白い芥子は不安げに
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「もう!じゃあ、何色にすればいいんですか!」と、否定されっぷりにまた機嫌を悪くした彼女が問うと、お屋形様が「白じゃない?」と答えた。「補色ですね…」と、彼女はしょんぼりした様子で呟く。彼女なりの立会人への憧れの現れなのだろうか。黒が着たかったらしい。
私は立会人になった彼女を想像した。やはり似合わないな、と改めて思った。
スタイリストが持ってきた、白のドレスを試着させる。案の定、よく似合った。
ドレスが決まれば次はヘアセットとメイク。伏龍は後は任せたと言わんばかりに招待客リストと睨み合う。それを見ていたお屋形様は閃いたとばかりに彼女に声を掛けた。
「ねえ伏龍、君、すっごく黒が似合わないけど、スーツとかどうしてたの?」
「どう…ですか。毎日は着ませんでしたよ。式典の時だけです」
「誰も、何も言わなかったの?」
「ええ、誰も、何も」
「そうなんだ」
会話が途切れたところで、伏龍は資料に戻る。
「ねえ伏龍、君の部屋、最近とっても賑やからしいね」
「ええ。皆さん来て下さいますよ」
「よかったね。彼氏はできたの?」
「彼氏ですか?いやー、できませんね。皆さん素敵な人ですけどね」
「そうなんだ」
会話が途切れたところで、また彼女は資料に戻る。
「ねえ伏龍、事務のメンバーとは仲良くやれてる?」
「ええ、お陰様で。みなさんとても良くして下さいますよ」
「そう。能輪が心配してたよ」
「へえ、おじいちゃんがですか?」
「うん。怖い思いをしてないか、って」
「それは…私がですか?それとも事務の方たちが?」
「君がじゃない?」
「どうでしょうね…」
「何かあったの?」
「おじいちゃんに怖がられてるんです、私」
「そうなんだ」
会話が途切れたところで、彼女はまた資料に戻る。
「ねえ伏龍」
「お屋形様…おちょくって遊んでますね?」
四回目の声かけに、流石に伏龍はジト目でお屋形様を睨み、反対にお屋形様はホクホク顔をする。多くの立会人がそうするように、お屋形様も伏龍を弄ってみたくなったらしい。面白かったのでとりあえず一枚撮っておく。
「もう…これ覚えないと、お屋形様にだってご迷惑でしょう」
「ううん。別に。君は三歩後ろで僕の質問に答えていればいいよ」
「え」
「うん。問題ないよ」
もう!と、伏龍が憮然とするのをお屋形様と二人で温かく見守った。
私は立会人になった彼女を想像した。やはり似合わないな、と改めて思った。
スタイリストが持ってきた、白のドレスを試着させる。案の定、よく似合った。
ドレスが決まれば次はヘアセットとメイク。伏龍は後は任せたと言わんばかりに招待客リストと睨み合う。それを見ていたお屋形様は閃いたとばかりに彼女に声を掛けた。
「ねえ伏龍、君、すっごく黒が似合わないけど、スーツとかどうしてたの?」
「どう…ですか。毎日は着ませんでしたよ。式典の時だけです」
「誰も、何も言わなかったの?」
「ええ、誰も、何も」
「そうなんだ」
会話が途切れたところで、伏龍は資料に戻る。
「ねえ伏龍、君の部屋、最近とっても賑やからしいね」
「ええ。皆さん来て下さいますよ」
「よかったね。彼氏はできたの?」
「彼氏ですか?いやー、できませんね。皆さん素敵な人ですけどね」
「そうなんだ」
会話が途切れたところで、また彼女は資料に戻る。
「ねえ伏龍、事務のメンバーとは仲良くやれてる?」
「ええ、お陰様で。みなさんとても良くして下さいますよ」
「そう。能輪が心配してたよ」
「へえ、おじいちゃんがですか?」
「うん。怖い思いをしてないか、って」
「それは…私がですか?それとも事務の方たちが?」
「君がじゃない?」
「どうでしょうね…」
「何かあったの?」
「おじいちゃんに怖がられてるんです、私」
「そうなんだ」
会話が途切れたところで、彼女はまた資料に戻る。
「ねえ伏龍」
「お屋形様…おちょくって遊んでますね?」
四回目の声かけに、流石に伏龍はジト目でお屋形様を睨み、反対にお屋形様はホクホク顔をする。多くの立会人がそうするように、お屋形様も伏龍を弄ってみたくなったらしい。面白かったのでとりあえず一枚撮っておく。
「もう…これ覚えないと、お屋形様にだってご迷惑でしょう」
「ううん。別に。君は三歩後ろで僕の質問に答えていればいいよ」
「え」
「うん。問題ないよ」
もう!と、伏龍が憮然とするのをお屋形様と二人で温かく見守った。