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「よーお!」とニッコニコの能輪さんを見て、私は軽く悲鳴を上げた。びしょびしょじゃないか!
「ののの能輪さん!何馬鹿なことやってるんですか早くそれ脱いでください!」
「脱がせてくれよー」
「何馬鹿なこと言ってるんですか!ほら早く!風邪引いたらどうするんですか!」
「そしたら看病してくれや」
「したくないから言ってるんです!」
とにかくタオル持ってきますから脱いでて下さいね!と捨て台詞を吐きつつ、私は自室へ駆け出した。バスタオルを持って戻ってくると、上半身裸になった能輪さんが待っていた。そんなに脱げとは言ってない!
「きゃあ!」
「んだその可愛い悲鳴は。これくらい慣れろよ」
「慣れる必要無いじゃないですか!」
「なんでだよ。ヤるだろ」
「ヤらない、ヤらない!」
埒があかないので、私は無残にも床に放り投げられているジャケットとワイシャツを拾って、椅子にかけた。どちらも濡れてびたびたになっている。夏場とはいえ冷えてしまった体が心配になって、拭くように促した。能輪さんはにっと笑って「疲れたからお前が拭いてくれ」と言った。私がそれを普通に断ると、流石に引き際を悟ってくれたのか大人しくバスタオルを受け取り、自分で体を拭きはじめる。
「まだ背中濡れてますよー」
「はあ?どこだよ」
「肩甲骨の…あ、もっと上の…もういいやそこだけ拭いてあげます」
能輪さんが差し出してきたバスタオルを受け取り、私は能輪さんの肩を叩くようにして水滴を取った。しかし、近づいたことであちこち濡れたままになっているのに気づいてしまう。
「能輪さん結構拭くの下手…?」
「はあ?」
「だってほら」
バスタオルで背中をあちこち叩く。ぽふぽふやっているうちに、それが髪の毛から落ちてきていることに気づいた。それを告げると能輪さんはバスタオルを再度手に取り、がしがしと頭を掻くようにして拭いた。
ぽたり。往生際の悪い水滴がまた落ちてくる。私はつい笑ってしまう。そして、能輪さんを自分の椅子に座らせて、頭を拭いてやる。
「慣れてんなー。男か?」
「いーえ、子どもですよ子ども。一年生とかプール指導すると毎回こうです」
「あー、お前前職先生だもんなあ」
「下手な子って毎年いるんですよねえ。夏をかけて頭の拭き方指導です。業務外な気がするんですけどね」
「アラサーの頭拭いてる今のがよっぽど業務外だろうぜ」
「え、自分で言います?」
笑い合う。
「報告書は明日でいいので、今日は早めに帰ってお風呂入って下さいねー」
「おー、りょーかい」
「オロ?」
オロ?
私と能輪さんは嫌な予感をムンムンに感じつつ、出入り口に目を向けた。案の定、能輪おじいちゃんがなんとも言えない顔で立っていて。
インナー姿の孫と、その頭を拭く事務員。私達は羞恥のあまり、二人揃って悲鳴を上げた。
「ののの能輪さん!何馬鹿なことやってるんですか早くそれ脱いでください!」
「脱がせてくれよー」
「何馬鹿なこと言ってるんですか!ほら早く!風邪引いたらどうするんですか!」
「そしたら看病してくれや」
「したくないから言ってるんです!」
とにかくタオル持ってきますから脱いでて下さいね!と捨て台詞を吐きつつ、私は自室へ駆け出した。バスタオルを持って戻ってくると、上半身裸になった能輪さんが待っていた。そんなに脱げとは言ってない!
「きゃあ!」
「んだその可愛い悲鳴は。これくらい慣れろよ」
「慣れる必要無いじゃないですか!」
「なんでだよ。ヤるだろ」
「ヤらない、ヤらない!」
埒があかないので、私は無残にも床に放り投げられているジャケットとワイシャツを拾って、椅子にかけた。どちらも濡れてびたびたになっている。夏場とはいえ冷えてしまった体が心配になって、拭くように促した。能輪さんはにっと笑って「疲れたからお前が拭いてくれ」と言った。私がそれを普通に断ると、流石に引き際を悟ってくれたのか大人しくバスタオルを受け取り、自分で体を拭きはじめる。
「まだ背中濡れてますよー」
「はあ?どこだよ」
「肩甲骨の…あ、もっと上の…もういいやそこだけ拭いてあげます」
能輪さんが差し出してきたバスタオルを受け取り、私は能輪さんの肩を叩くようにして水滴を取った。しかし、近づいたことであちこち濡れたままになっているのに気づいてしまう。
「能輪さん結構拭くの下手…?」
「はあ?」
「だってほら」
バスタオルで背中をあちこち叩く。ぽふぽふやっているうちに、それが髪の毛から落ちてきていることに気づいた。それを告げると能輪さんはバスタオルを再度手に取り、がしがしと頭を掻くようにして拭いた。
ぽたり。往生際の悪い水滴がまた落ちてくる。私はつい笑ってしまう。そして、能輪さんを自分の椅子に座らせて、頭を拭いてやる。
「慣れてんなー。男か?」
「いーえ、子どもですよ子ども。一年生とかプール指導すると毎回こうです」
「あー、お前前職先生だもんなあ」
「下手な子って毎年いるんですよねえ。夏をかけて頭の拭き方指導です。業務外な気がするんですけどね」
「アラサーの頭拭いてる今のがよっぽど業務外だろうぜ」
「え、自分で言います?」
笑い合う。
「報告書は明日でいいので、今日は早めに帰ってお風呂入って下さいねー」
「おー、りょーかい」
「オロ?」
オロ?
私と能輪さんは嫌な予感をムンムンに感じつつ、出入り口に目を向けた。案の定、能輪おじいちゃんがなんとも言えない顔で立っていて。
インナー姿の孫と、その頭を拭く事務員。私達は羞恥のあまり、二人揃って悲鳴を上げた。