愛羅』という存在だと定め、
『他人は全て、自分がこの世に存在している事を実感させてくれるためにいる物』として、
冷酷に、残酷に、一切の躊躇なく何人もの命を砂を用いて奪う日々。
6歳から度重なる父親から差し向けられる暗殺者も我愛羅の敵ではなかった…。
『自分以外の全ての人間を殺すために、自分は存在している』
目が合ったものは皆殺しにする…そのあまりの強さに、
テマリとカンクロウも完全に我愛羅に恐怖を抱いていた。
そして中忍試験。予選を無事に終えて、一か月後の本戦に控えていた我愛羅達は、
担当上忍のバキから、とある計画を明かされる。
我愛羅としてはどうでも良かったが、暇潰し程度にはなるかと思い、作戦を決行することにした。
『木の葉崩し』大蛇丸の持ち掛けた計画。
その日を間近に控えたある日、我愛羅は建物の屋上で苦しんでいた。
守鶴が体の中で、我愛羅の意識を乗っ取ろうと暴れているのだ。
我愛羅は必死に守鶴を抑え込む…。
「はぁっぐ、うううッ!!ぐああああッ!」
なんとか守鶴を抑え、我愛羅はその場に座り息を整える。
キラリッと我愛羅の首元から、ネックレスが零れ、月光に照らされながら揺れる…。
「はぁ…はぁ…っ」
優しい光を放つ石を手に取り見詰める。不思議と乱れた心が落ち着き、微かに安らぐのを感じた。
『――大好きだよ』
幼い頃に消息を絶った女の声が、我愛羅の脳裏に優しく響く。
途端に我愛羅の胸が締め付けられる。
「っ…だったら」
痛みに耐えながら、石を握りしめ顔を歪める。
「だったら何故、側にいない…!」
静寂に消えた我愛羅の言葉に、応える者はいない…彼女の捜索も、もうすでに打ち切られた。
それでも我愛羅が未だに肌身離さず、清泪石を付けているのは、頭の奥底にこびりついた…
彼女の優しい笑顔と、記憶が我愛羅のわずかに残った『自我』が、そうさせていた…。
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