悪魔
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田舎の方に行くことになった。グリーンフィールドという所だ。大きな洞窟や湖があり、そこで一日過ごすらしい。
ミセス・コールの目が光ってさえいなければもう少し楽しめるのだろうけど。生憎僕は彼女にとって「危険」らしい。
「ミセス・コールは」
僕が声を掛けると、先生はあからさまにビクンと肩を揺らし、「何かしら」と言った。
「馬鹿馬鹿しいとは思わないんですか?」
発言の意図が掴めない彼女は首をかしげるも、歳上の貫禄を見せようとしたのか、「いえ?」と微笑んだ。虚勢に似たそれを見て、僕も「そうですか」と微笑みを返す。そのまま歩き出すと、彼女がしつこく付いてくる事は無かった。
―――――
エイミーとデニスが嫌い。あたしの事が嫌いで、いつも嫌がらせしてくるからだ。
今日だってそう、レナがトイレに行ってしまったらタイミングを見計らった様に私の所に来て、「リディア、遊ぼうぜ!」って言いながら人が居ない所まで引っ張ってきたのだ。力加減も考えないで握られた両手首が痛くて、あたしは交互にそこを擦った。その手をパシッと叩いて、エイミーは言った。
「ホラ!遊んであげるっていってるでしょ!もっと喜びなさいよ!!」
あたしが首を横に振ると、彼女は気にくわないとでも言いたげに顔をしかめて、「うつ向いてばっかじゃ分かんないでしょ」と言った。何しても怒るんだからしょうがないじゃない。
エイミーがついにホントに怒って、ほっぺたを思い切り叩いた。デニスがゲラゲラ笑う。ほっぺたがジンジンする。酷い。あたしが何をしたんだろう。
「楽しいって言えよ!」
そう笑いながら、デニスは私の太ももを蹴飛ばした。私の目から涙が零れて来るのを見て、二人はもっと笑う。楽しくない。レナと居たかった。やめて、やめて、痛いよ、助けて。あたしの声は聞いて貰えなくて、二人の笑い声に掻き消されてしまう。
「僕も交ぜろ」
その時リドル君の声が聞こえて、あたしは顔を上げた。黙りこむ二人。喋る声が良く通る。
「楽しそうな事、してるじゃないか」
リドル君はズンズン近づいてくる。そして少し笑うと、あたしを突き飛ばした。突然尻餅をつかされたあたしは痛みとショックで声を上げて泣いてしまう。彼はそれを鼻で笑って、二人を見て言った。
「そうだ、洞窟に行こうか。真っ暗で度胸試しにはもってこいだから、誰が一番弱虫が試そう」
リドル君が敵か仲間かわからなかった二人は、ワンテンポ遅れて肯定の声を上げた。