「何故、自分と違うと決めつけるの！？　何が違うの！　この子は貴方達と同じ様に、痛みも悲しみも感じるのよ？
怪我をすれば血を流すの！悲しい時は涙も出るの！涙が石になるぐらい何だというの！？」

先生が、強く私を抱き締めた。

「私には、平気で人に石を投げつけて泣かせて、それでも笑っていられる貴方達の方がよほど恐ろしいわ！」

『！！』

次に先生は、遠巻きに見ていた子たちに向き直った。

「貴方達もよ！どうして友達が苛められているのに黙っているの！？　
手を出していなくても、黙って見ているのも一緒に苛めている事と変わらないのよ！？　反省なさいッ！！」

『…っ』

先生の剣幕に、誰一人口を開く子はいなかった。

「尚ちゃん、いらっしゃい。手当てしないと」

私は先生に抱かれて、その場を後にした。

先生の首にしがみついて、一切男の子たちの方は見なかった…。