里長として…父として…
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その頃、風影邸では羅砂が夜叉丸を呼び出していた。
「どうだ、様子は…」
「はい、我愛羅様は彼女によく懐いています。最近ではテマリ様やカンクロウ様も、彼女と仲を深めています」
「ふむ…以前と比べて、我愛羅の精神状態も安定している時間が多くなったのも、彼女の影響が大きい様だな」
「はい…ところで、上役達はなんと?」
夜叉丸の言葉に、羅砂の表情が曇る。
「あまり、良い反応ではない…」
「何故ですかっ?彼女は自身の能力で、里の経済の危機を救い、我愛羅様の不安定だった心も安定させました。
何が気に食わないというのですか?」
「まぁ落ち着け夜叉丸、確かに彼女は里の経済と、我愛羅の精神を安定させた。
だが、上役達は彼女が我愛羅を、守鶴を手中に収めるつもりなのではと疑心している」
「そんな!彼女はそんな事っ」
羅砂の言葉に、夜叉丸が声を上げるがすぐに制される。
「分かっている。だが…一度疑い出した彼らは、今更 誰の言葉も聞かんだろう…」
里の、自分達の脅威になるかも知れない存在として、尚は『危険人物』と認識されたらしい。
「それで、彼女をどうしろと…?」
羅砂は腕を組んで、窓の外へ視線を向ける。
「近い内に、彼女には他里へ移ってもらう…」
「彼女がいなくなったら、我愛羅様が…」
尚がいなくなれば、確実に我愛羅の情緒は不安定になることは目に見えている。
しかし、上役をしては目先の危険性を排除することしか頭にない。その後でどうなるかなど、考えていない…。
「決定事項だ、暗部数名に護衛させる。移った里でも不自由のない生活が送れるように要請もしてある。
心配いらん…」
「………」
「それに、我愛羅のことは元々は我々がどうにかしなければならない事だ。
彼女に頼り切るのは間違いだろう…」
(所詮はよそ者、ということですか…)
内心で毒づきながら、夜叉丸は頷いて部屋を後にした。
夜叉丸が戻ると、帰宅した我愛羅が尚とじゃれ合っていた。
「ああ、帰っていたんですね。お二人共」
「ただいま!夜叉丸!」
「ただいま戻りました」
「………」
(出来れば、尚さんにはずっと我愛羅様の側にいて欲しかったな…)
「夕飯にしましょうね」
「あ、手伝います」
「ありがとうございます」
(僕は、ちゃんと笑えているだろうか…?)
その日の夜、尚は羅砂に呼び出された。
「尚」
我愛羅は父親に尚が呼ばれる度に、不安そうな顔をする。
「大丈夫、すぐに帰って来るからね」
「うん…」
「じゃあ行って来るね」
ちゅっ…と我愛羅の額にキスを落として、部屋を出る。
「き、気を付けてね」
小さく手を振る我愛羅に微笑みを返して部屋を出る。
「どうだ、様子は…」
「はい、我愛羅様は彼女によく懐いています。最近ではテマリ様やカンクロウ様も、彼女と仲を深めています」
「ふむ…以前と比べて、我愛羅の精神状態も安定している時間が多くなったのも、彼女の影響が大きい様だな」
「はい…ところで、上役達はなんと?」
夜叉丸の言葉に、羅砂の表情が曇る。
「あまり、良い反応ではない…」
「何故ですかっ?彼女は自身の能力で、里の経済の危機を救い、我愛羅様の不安定だった心も安定させました。
何が気に食わないというのですか?」
「まぁ落ち着け夜叉丸、確かに彼女は里の経済と、我愛羅の精神を安定させた。
だが、上役達は彼女が我愛羅を、守鶴を手中に収めるつもりなのではと疑心している」
「そんな!彼女はそんな事っ」
羅砂の言葉に、夜叉丸が声を上げるがすぐに制される。
「分かっている。だが…一度疑い出した彼らは、今更 誰の言葉も聞かんだろう…」
里の、自分達の脅威になるかも知れない存在として、尚は『危険人物』と認識されたらしい。
「それで、彼女をどうしろと…?」
羅砂は腕を組んで、窓の外へ視線を向ける。
「近い内に、彼女には他里へ移ってもらう…」
「彼女がいなくなったら、我愛羅様が…」
尚がいなくなれば、確実に我愛羅の情緒は不安定になることは目に見えている。
しかし、上役をしては目先の危険性を排除することしか頭にない。その後でどうなるかなど、考えていない…。
「決定事項だ、暗部数名に護衛させる。移った里でも不自由のない生活が送れるように要請もしてある。
心配いらん…」
「………」
「それに、我愛羅のことは元々は我々がどうにかしなければならない事だ。
彼女に頼り切るのは間違いだろう…」
(所詮はよそ者、ということですか…)
内心で毒づきながら、夜叉丸は頷いて部屋を後にした。
夜叉丸が戻ると、帰宅した我愛羅が尚とじゃれ合っていた。
「ああ、帰っていたんですね。お二人共」
「ただいま!夜叉丸!」
「ただいま戻りました」
「………」
(出来れば、尚さんにはずっと我愛羅様の側にいて欲しかったな…)
「夕飯にしましょうね」
「あ、手伝います」
「ありがとうございます」
(僕は、ちゃんと笑えているだろうか…?)
その日の夜、尚は羅砂に呼び出された。
「尚」
我愛羅は父親に尚が呼ばれる度に、不安そうな顔をする。
「大丈夫、すぐに帰って来るからね」
「うん…」
「じゃあ行って来るね」
ちゅっ…と我愛羅の額にキスを落として、部屋を出る。
「き、気を付けてね」
小さく手を振る我愛羅に微笑みを返して部屋を出る。