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「カメラカメラ」と小走りで廊下を抜けていくのを呼び止めたのは、何となく彼女に違和感をもったからだ。
「ありゃ目蒲さん、どうしました?」
「いや……」
「呼んだだけでした?」
こちらを見上げ、悪戯っぽく笑った彼女。それでやっと、違和感の正体は仕事中にあるまじき浮かれた耳だと気付く。
「お前、何だそれ?」
「あはは、かわいいでしょ」
そう言って彼女はまた早足で歩き出す。何のつもりかは知らないが、急いでいるのなら仕方がない。何がどうとち狂ってそうなったかは夕飯の時にでも聞こうと決め見送ろうと思ったが、気が変わる。いつもの小さな背中の下の方、ブラウスの下から大きな尻尾がはみ出ていたからだ。
「お前流石にちょっと待て」
「もう、何ですか?」
「怒れる立場か?何だその浮かれた耳と尻尾は」
「いいんですよそれは」
また去っていこうとする背中にたまりかね、「おい待て」と肩を掴んで捉える。すると彼女は胡乱な目つきで俺を見上げて。
「せっかくの人の優しさを無駄にするんですから」
と、口にクッキーを放り込んできやがった。
体を駆け巡る熱。それが引くや否や、俺は嫌な予感がして頭頂部を探る。ふさふさとした、長い垂れ耳が二つ。
「…お前、何しやがった?」
「同じ目に合わせました。お屋形様の密命で」
「てめっ…」
文句をつけようとしたが、確かに大分逃がそうとされていた事を思い出し口を噤む。その代わり「何があった」と聞けば、彼女はお屋形様が謎の製薬会社から獣人化クッキーを貰ってきた事、それを食わされた事、食わせ返した事、そして二人は腹いせに賭郎のメンバーに無差別攻撃を始めた事を白状してきた。くらくらする頭を手で抑えつつ、なんとか「そうか」とだけ返す。
「しかし、ゴールデンレトリバーですか。予想通りになりましたね」
「そうかよ…」
「むっちゃ似合ってます」
「ありがとよ」
間の抜けたやり取りに合わせつつ、俺は改めて彼女を観察する。丸い耳と太ましい尻尾は、狸のそれと同じ。
「まあ、お前も随分と‘それっぽく’なったな」
「どういう意味です?」
「似合ってるぞ」
「なーんか、含みがあるなあ」
そう訝しげな声を出したと思えば、彼女はあっけらかんとして「まあ、今日はハンバーグにでもしましょうか。せっかく肉食になった事ですしね」と笑った。
「犬に玉ねぎはNGじゃなかったか?」
「でも目蒲さん、尻尾物凄く揺れてますよ」
慌てて尻尾を掴む俺を笑って、彼女は「じゃ、また夜に」と去っていく。俺は今度こそその背中を見送りながら、尻尾が落ち着くまでどこで過ごそうか考えていた。
「ありゃ目蒲さん、どうしました?」
「いや……」
「呼んだだけでした?」
こちらを見上げ、悪戯っぽく笑った彼女。それでやっと、違和感の正体は仕事中にあるまじき浮かれた耳だと気付く。
「お前、何だそれ?」
「あはは、かわいいでしょ」
そう言って彼女はまた早足で歩き出す。何のつもりかは知らないが、急いでいるのなら仕方がない。何がどうとち狂ってそうなったかは夕飯の時にでも聞こうと決め見送ろうと思ったが、気が変わる。いつもの小さな背中の下の方、ブラウスの下から大きな尻尾がはみ出ていたからだ。
「お前流石にちょっと待て」
「もう、何ですか?」
「怒れる立場か?何だその浮かれた耳と尻尾は」
「いいんですよそれは」
また去っていこうとする背中にたまりかね、「おい待て」と肩を掴んで捉える。すると彼女は胡乱な目つきで俺を見上げて。
「せっかくの人の優しさを無駄にするんですから」
と、口にクッキーを放り込んできやがった。
体を駆け巡る熱。それが引くや否や、俺は嫌な予感がして頭頂部を探る。ふさふさとした、長い垂れ耳が二つ。
「…お前、何しやがった?」
「同じ目に合わせました。お屋形様の密命で」
「てめっ…」
文句をつけようとしたが、確かに大分逃がそうとされていた事を思い出し口を噤む。その代わり「何があった」と聞けば、彼女はお屋形様が謎の製薬会社から獣人化クッキーを貰ってきた事、それを食わされた事、食わせ返した事、そして二人は腹いせに賭郎のメンバーに無差別攻撃を始めた事を白状してきた。くらくらする頭を手で抑えつつ、なんとか「そうか」とだけ返す。
「しかし、ゴールデンレトリバーですか。予想通りになりましたね」
「そうかよ…」
「むっちゃ似合ってます」
「ありがとよ」
間の抜けたやり取りに合わせつつ、俺は改めて彼女を観察する。丸い耳と太ましい尻尾は、狸のそれと同じ。
「まあ、お前も随分と‘それっぽく’なったな」
「どういう意味です?」
「似合ってるぞ」
「なーんか、含みがあるなあ」
そう訝しげな声を出したと思えば、彼女はあっけらかんとして「まあ、今日はハンバーグにでもしましょうか。せっかく肉食になった事ですしね」と笑った。
「犬に玉ねぎはNGじゃなかったか?」
「でも目蒲さん、尻尾物凄く揺れてますよ」
慌てて尻尾を掴む俺を笑って、彼女は「じゃ、また夜に」と去っていく。俺は今度こそその背中を見送りながら、尻尾が落ち着くまでどこで過ごそうか考えていた。