Welcome to ZOOTOPIA!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「まずはあんたです!」
「ふぐっ!」
威勢の良い声と共に、伏龍はお屋形様の口にクッキーを放り込んだ。事務室にいた漏れなく全員が悲鳴を上げた。お屋形様付きの夜行掃除人なんてもう顔面蒼白である。
「伏龍!なんて事をする!」
「この人は人の痛みを知るべきです!」
お屋形様はその場に膝をつき、急激に熱くなる体をやり過ごす。しばらくの後、小さな白い耳と黄色い尾を生やして立ち上がった。
「晴乃君、何してくれるの」
「ざまあみやがれってんですよ…で、お屋形様は何になったんですか?」
「知る訳ないでしょ」
「鏡、鏡」と仲良く二人は事務室の奥に歩いて行く。その和やかな姿に、とりあえず夜行が安堵のため息をついた。
「狐?」
「いや、これは貂だね。狸と同じ、日本古来からの動物だよ」
「流石お屋形様、物知り」
「狸の八化け貂の九化けと言うように、晴乃君よりも格上の動物さ」
「狸よりも、格上なんですね。それは凄い」
「毛皮は高級品として扱われ、君よりも高値で取引される」
「狸よりも、高級なんですね。それは凄い」
「君よりもね」
「狸よりも、ですね」
二人は不穏に微笑み合う。実は両方キレてんな、こりゃ。俺は夜行と目を合わせ、ハンドサインを送る。
‘尻拭い、頑張れよ’
‘お前の所の部下だろ’
‘とっくに制御不能だよ’
夜行が中指を立てる。相変わらずガラの悪い奴め。仕方がねえ。俺は口を開く。
「しかし、どの動物になるかはどう決まるんですかね?」
伏龍が「確かに!」とお屋形様を見上げた。お屋形様も首を傾げる。
「例の製薬会社はランダムと言ってたよ」
「へえー!どのクッキーを食べるかで変わるんですかね?」
「さあ?詳しくは聞かなかったよ。君だけのつもりだったし」
「何だかなぁ」
「まあ、君がばら撒いてくれるなら法則も分かってくるよ」
「まあ…そっか。よし、全部捌いてやろ」
固く拳を握って歩き出すと、クッキーを菓子皿に丁寧に並べ始めた伏龍。その尾をお屋形様が掴む。
「ひょええ!」
伏龍が跳び上がった。一緒に跳んだクッキーはお屋形様が華麗に回収した。
「ななな何するんですかいきなり!びっくりするじゃないですか!」
「僕ほどじゃないけど、いい尻尾だと思ってね」
「ありがとうございます!もうやめて下さいね!」
「もう一回触ったらにしようかな」
「やだやだ変な感じしましたもん!」
パタパタと狭い事務室を逃げ始める伏龍と追うお屋形様。珍獣二匹の追いかけっこはしばらく続いた。
「ふぐっ!」
威勢の良い声と共に、伏龍はお屋形様の口にクッキーを放り込んだ。事務室にいた漏れなく全員が悲鳴を上げた。お屋形様付きの夜行掃除人なんてもう顔面蒼白である。
「伏龍!なんて事をする!」
「この人は人の痛みを知るべきです!」
お屋形様はその場に膝をつき、急激に熱くなる体をやり過ごす。しばらくの後、小さな白い耳と黄色い尾を生やして立ち上がった。
「晴乃君、何してくれるの」
「ざまあみやがれってんですよ…で、お屋形様は何になったんですか?」
「知る訳ないでしょ」
「鏡、鏡」と仲良く二人は事務室の奥に歩いて行く。その和やかな姿に、とりあえず夜行が安堵のため息をついた。
「狐?」
「いや、これは貂だね。狸と同じ、日本古来からの動物だよ」
「流石お屋形様、物知り」
「狸の八化け貂の九化けと言うように、晴乃君よりも格上の動物さ」
「狸よりも、格上なんですね。それは凄い」
「毛皮は高級品として扱われ、君よりも高値で取引される」
「狸よりも、高級なんですね。それは凄い」
「君よりもね」
「狸よりも、ですね」
二人は不穏に微笑み合う。実は両方キレてんな、こりゃ。俺は夜行と目を合わせ、ハンドサインを送る。
‘尻拭い、頑張れよ’
‘お前の所の部下だろ’
‘とっくに制御不能だよ’
夜行が中指を立てる。相変わらずガラの悪い奴め。仕方がねえ。俺は口を開く。
「しかし、どの動物になるかはどう決まるんですかね?」
伏龍が「確かに!」とお屋形様を見上げた。お屋形様も首を傾げる。
「例の製薬会社はランダムと言ってたよ」
「へえー!どのクッキーを食べるかで変わるんですかね?」
「さあ?詳しくは聞かなかったよ。君だけのつもりだったし」
「何だかなぁ」
「まあ、君がばら撒いてくれるなら法則も分かってくるよ」
「まあ…そっか。よし、全部捌いてやろ」
固く拳を握って歩き出すと、クッキーを菓子皿に丁寧に並べ始めた伏龍。その尾をお屋形様が掴む。
「ひょええ!」
伏龍が跳び上がった。一緒に跳んだクッキーはお屋形様が華麗に回収した。
「ななな何するんですかいきなり!びっくりするじゃないですか!」
「僕ほどじゃないけど、いい尻尾だと思ってね」
「ありがとうございます!もうやめて下さいね!」
「もう一回触ったらにしようかな」
「やだやだ変な感じしましたもん!」
パタパタと狭い事務室を逃げ始める伏龍と追うお屋形様。珍獣二匹の追いかけっこはしばらく続いた。