ゲームしようよ!

「ゲーム機」

目蒲さんがポツリと呟いたので、私は聞かれる前に「弥鱈君が持って来たんですよ」と答えた。すると、彼は「へえ」と興味なさそうな声を出しつつ、その癖コントローラーに手を伸ばす。


ーー目蒲さんとゲーム


「目蒲さんってゲームするんですか?」
「あんまり」
「その割には、慣れた手つき」
「機械なんてどれも同じだろ」
「そうかなあ?」

とはいえ、分からないのは本当のようだ。ゲームが起動したと思ったら、彼はぽいと私にコントローラーを渡してくる。後はお前がやれという事らしい。

「私ホラー嫌いなんですよ」
「なら何でここにある」
「嫌がらせ?」
「随分な親友だな」
「やっぱりそう思います?」

私は笑いながら、セットアップの終わったコントローラーを渡した。すると、彼は「ありがとう」と言って、早速ゲームを始めた。私はその様子をぼうっと見守る。

しかし、自分がコントローラーを握っていないと画面の細部の情報まで精細に取得できてしまうもので。

私は堪りかねて立ち上がる。すると、目蒲さんは「どうした?」と尋ねてきた。

「いやちょっと、グロいなあって」
「…ああ」

コントローラーを置いてくれた彼にホッとして、私は「コントローラー握ってなきゃ、逆に怖いです」と口走る。しかし、彼にはうまく伝わらないようで「そうか?」と返される。

「だって、画面見るのに集中できるから」
「普通、ゲームしてる方が集中するもんじゃないのか?」
「いや、ゲームしてる時はコントローラーの操作に気が行くもんです」
「そんな事ないだろ」
「いやいや、頭の中操作の仕方でいっぱいですって」
「覚えろよ」
「無茶ですね」

ふうん、と分かってないのに分かった様子で口を尖らす彼。そんな彼に「まあ、そもそもゲームが苦手って事で」と結論付けて、私はゲームをしまってしまおうと手を伸ばす。

しかし、彼は私の手からコントローラーを掠め取って、「二人プレイならいいんだな?」なんて言うので。

「いやいや、話聞いてました?」
「ああ。見てるだけだと怖いんだろう?」
「ううん、良いように解釈されてる!」

どうやらハマったようで、続きがしたいらしい。こうなっては仕方がないので、私は「寝れなくなったら責任とって下さいよ」と2台目のコントローラーを握る。

[ ログインして送信 ]