気付けよ
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「こいつは俺が貰う!」
「あのさあー、OK?先生は僕が最初に目をつけたんだよ、OK?」
私を後ろから抱き締めながらそう言う能輪さんに、銅寺さんが食ってかかる。私は早々に脱出を諦め、膝の上で寛いでいる。一般的に、女性立会人でも男性立会人に組み付かれたら脱出は不可能らしい。況や私をや。
ーー食堂での出来事だ。私が日替わりランチを受け取り、席を探していると、銅寺さんが手招きしてくれたので有り難く向かいに座った。
「お疲れ様です、銅寺さん」
「先生もお疲れ様。ねえ先生、先生って黒服できないの?」
「突然ですねえ。どうされました?」
「先生が居たら立会いが楽しそうでしょ?」
「ああー、成る程。いいですよ、私が解説やるので銅寺さん実況やって下さいよ」
「それは会員に嫌がられそうだね」
「人主達にはウケるかもですよ?」
「そういう事なら俺の黒服になれよ」
そう言いながら私の横に座ったのは能輪さん。
「確かに能輪立会人は実況が上手そうですね」
「あはは。早速お爺ちゃんに掛け合わなきゃ」
「採用時は是非八號へ」
「どこにしよっかなぁ」
「女神!是非この櫛灘の元へ!」
「櫛灘さん黒服使わないじゃないですかやだー!」
通りがかった櫛灘さんが立候補するのをバッサリ切って、ヒレカツを一口。今日も賭郎の社食は美味しい。
「…真面目に黒服やってくんねえ?」
「どうしたんですか能輪さん、神妙な顔しちゃって」
「周りを立てられる奴が欲しい…俺ンとこ自己中ばっかでよぉ…」
「リーダーに似ましたね」
「五月蝿えよ銅寺…どこもそうだろ?賭郎の奴が自己中じゃなかった試しがねえよ…」
「まあ…否定はしないよね…」
「えー、そうですか?皆さん話せば分かってくれません?」
「ほらー!な?やっぱコイツがいると楽だって絶対!」
「…先生、僕の所においで」
「おい!伏龍俺ンとこだ!可愛がってやっから!」
「いや私事務ですし」
「お前達に渡すくらいなら私が使う」
「夕湖まで何言ってるのさ」
ひょっこり現れた夕湖が、銅寺さんの横に座って言う。
「いいかお前達、伏龍の占有は良くない」
「占有て」
「居たら便利に決まってるだろう…心は読める、気立てはいい、よく動く。事務でそれなりに皆が恩恵を受けているから戦争が起きないだけだ。一個人の勢力に組み込むなど言語道断」
「やだ嬉しい…じゃなくて、デカい話になってない?」
「皆で回すべきだ」
「OK。それだね」
「それじゃねえよ!落ち着いて考えろお前ら、立会人101人で回したら年三回だぞ!俺は毎日手が借りてえんだよお!」
机をバンバン叩きながら、能輪さんは熱く訴えかける。
「なぁ頼むぜー!任務さえ忠実にこなしてくれりゃあ後はなんでも聞いてやっから!服でもアクセサリーでも何でも買ってやる!」
「ちょっと、OK?それは戦略としてOKなの?先生、僕のところに来たら任務帰りに映画でもどこでも付き合ってあげるから!外出できるよ!」
「は?わ、私ならレストランでもカフェでも一緒に行ってやる!男共では入れないような可愛い所!」
三者三様に口説いてくださるので、私は閉口する。いやあ、黒服だったら夢に見るシチュエーションなんだろうけど、私本職がお屋形様のワイルドカードだからね。立会人の権限で異動できないんだよね。
「どうするんだ伏龍?!」
「えー…その三択ならレストランかなぁー?」
「色気より食い気だなぁ!分かってたよ!」
能輪さんがヤケっぽい声で叫ぶと、私の腰にぎゅっと腕を巻きつけ、膝の上に引き上げる。何ということだ、捕まってしまった!
