立会人のつまらない業務の中には、月例会というものがある。基本的には全員参加の会だが、多忙な立会人のこと。中々全員は集まらないのが実態だ。その中でも経験の少ない若手は時間を作ってでも参加せよとのことなので、自ずと顔触れは決まってくる。

もちろん、会が始まるまでに話す内容も。

「田中と日下部、別れたそうですよ」
「ほー。日下部ってクイーンのとこの日下部？」
「そうそう」
「他に誰が日下部ねらってましたっけー？」

そう。惚れただの、腫れただのの話になるのだ。嫌になる。

溜息を吐くと、隣で銅寺立会人が笑った。

「相変わらずですね、目蒲立会人」
「銅寺立会人はどうぞお話に参加なさればいいんじゃないですかぁ？」
「OK、僕は聞く専門なんですよ」
「でしたらどうぞ聞いてこれば」
「うーん、先生の話題が出たらかな」

一瞬、場が静まる。勿論銅寺立会人の言葉に反応してだろう。すぐに内容が無いことを悟って各々の話題に戻っていったが、門っちがこちらの話題に入ってきた。

「なんや銅寺立会人、何か知っとるんか」
「いやあ、全然です」
「チビは女として大丈夫なんか？」

それは確かに、どうなんだ？