女教皇
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レイブンクローの寮の扉を見つけて、あたしはワシの形のドアノッカーに手を掛ける。しかし、いよいよ手が触れるというところでアーサー君が鋭くあたしを止めた。
「どうしたの?アーサー君」
「危険…かもしれない」
「どうして?」
「君、グリフィンドールの寮に無理やり入ろうとした奴がどうなるか知ってるかい?」
「知らないよ」
「何度も合言葉を間違えたり、無理やり太った夫人に手を掛けようとするとさ…」
ぶるり、アーサー君は震える。
「いや、よすよ。とにかく、ひどい目にあうんだ」
アーサー君の目が伏せられて、あたしはふと自分の寮を思い出した。あたしも、見たことがある。ちょっとヘルガ・ハッフルパフのリズムを間違えただけなのに、酢でできた水たまりの中、目が痛いとのたうち回る友達の姿を…それがレイブンクローの寮ならどうなってしまうのだろう。他の寮より温厚と言われるハッフルパフでさえああなるなら…
ぞくり。あたしは震え、その拍子に人差し指の先っぽをドアノッカーに当ててしまった。あしらわれていたワシが喋り出す。
「あるマグルの民族が雨乞いの儀式を行うと、必ず雨が降る。それは何故か?」
「しゃ、喋った!アーサー君大変!喋った!」
「いや、そこ?!」
「どこ?」
あたしが見回すと、アーサー君は大きなため息をついた。
「うん…君はそうだよね。オレが解くよ」
アーサー君は腕組みをして、ちょっと考える。
「まあ、当然魔法を…」
「アーサー君。マグルは魔法使わないんだよ」
「あっ!…なら、魔法薬を」
「アーサー君」
「分かったぜ、レインマンだろ」
「アーサー君…」
流石に呼びすぎたからなのかなんなのか、アーサー君はこっちを指差して、「ならリディアは分かるのかよ!」と言った。あたしは自分のほっぺをつつきながら、思い出す。
「ビリーはね…あたしの孤児院のお友達なんだけど…いつも雨が降った日は、晴れた日の絵を描くの。何枚も、何枚も。そして雨が上がると見せてくれるんだよ。ほら、この絵のお陰でしょって」
彼を思い出せば、どうしても一緒にあの日のウサギが浮かぶ。あたしはそっと目をつぶって、またそっと開いた。
「だから、答えはね、その時まで続くから。雨が降らないと雨乞いが終わらないから、雨乞いが終わったら雨が降るの」
ガチャ、とドアが開いた。アーサー君が「すげぇ…」と呟く。
「さ、行こ」
尊敬されるのは照れ臭くて、あたしは聞こえなかったみたいに振る舞った。
「どうしたの?アーサー君」
「危険…かもしれない」
「どうして?」
「君、グリフィンドールの寮に無理やり入ろうとした奴がどうなるか知ってるかい?」
「知らないよ」
「何度も合言葉を間違えたり、無理やり太った夫人に手を掛けようとするとさ…」
ぶるり、アーサー君は震える。
「いや、よすよ。とにかく、ひどい目にあうんだ」
アーサー君の目が伏せられて、あたしはふと自分の寮を思い出した。あたしも、見たことがある。ちょっとヘルガ・ハッフルパフのリズムを間違えただけなのに、酢でできた水たまりの中、目が痛いとのたうち回る友達の姿を…それがレイブンクローの寮ならどうなってしまうのだろう。他の寮より温厚と言われるハッフルパフでさえああなるなら…
ぞくり。あたしは震え、その拍子に人差し指の先っぽをドアノッカーに当ててしまった。あしらわれていたワシが喋り出す。
「あるマグルの民族が雨乞いの儀式を行うと、必ず雨が降る。それは何故か?」
「しゃ、喋った!アーサー君大変!喋った!」
「いや、そこ?!」
「どこ?」
あたしが見回すと、アーサー君は大きなため息をついた。
「うん…君はそうだよね。オレが解くよ」
アーサー君は腕組みをして、ちょっと考える。
「まあ、当然魔法を…」
「アーサー君。マグルは魔法使わないんだよ」
「あっ!…なら、魔法薬を」
「アーサー君」
「分かったぜ、レインマンだろ」
「アーサー君…」
流石に呼びすぎたからなのかなんなのか、アーサー君はこっちを指差して、「ならリディアは分かるのかよ!」と言った。あたしは自分のほっぺをつつきながら、思い出す。
「ビリーはね…あたしの孤児院のお友達なんだけど…いつも雨が降った日は、晴れた日の絵を描くの。何枚も、何枚も。そして雨が上がると見せてくれるんだよ。ほら、この絵のお陰でしょって」
彼を思い出せば、どうしても一緒にあの日のウサギが浮かぶ。あたしはそっと目をつぶって、またそっと開いた。
「だから、答えはね、その時まで続くから。雨が降らないと雨乞いが終わらないから、雨乞いが終わったら雨が降るの」
ガチャ、とドアが開いた。アーサー君が「すげぇ…」と呟く。
「さ、行こ」
尊敬されるのは照れ臭くて、あたしは聞こえなかったみたいに振る舞った。