「尚、どうしたの？　どっか痛いの？」

「え？」

いつの間にか、険しい顔つきをしていたらしく、我愛羅が心配して見上げて来た。

「あ、ごめん…大丈夫。ありがとう」

「うん」

二人で並んで座っていると、外出していた夜叉丸が帰って来た。

「ただいま、あ…尚さん。どうでしたか？」

「はい、ここに置いてもらえることになりました」

「夜叉丸！あのね、尚ね！今日からボクの部屋で夜叉丸と三人で暮らすんだよ！」

夜叉丸の袖を引っ張って、興奮気味にぴょんぴょんと跳ねる我愛羅に、夜叉丸が屈んで微笑む。

「賑やかになりますね」

「うん！」

「お世話になります」

深々と頭を下げると、夜叉丸も慌てて頭を下げた。

「あ、いえ…こちらこそ！」

二人して頭を下げ合っているのが面白いのか、我愛羅が笑いだした。

「あははっ二人ともヘンだよ！」

『え？』

何だか照れくさくなって、二人で苦笑してしまう。

「えっと…とりあえず、着替えが要りますね。明日見繕って来ますから、今日はオレのを着てください」

「あ、ありがとうございます」

こうして、尚は風影邸で我愛羅の世話係として居候することになったのだった