君を乗せる星の船
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「やはりここにいたか」
「うわ!…なんだ夕湖か」
「ふふ…相当びびってるな?」
社内温泉の脱衣所の隅で小さくなっている晴乃の横に座ると、彼女は「はぁ〜」と大きなため息を吐いてもたれかかってくる。
「大変そうだな」
「もう…なんか皆怖いよ」
「上手にいなしてたじゃないか」
「いなしたけどさぁー。もう…来ることが負担なのよ」
「分かるぞ…私も新人の時そうだった」
「え」
「お前は初日から目蒲が居たからマシだったんだ。新人の女は人権ないぞ、賭郎」
「ひょええ…」
「更にお前と違って私達は毎週休日があるからな、暫く地獄だったぞ」
「賭郎怖い…」
本気で引いた様子の彼女に「まあ、お前は特に可愛いからな」と言って笑った。次は彼女が笑う番だ。
「夕湖、それは身内贔屓が過ぎるってもんだよ」
「何言ってるんだ、賭郎でダントツだぞ」
「何を仰る…プロポーション抜群の美人さんが」
「私達は‘可愛く’ないからな。どんなに顔面が良かったとしてもお前には勝てん」
「ああー、言いたいことが分かった。おかしいね、物腰だけの問題なんだけどな」
「発言を紙に書き出したらお前も私達と変わらない苛烈さなのにな」
「ホラ、分かってるじゃん」
「感じさせない技術だ」
「何それ。うける」
やっと楽しそうに笑った彼女に、「休日は何をする予定なんだ?」と聞いた。彼女は人差し指で片頬を潰しながら考え始める。
「迷うなぁ。部屋でゴロゴロしててもそれはそれで楽しいだろうし…買い物も行きたいかも。服もゆっくり選びたいしね。日帰り旅行だとどこかな…温泉行きたい。寒いし」
「日光でも行くか?」
「あー、素敵。あそこって何か美味しいものあったっけ」
「宇都宮餃子かな。男共を気にせず食べまくる日があってもいいだろ」
「わーそれ幸せ。あ、苺の産地だった!おっきなパフェ食べたいね」
「半分こするか」
「全部食べちゃうかも?」
「太るぞ」
「む…夕湖に言われると気にしちゃうなぁ」
「…お前は可愛いな」
つい口をついて出てきた言葉に、晴乃が赤面した。「やだぁ」と頬に手を当てて紅頬を隠すその動作がまた可愛らしい。
「もう夕湖ったら、突然口説かないでよ」
「あはは。悪かった。男共に取られたくなくて」
「やだ、今日どうしてそんなイケメンなの?」
「勿論、選んでもらう為さ」
私は彼女の背中に手を回して、カードを奪い取った。
「あ!取られちゃった」
「嫌なら返そうか?」
「…ううん、夕湖が持っててよ。男共にバレない様に」
「ふふ、了解。明日返しに行く」
私は立ち上がり、自分の執務室へ戻る。実は仕事の真っ最中だったのだ。さて、デートコースを考えねば。男共が羨ましがる様な奴を。
「うわ!…なんだ夕湖か」
「ふふ…相当びびってるな?」
社内温泉の脱衣所の隅で小さくなっている晴乃の横に座ると、彼女は「はぁ〜」と大きなため息を吐いてもたれかかってくる。
「大変そうだな」
「もう…なんか皆怖いよ」
「上手にいなしてたじゃないか」
「いなしたけどさぁー。もう…来ることが負担なのよ」
「分かるぞ…私も新人の時そうだった」
「え」
「お前は初日から目蒲が居たからマシだったんだ。新人の女は人権ないぞ、賭郎」
「ひょええ…」
「更にお前と違って私達は毎週休日があるからな、暫く地獄だったぞ」
「賭郎怖い…」
本気で引いた様子の彼女に「まあ、お前は特に可愛いからな」と言って笑った。次は彼女が笑う番だ。
「夕湖、それは身内贔屓が過ぎるってもんだよ」
「何言ってるんだ、賭郎でダントツだぞ」
「何を仰る…プロポーション抜群の美人さんが」
「私達は‘可愛く’ないからな。どんなに顔面が良かったとしてもお前には勝てん」
「ああー、言いたいことが分かった。おかしいね、物腰だけの問題なんだけどな」
「発言を紙に書き出したらお前も私達と変わらない苛烈さなのにな」
「ホラ、分かってるじゃん」
「感じさせない技術だ」
「何それ。うける」
やっと楽しそうに笑った彼女に、「休日は何をする予定なんだ?」と聞いた。彼女は人差し指で片頬を潰しながら考え始める。
「迷うなぁ。部屋でゴロゴロしててもそれはそれで楽しいだろうし…買い物も行きたいかも。服もゆっくり選びたいしね。日帰り旅行だとどこかな…温泉行きたい。寒いし」
「日光でも行くか?」
「あー、素敵。あそこって何か美味しいものあったっけ」
「宇都宮餃子かな。男共を気にせず食べまくる日があってもいいだろ」
「わーそれ幸せ。あ、苺の産地だった!おっきなパフェ食べたいね」
「半分こするか」
「全部食べちゃうかも?」
「太るぞ」
「む…夕湖に言われると気にしちゃうなぁ」
「…お前は可愛いな」
つい口をついて出てきた言葉に、晴乃が赤面した。「やだぁ」と頬に手を当てて紅頬を隠すその動作がまた可愛らしい。
「もう夕湖ったら、突然口説かないでよ」
「あはは。悪かった。男共に取られたくなくて」
「やだ、今日どうしてそんなイケメンなの?」
「勿論、選んでもらう為さ」
私は彼女の背中に手を回して、カードを奪い取った。
「あ!取られちゃった」
「嫌なら返そうか?」
「…ううん、夕湖が持っててよ。男共にバレない様に」
「ふふ、了解。明日返しに行く」
私は立ち上がり、自分の執務室へ戻る。実は仕事の真っ最中だったのだ。さて、デートコースを考えねば。男共が羨ましがる様な奴を。