「こいつは俺が貰う!」
「あのさあー、OK?先生は僕が最初に目をつけたんだよ、OK?」
「おい能輪、セクハラだぞ」
「いいよ夕湖…ほっとけばその内落ち着くから…」
「そうか…?」
「そりゃそうよ。だってお屋形様以外が私を異動させられる訳ないもの」
「…そうか」
「俺は諦めねえぞ!お屋形様にでも掛け合いに行ってやる!」
「その意気で部下を躾けなよ…」
「あのさあー、OK?先生は僕が最初に目をつけたんだよ、OK?」
私を後ろから抱き締めながらそう言う能輪さんに、銅寺さんが食ってかかる。私は早々に脱出を諦め、膝の上で寛いでいる。一般的に、女性立会人でも男性立会人に組み付かれたら脱出は不可能らしい。況や私をや。
ーー食堂での出来事だ。私が日替わりランチを受け取り、席を探していると、銅寺さんが手招きしてくれたので有り難く向かいに座った。
「お疲れ様です、銅寺さん」
「先生もお疲れ様。ねえ先生、先生って黒服できないの?」
「突然ですねえ。どうされました?」
「先生が居たら立会いが楽しそうでしょ?」
「ああー、成る程。いいですよ、私が解説やるので銅寺さん実況やって下さいよ」
「それは会員に嫌がられそうだね」
「人主達にはウケるかもですよ?」
「そういう事なら俺の黒服になれよ」
そう言いながら私の横に座ったのは能輪さん。
「確かに能輪立会人は実況が上手そうですね」
「あはは。早速お爺ちゃんに掛け合わなきゃ」
「採用時は是非八號へ」
「どこにしよっかなぁ」
「女神!是非この櫛灘の元へ!」
「櫛灘さん黒服使わないじゃないですかやだー!」
通りがかった櫛灘さんが立候補するのをバッサリ切って、ヒレカツを一口。今日も賭郎の社食は美味しい。
「…真面目に黒服やってくんねえ?」
「どうしたんですか能輪さん、神妙な顔しちゃって」
「周りを立てられる奴が欲しい…俺ンとこ自己中ばっかでよぉ…」
「リーダーに似ましたね」
「五月蝿えよ銅寺…どこもそうだろ?賭郎の奴が自己中じゃなかった試しがねえよ…」
「まあ…否定はしないよね…」
「えー、そうですか?皆さん話せば分かってくれません?」
「ほらー!な?やっぱコイツがいると楽だって絶対!」
「…先生、僕の所においで」
「おい!伏龍俺ンとこだ!可愛がってやっから!」
「いや私事務ですし」
「お前達に渡すくらいなら私が使う」
「夕湖まで何言ってるのさ」
ひょっこり現れた夕湖が、銅寺さんの横に座って言う。
「いいかお前達、伏龍の占有は良くない」
「占有て」
「居たら便利に決まってるだろう…心は読める、気立てはいい、よく動く。事務でそれなりに皆が恩恵を受けているから戦争が起きないだけだ。一個人の勢力に組み込むなど言語道断」
「やだ嬉しい…じゃなくて、デカい話になってない?」
「皆で回すべきだ」
「OK。それだね」
「それじゃねえよ!落ち着いて考えろお前ら、立会人101人で回したら年三回だぞ!俺は毎日手が借りてえんだよお!」
机をバンバン叩きながら、能輪さんは熱く訴えかける。
「なぁ頼むぜー!任務さえ忠実にこなしてくれりゃあ後はなんでも聞いてやっから!服でもアクセサリーでも何でも買ってやる!」
「ちょっと、OK?それは戦略としてOKなの?先生、僕のところに来たら任務帰りに映画でもどこでも付き合ってあげるから!外出できるよ!」
「は?わ、私ならレストランでもカフェでも一緒に行ってやる!男共では入れないような可愛い所!」
三者三様に口説いてくださるので、私は閉口する。いやあ、黒服だったら夢に見るシチュエーションなんだろうけど、私本職がお屋形様のワイルドカードだからね。立会人の権限で異動できないんだよね。
「どうするんだ伏龍?!」
「えー…その三択ならレストランかなぁー?」
「色気より食い気だなぁ!分かってたよ!」
能輪さんがヤケっぽい声で叫ぶと、私の腰にぎゅっと腕を巻きつけ、膝の上に引き上げる。何ということだ、捕まってしまった!
「こいつは俺が貰う!」
「あのさあー、OK?先生は僕が最初に目をつけたんだよ、OK?」
「おい能輪、セクハラだぞ」
「いいよ夕湖…ほっとけばその内落ち着くから…」
「そうか…?」
「そりゃそうよ。だってお屋形様以外が私を異動させられる訳ないもの」
「…そうか」
「俺は諦めねえぞ!お屋形様にでも掛け合いに行ってやる!」
「その意気で部下を躾けなよ…」