ギリアの元へ
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プリンは美味しかったけど、流石に二個目はいらないな。私は睨み合う夕湖と目蒲さんを眺めながら思った。夕湖が買ってきてくれたそれはどうやらちょっと高級なものらしく、わざわざガラスの瓶に入っていて、濃厚な卵の味がとても良かった。三人で大絶賛しながら食べたのだけど…四つ入りなのが悪かったんだろう。ラスト一つを誰が食べるかで二人が大喧嘩。誰が食べるかをババ抜きで決める事になったのだけど、よりによって勝負に巻き込まれた私が普通に勝ってしまったのでプリンは私の物。
残った二人はと言えば、敗者決定戦の真っ最中だった。
そういえば、ここエリート揃いの賭郎に於いても尚、二人共とんでもないエリートなんだよな。たかがプリンを賭けたババ抜きとは思えない凄まじい気力で勝負に臨む二人の横顔を見ながら思う。私が抜けたことでタガが外れたんだろう。さっきからずっと、どちらかが悪どい顔をした次の瞬間もう一人が悔しそうな表情をするのが続いている。具体的にどういうものなのかは全く説明できないけど、多分、イカサマが立て続けに行われている。鮮やかすぎて傍目には普通のババ抜きにしか見えないから、多分二人はお互いにお互いのイカサマに気づいていない。表情を読める私だけだろう。普通では気付けない。
目蒲さんのドロっとした読みにくい瞳を、夕湖のキリッとした負けん気の強い瞳を、私はただぼんやり眺めていた。聡明で、器用で、豪胆な人たち。この人たちが私を友達と思ってくれる事実にもっと感謝した方がいいのかも、なんて思いながら。
さて、そんな殊勝な気持ちも、流石にババが12往復した辺りで飽きの気持ちに負けた。そんな時に都合よく受信した亜面さんからの立会い完了メールに、私は「来客中なので部屋に来て頂けますか?」と返す。そろそろ私は話し相手を望んでも許されるはずだ。
早く来ないかな。私はウッキウキで彼女を待った。
残った二人はと言えば、敗者決定戦の真っ最中だった。
そういえば、ここエリート揃いの賭郎に於いても尚、二人共とんでもないエリートなんだよな。たかがプリンを賭けたババ抜きとは思えない凄まじい気力で勝負に臨む二人の横顔を見ながら思う。私が抜けたことでタガが外れたんだろう。さっきからずっと、どちらかが悪どい顔をした次の瞬間もう一人が悔しそうな表情をするのが続いている。具体的にどういうものなのかは全く説明できないけど、多分、イカサマが立て続けに行われている。鮮やかすぎて傍目には普通のババ抜きにしか見えないから、多分二人はお互いにお互いのイカサマに気づいていない。表情を読める私だけだろう。普通では気付けない。
目蒲さんのドロっとした読みにくい瞳を、夕湖のキリッとした負けん気の強い瞳を、私はただぼんやり眺めていた。聡明で、器用で、豪胆な人たち。この人たちが私を友達と思ってくれる事実にもっと感謝した方がいいのかも、なんて思いながら。
さて、そんな殊勝な気持ちも、流石にババが12往復した辺りで飽きの気持ちに負けた。そんな時に都合よく受信した亜面さんからの立会い完了メールに、私は「来客中なので部屋に来て頂けますか?」と返す。そろそろ私は話し相手を望んでも許されるはずだ。
早く来ないかな。私はウッキウキで彼女を待った。