はじめての『ありがとう』
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「あ、あの…お姉ちゃん、だいじょうぶ?」
「ん…」
ぴくっと動いてから、虚ろな目がボクを見上げる。
でも、少しだけ笑って、小さく何か言った。小さかったけど、確かに聞こえた。
「ありがとう…」
――ドクンッ!
「!」
胸の辺りがぎゅーってなって、びっくりして胸に手を当てると、心臓の音が、すごくはやい…。
顔が熱い…。
(ありがとう…?ボクに?そんなこと…)
初めて言われた…。
「っちょっと待ってて!」
聞こえたかは分からないけど、ボクは急いで家に戻った。
いままで誰にも、ありがとうなんて言われたことなかった…。
うれしくて、うれしくて…あのお姉ちゃんともっと話したくて。
(夜叉丸なら、あの人の怪我も治せるかもっ!)
死んで欲しくない。
初めて誰かとの繋がりを持てる気がして、ボクは必死に走った。