女帝
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「おおリディア」
「ルビウス君」
あたしはいつも通り、ルビウス君の横に座る。ルビウス君がそそくさと自分のポケットに何かを隠した。
「どしたの、ルビウス君?」
「いんや、どうも今日はウサギが見れるって気がしてな」
「そうなの?」
「ああ。そんな気がする」
ルビウス君が真剣な目で森の方を睨むから、あたしもついつられてそちらを睨む。
「来るかな」
「ぜってえ来る」
「わかった」
あたしたちは真剣に森を睨む。でも、それをしばらく続けるうちにどうも飽きてしまった。あたしはルビウス君の顔を見てみる。なんと、目があった。
「来るかな」
「なあに。来るともさ。それよか、リディアは占い学の先生に聞けたのか?」
「ううん、なんか、怖くてね」
「そうかそうか。しゃあねえ。悪い話だったら怖ええしな」
「うん…」
「でも、大丈夫だ。リディアはこんなにも優しいから、きっと親御さんも素敵な人さ」
「そうかな…」
つい芝生を見てしまうあたしの肩を、ルビウス君はその大きな手でぽんぽんと二回叩いた。
「じゃあ、こうすっか。リディアはウサギが出たら占い学の先生に会いに行くんだ」
「出なかったら?」
「今日出なくても、明日は出るかも知んねえ。出た日に会いに行きゃあいい」
「そっか」
その時に行けばいい。それはあたしの心を何となく軽くした。
「うん、そうする」
あたしは祈るような気持ちで森を見る。出ますように。でも、出ませんように。
じっと森を見ていると、ひょこりと飛んだ白いかたまり。ああ、あれは、もしかして。
「ウサギ…」
「おお!やっと見れたぞう!」
ルビウス君が立ち上がる。つられてあたしも立って、その姿を目に焼き付ける。やった、やったというルビウス君の声に反応するみたいに、ウサギはぴょんぴょんと森のあたりを行ったり来たり。
「よし、リディア。お前さんは勇気を出せ!俺も今から勇気を出すからな!」
ルビウス君は大きな声でそう言って、ポケットから何かを取り出す。
「これ、リディアにやる」
「これは…」
ルビウス君の手の中を覗き込む。小さな木彫りのウサギだった。
「俺が作ったんだ。あんま上手には出来んかったが、それでも心を込めて作った。受け取っちゃくれんか」
「もちろん、もらうね。ありがとう」
「それとな…これは出来たらでいいんだが…友達になってくれんか」
あたしは驚いてルビウス君をまじまじ見つめてしまう。その視線はルビウス君をとてもそわそわさせてしまったみたいで、あたしは少しだけ申し訳なくなった。
「じゃあ、今まではなんだったの?」
「え、うーん」
悩むルビウス君を見る。彼はおずおずと顔を上げて、「もしかして、もう友達だったんか?」と聞いた。
あたしが頷くと、彼は飛び上がる。
「そうか!俺とリディアはもう友達だったんか!」
大きな声で笑うルビウス君。それは体の大きな彼にとてもよく似合うな、と思って、なんとなく笑ってしまった。
「ルビウス君」
あたしはいつも通り、ルビウス君の横に座る。ルビウス君がそそくさと自分のポケットに何かを隠した。
「どしたの、ルビウス君?」
「いんや、どうも今日はウサギが見れるって気がしてな」
「そうなの?」
「ああ。そんな気がする」
ルビウス君が真剣な目で森の方を睨むから、あたしもついつられてそちらを睨む。
「来るかな」
「ぜってえ来る」
「わかった」
あたしたちは真剣に森を睨む。でも、それをしばらく続けるうちにどうも飽きてしまった。あたしはルビウス君の顔を見てみる。なんと、目があった。
「来るかな」
「なあに。来るともさ。それよか、リディアは占い学の先生に聞けたのか?」
「ううん、なんか、怖くてね」
「そうかそうか。しゃあねえ。悪い話だったら怖ええしな」
「うん…」
「でも、大丈夫だ。リディアはこんなにも優しいから、きっと親御さんも素敵な人さ」
「そうかな…」
つい芝生を見てしまうあたしの肩を、ルビウス君はその大きな手でぽんぽんと二回叩いた。
「じゃあ、こうすっか。リディアはウサギが出たら占い学の先生に会いに行くんだ」
「出なかったら?」
「今日出なくても、明日は出るかも知んねえ。出た日に会いに行きゃあいい」
「そっか」
その時に行けばいい。それはあたしの心を何となく軽くした。
「うん、そうする」
あたしは祈るような気持ちで森を見る。出ますように。でも、出ませんように。
じっと森を見ていると、ひょこりと飛んだ白いかたまり。ああ、あれは、もしかして。
「ウサギ…」
「おお!やっと見れたぞう!」
ルビウス君が立ち上がる。つられてあたしも立って、その姿を目に焼き付ける。やった、やったというルビウス君の声に反応するみたいに、ウサギはぴょんぴょんと森のあたりを行ったり来たり。
「よし、リディア。お前さんは勇気を出せ!俺も今から勇気を出すからな!」
ルビウス君は大きな声でそう言って、ポケットから何かを取り出す。
「これ、リディアにやる」
「これは…」
ルビウス君の手の中を覗き込む。小さな木彫りのウサギだった。
「俺が作ったんだ。あんま上手には出来んかったが、それでも心を込めて作った。受け取っちゃくれんか」
「もちろん、もらうね。ありがとう」
「それとな…これは出来たらでいいんだが…友達になってくれんか」
あたしは驚いてルビウス君をまじまじ見つめてしまう。その視線はルビウス君をとてもそわそわさせてしまったみたいで、あたしは少しだけ申し訳なくなった。
「じゃあ、今まではなんだったの?」
「え、うーん」
悩むルビウス君を見る。彼はおずおずと顔を上げて、「もしかして、もう友達だったんか?」と聞いた。
あたしが頷くと、彼は飛び上がる。
「そうか!俺とリディアはもう友達だったんか!」
大きな声で笑うルビウス君。それは体の大きな彼にとてもよく似合うな、と思って、なんとなく笑ってしまった。
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