過ぎ去るはエーデルワイス
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「弥鱈立会人、お疲れ様です」
「…お疲れ様です」
亜面立会人に声を掛けられ、俺は軽く頭を下げる。薄く漏れる殺気に警戒する。
コイツも確か、伏龍の部屋に日夜押しかけているメンバーの一人。目蒲立会人の次はコイツか、とため息をつく。出来るだけ、態とらしくなるように。
「おや、お疲れですか?」
「ええ」
ここで話を広げてはいけない。俺は歩行を再開する。面食らった彼女は半端遅れて後を付いてくる。それにより意図があって呼び止めたな、と悟る。
「これからどちらへ?」
「帰りますよ~。定時過ぎましたので」
「今日は随分早いんですね」
「亜面立会人も帰れる日は帰ればいいじゃないですか」
「中々そういう訳にもいかなくて」
「そうですか~。まあ、あと二時間もすれば丁度夕飯ですしねぇ。どうぞ楽しんできて下さい」
「…今日はグラタンだそうです」
「高校時代は包丁もまともに使えませんでしたよ、アイツ」
「え、そうなんですか」
「調理実習は私がこなしました」
「ええ?!」
「アンタも成長したなとお伝えください。では」
「あ、はい。伝えておきます」
俺が軽く会釈をすると、あちらもそれを返した。伏龍直伝の煙に巻く攻撃がうまく決まったようで、彼女は別れの雰囲気にのまれ立ち止まる。さて、正気に戻られる前に距離を取りますかね~。
なんて思っていたら、投網が降ってきた。
「OK、弥鱈立会人捕獲OK!」
「は?は?」
「お見事です、銅寺立会人!」
天井のダクトに控えていたらしい銅寺立会人が飛び降りてくる。彼はスッと立ち上がると、俺に笑いかけた。
「トリモチのが良かったですか?弥鱈立会人」
「はあ~~」
長めのため息を物ともせず、銅寺立会人は俺ごと網を引き始めた。亜面立会人がそれを見て、慌てて手伝う。
「断言しますが~、これで事態が好転すると思ったら大間違いですよ~」
俺は引きずられながらも一応言っておく。
「思い出してください。伏龍は何故賭郎に入ったと言いましたか?文句を言う為、ではありませんでしたか?」
「え、なんで知ってるんですか」
「なんでもわかるから大親友なんですよ~。そして、私は目蒲立会人に彼女を逃がすために彼女と接触したと言いました。私達に仲良くする気は毛頭ありません」
二人が顔を見合わせる。
「決裂するなら、その時はその時」
しばらくの後、銅寺立会人は自分に言い聞かせる様にそう言った。俺は再度、大きなため息をついた。
「…お疲れ様です」
亜面立会人に声を掛けられ、俺は軽く頭を下げる。薄く漏れる殺気に警戒する。
コイツも確か、伏龍の部屋に日夜押しかけているメンバーの一人。目蒲立会人の次はコイツか、とため息をつく。出来るだけ、態とらしくなるように。
「おや、お疲れですか?」
「ええ」
ここで話を広げてはいけない。俺は歩行を再開する。面食らった彼女は半端遅れて後を付いてくる。それにより意図があって呼び止めたな、と悟る。
「これからどちらへ?」
「帰りますよ~。定時過ぎましたので」
「今日は随分早いんですね」
「亜面立会人も帰れる日は帰ればいいじゃないですか」
「中々そういう訳にもいかなくて」
「そうですか~。まあ、あと二時間もすれば丁度夕飯ですしねぇ。どうぞ楽しんできて下さい」
「…今日はグラタンだそうです」
「高校時代は包丁もまともに使えませんでしたよ、アイツ」
「え、そうなんですか」
「調理実習は私がこなしました」
「ええ?!」
「アンタも成長したなとお伝えください。では」
「あ、はい。伝えておきます」
俺が軽く会釈をすると、あちらもそれを返した。伏龍直伝の煙に巻く攻撃がうまく決まったようで、彼女は別れの雰囲気にのまれ立ち止まる。さて、正気に戻られる前に距離を取りますかね~。
なんて思っていたら、投網が降ってきた。
「OK、弥鱈立会人捕獲OK!」
「は?は?」
「お見事です、銅寺立会人!」
天井のダクトに控えていたらしい銅寺立会人が飛び降りてくる。彼はスッと立ち上がると、俺に笑いかけた。
「トリモチのが良かったですか?弥鱈立会人」
「はあ~~」
長めのため息を物ともせず、銅寺立会人は俺ごと網を引き始めた。亜面立会人がそれを見て、慌てて手伝う。
「断言しますが~、これで事態が好転すると思ったら大間違いですよ~」
俺は引きずられながらも一応言っておく。
「思い出してください。伏龍は何故賭郎に入ったと言いましたか?文句を言う為、ではありませんでしたか?」
「え、なんで知ってるんですか」
「なんでもわかるから大親友なんですよ~。そして、私は目蒲立会人に彼女を逃がすために彼女と接触したと言いました。私達に仲良くする気は毛頭ありません」
二人が顔を見合わせる。
「決裂するなら、その時はその時」
しばらくの後、銅寺立会人は自分に言い聞かせる様にそう言った。俺は再度、大きなため息をついた。