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珍しく能輪と組まされ粛清に向かう車内での話。目蒲は普段余り関わり合いになることのない相手に何を話せば良いかも分からず、そしてわざわざ話題を探す必要性も感じられず、窓の外を見ているとあちらから声を掛けてきた。
「あいつかわいーよな」
そう能輪が笑うので、目蒲は首を傾げる。
「あれが?」
賭郎に彼女が来てから話さない日はない位に関わってきたが、そういう目で彼女を見た事はなかった。目蒲は脳裏に浮かぶ彼女を思い返し、再度問う。
「あれが?」
「二回も聞いてやるなよ、おい目蒲。可哀想すぎんだろ」
能輪は笑いを零しつつ、この前よぉ、と語り出した。
「If there’s somethin’ strange in your neighborhood」
事務のフロアを歩いていると、不意に陽気な歌声が聞こえてきた。明かりの消えた廊下で姿こそ見えなかったものの、賭郎には珍しい女の高い声と、気配を隠そうとする気が微塵も感じられない足音で、歌い手はすぐに分かった。恐らくあちらは気付いていないだろ。そう思えばいたずら心も湧くというもの。
「Who ya gonna call?」
「Ghostbusters!!」
元気な歌声に合いの手を入れれば、直後、「ひゃー!」という悲鳴とガタガタという何かしらの物音。流石に派手過ぎる反応に能輪は面食らい、「大丈夫か?」と駆け寄った。
「の、わさん…?」
尻餅をついたらしく、ぺたんと床に座り込んだ彼女の素人臭過ぎる反応に苦笑を零す。他の構成員ではこうはいかない。なにせ喧嘩っ早く、脅かされた腹いせにとそのまま戦闘に突入してもおかしくない。
「おー。悪かったな、そこまでビビると思ってなくてよ」
そう思えば、素直な謝罪の言葉も出てくるというもの。
「びっ…くりしたぁ…」
ふああ、と目に見えて脱力する彼女に手を差し出せば、彼女はそれを固辞する。少し気を悪くした能輪が理由を問うと、立てないと。
予想以上の反応に、能輪は声を立てて笑い出した。それにむくれる彼女に「わりーわりー」と声を掛け、背と膝裏にそれぞれ腕を回し、姫抱きにした。きゃあきゃあ騒ぎ立てる彼女にまた笑いながら、そのまま部屋へと歩き出す。
「な、かわいーだろ?」
「ちょっと待ちなさい能輪立会人。アナタ何あれにお姫様抱っこしてるんですか」
「そこかよ。いいだろ別に。拉致監禁よか健全だろーがよ」
ぐ、と目蒲は短く呻く。かつての目蒲の暴走は既に立会人の広く知るところとなっていた。
「とにかくよ、腰抜かすほどお化け怖いとか、かわいくね?」
「は?」
疑問の声を上げてはみるものの、能輪の言いたい事はよく分かった。
自分を鼓舞する為にゴーストバスターズを熱唱し、入るはずのない合いの手に過剰に驚き…
確かに可愛いかもしれない。
目蒲は自分の中に浮かんだ考えに即座に消しゴムをかけ、「あれにも苦手なものがあったんですねぇ」とだけ返した。
「あいつかわいーよな」
そう能輪が笑うので、目蒲は首を傾げる。
「あれが?」
賭郎に彼女が来てから話さない日はない位に関わってきたが、そういう目で彼女を見た事はなかった。目蒲は脳裏に浮かぶ彼女を思い返し、再度問う。
「あれが?」
「二回も聞いてやるなよ、おい目蒲。可哀想すぎんだろ」
能輪は笑いを零しつつ、この前よぉ、と語り出した。
「If there’s somethin’ strange in your neighborhood」
事務のフロアを歩いていると、不意に陽気な歌声が聞こえてきた。明かりの消えた廊下で姿こそ見えなかったものの、賭郎には珍しい女の高い声と、気配を隠そうとする気が微塵も感じられない足音で、歌い手はすぐに分かった。恐らくあちらは気付いていないだろ。そう思えばいたずら心も湧くというもの。
「Who ya gonna call?」
「Ghostbusters!!」
元気な歌声に合いの手を入れれば、直後、「ひゃー!」という悲鳴とガタガタという何かしらの物音。流石に派手過ぎる反応に能輪は面食らい、「大丈夫か?」と駆け寄った。
「の、わさん…?」
尻餅をついたらしく、ぺたんと床に座り込んだ彼女の素人臭過ぎる反応に苦笑を零す。他の構成員ではこうはいかない。なにせ喧嘩っ早く、脅かされた腹いせにとそのまま戦闘に突入してもおかしくない。
「おー。悪かったな、そこまでビビると思ってなくてよ」
そう思えば、素直な謝罪の言葉も出てくるというもの。
「びっ…くりしたぁ…」
ふああ、と目に見えて脱力する彼女に手を差し出せば、彼女はそれを固辞する。少し気を悪くした能輪が理由を問うと、立てないと。
予想以上の反応に、能輪は声を立てて笑い出した。それにむくれる彼女に「わりーわりー」と声を掛け、背と膝裏にそれぞれ腕を回し、姫抱きにした。きゃあきゃあ騒ぎ立てる彼女にまた笑いながら、そのまま部屋へと歩き出す。
「な、かわいーだろ?」
「ちょっと待ちなさい能輪立会人。アナタ何あれにお姫様抱っこしてるんですか」
「そこかよ。いいだろ別に。拉致監禁よか健全だろーがよ」
ぐ、と目蒲は短く呻く。かつての目蒲の暴走は既に立会人の広く知るところとなっていた。
「とにかくよ、腰抜かすほどお化け怖いとか、かわいくね?」
「は?」
疑問の声を上げてはみるものの、能輪の言いたい事はよく分かった。
自分を鼓舞する為にゴーストバスターズを熱唱し、入るはずのない合いの手に過剰に驚き…
確かに可愛いかもしれない。
目蒲は自分の中に浮かんだ考えに即座に消しゴムをかけ、「あれにも苦手なものがあったんですねぇ」とだけ返した。