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「どうして貴女はいつもいつも私の予想の範疇にいられないんですかねぇぇぇ!!」
苛立たしげにひたん、ひたん、と床に尻尾を打ちつける白猫を前に、目蒲立会人が怒鳴り散らしている。目蒲立会人も伏龍さんはそういう人なのでいい加減諦めて欲しいし、伏龍さんも目蒲立会人はそういう人なので弁えて欲しい。
無理か。どっちもそういう人だし。
ーー2月22日はネコの日です!
お屋形様が拾號立会人室に猫を連れて来たのは、ものの5分前の出来事。組織のボスが相手なので自ら応対に出た目蒲立会人が「どうされました?」と聞くと、お屋形様は首根っこを摘んで運んできた白猫を顔の前まで持ち上げて、「これ、面倒見ててくれない?」と一言。勿論賭郎スタッフに拒否権は無い。目蒲立会人はいつもの低い声で「はい」と答えて猫を受け取り、こちらに視線をよこす。お前が世話をしろという事か。察した俺はなるべく足跡を立てないように近付くと、そっと猫の両脇に手を差し込んで持ち上げる。
「あ、言っとくけどそれ、晴乃君ね」
「なっ…はああ?」
目蒲立会人が慌てて猫を取り返すのを見て、お屋形様がにやりと笑った。
ーーーーーーーーーー
「てめぇまじふざけんなよ。軽率にお屋形様が出してきた薬を飲むんじゃねえよ」
「にゃあ」
「にゃあじゃねえよてめぇ断れただろうがよ。丸一日猫のままってなんなんだよまじでよぉ…大概にしろよ…」
次はがっくりと項垂れはじめた目蒲立会人を見て、伏龍さんはパタンと耳を横に折った。一応、反省はしているらしい。目蒲立会人にも一応伝わったようで、彼は大袈裟にため息をついて「もういいわ山口…お前ペットフード買ってこい」と俺を呼んだ。
途端、伏龍さんがうるさくなる。
「うにゃにゃ、うにゃーにゃ。にゃんにゃー、ぐー!」
「あ?猫だろうが」
「にゃごにゃー、うー、うー!にゃーごにゃごにゃご、にゃー!」
「うるせえよまじで…」
「にゃー!にゃー!」
「嫌ならそもそも猫になるんじゃねえよ…」
なんで会話が成立してるんですか目蒲立会人。猫ですよそれ。俺は突っ込みたいのを抑える。買い物に行くべきかも分からないままだが、敢えて黙して成り行きを見守る。下手に巻き込まれてしまえば面倒な事になるのは目に見えている。
この人の部下であるという事は、彼女との漫才に付き合い続けるという事と同義。俺はこの人がいい方向に変わっている事を素直に喜ぶ事に決め、仕事に戻る。
苛立たしげにひたん、ひたん、と床に尻尾を打ちつける白猫を前に、目蒲立会人が怒鳴り散らしている。目蒲立会人も伏龍さんはそういう人なのでいい加減諦めて欲しいし、伏龍さんも目蒲立会人はそういう人なので弁えて欲しい。
無理か。どっちもそういう人だし。
ーー2月22日はネコの日です!
お屋形様が拾號立会人室に猫を連れて来たのは、ものの5分前の出来事。組織のボスが相手なので自ら応対に出た目蒲立会人が「どうされました?」と聞くと、お屋形様は首根っこを摘んで運んできた白猫を顔の前まで持ち上げて、「これ、面倒見ててくれない?」と一言。勿論賭郎スタッフに拒否権は無い。目蒲立会人はいつもの低い声で「はい」と答えて猫を受け取り、こちらに視線をよこす。お前が世話をしろという事か。察した俺はなるべく足跡を立てないように近付くと、そっと猫の両脇に手を差し込んで持ち上げる。
「あ、言っとくけどそれ、晴乃君ね」
「なっ…はああ?」
目蒲立会人が慌てて猫を取り返すのを見て、お屋形様がにやりと笑った。
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「てめぇまじふざけんなよ。軽率にお屋形様が出してきた薬を飲むんじゃねえよ」
「にゃあ」
「にゃあじゃねえよてめぇ断れただろうがよ。丸一日猫のままってなんなんだよまじでよぉ…大概にしろよ…」
次はがっくりと項垂れはじめた目蒲立会人を見て、伏龍さんはパタンと耳を横に折った。一応、反省はしているらしい。目蒲立会人にも一応伝わったようで、彼は大袈裟にため息をついて「もういいわ山口…お前ペットフード買ってこい」と俺を呼んだ。
途端、伏龍さんがうるさくなる。
「うにゃにゃ、うにゃーにゃ。にゃんにゃー、ぐー!」
「あ?猫だろうが」
「にゃごにゃー、うー、うー!にゃーごにゃごにゃご、にゃー!」
「うるせえよまじで…」
「にゃー!にゃー!」
「嫌ならそもそも猫になるんじゃねえよ…」
なんで会話が成立してるんですか目蒲立会人。猫ですよそれ。俺は突っ込みたいのを抑える。買い物に行くべきかも分からないままだが、敢えて黙して成り行きを見守る。下手に巻き込まれてしまえば面倒な事になるのは目に見えている。
この人の部下であるという事は、彼女との漫才に付き合い続けるという事と同義。俺はこの人がいい方向に変わっている事を素直に喜ぶ事に決め、仕事に戻る。