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無頼派
ゆめうつつ
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「志賀せんせ~い!」
「お、どうした?」
「この書類、明日までだったのに手が回らなくて…!」
司書は何かしら用があると、まず志賀に声をかける。
この図書館で1番長く活躍しているのは、徳田さんと中野さんらしい。けど、あの2人よりも先ず志賀の所に行く。何故?恋仲なの?
助手だって、今週も月曜日から始まり、火曜日も今日も志賀が助手!
俺は志賀より少し後に来ただけなのに!
なんでアイツのところにいくのかな~…。2人が仲良くして姿はなんかモヤモヤする。
「太宰、どうかしたか?」
「え?」
いつの間にか隣にいた安吾が俺の顔を見た。
「すげぇ顔してんぞ」
「あ…だって、ほら!あそこ!志賀直哉がまた司書にカッコつけてんだぜ!?」
バシッと指を指す。嗚呼、気に喰わない!
俺だって司書に頼られたいし仲良くなりたいのに!
「太宰先生!志賀先生は確かにカッコいいですけど、ワザとカッコつけてる訳じゃないんですよ!私がポンコツすぎて助けて貰ってるんです」
俺たちのやり取りに気が付いたらしい司書と、ついでに志賀が俺たちの元へ来る。
「いや、司書はポンコツじゃないぞ!」
「え、そうですか?ありがとうございます」
勢いで否定すれば目をまん丸にして驚き、破顔する。
感情が顔に直ぐ出て分かりやすい、可愛い。
「そういえば司書。さっき壇がアンタのこと探してたぜ」
「えっ、どうしたんでしょうか?」
安吾が思い出した様に言う。
あれ、壇のヤツ、司書のこと探してたっけ?
「あー、確か中也に捕まってたから中庭にいると思うぜ」
「あわわ、助けに行かなきゃ…」
司書はパタパタと走って行った。
多分、助けられるのは中也だな… 。
喧嘩になってないといいけど。
「赤いの」
志賀が俺を呼ぶ。
「んだよ」
「司書の気を引きたいんだろうけど、俺はアンタより信頼されてるからなぁ」
「は!?」
司書には絶対に見せないだろう、意地の悪い顔をする。
た、確かにそうかもしれないけど!!
志賀の指に光る指輪を見る。
くそッ、俺だって指輪を引き当ててみせる!
絶対に司書に頼ってもらえるようになる!
「あ。志賀~!!」
「おう、ムシャ」
「司書さん見てない?」
「あ~、さっき出てったな。一緒に探してやるよ」
志賀は振り返り、俺に対して不敵な笑みを浮かべた。そして、武者小路サンのところへ行ってしまった。
「太宰」
「なに?」
「追い掛けなくていいのか?あのままだと、志賀のヤツまた司書の所に行っちまうぜ」
「あ!!」
「うっし、俺たちも追いかけるか」
一拍遅れて、俺と安吾も部屋を後にする。
俺の方が司書のこと、好きだから絶対負けねぇ。
いつか絶対、司書に1番に頼られる男になるんだ!
✄--------------- キ リ ト リ ---------------✄
太宰→司書←志賀 な図書館。
司書は特に何も考えてなく、何故かずっと志賀が隣にいるので助手を頼んでいるだけ。誰とも付き合ってない。
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