クレオメ的生活
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「さっきむっちゃおもろいもん見たわ」
門っちは立会人室に入ってくると、挨拶もそこそこにそう言った。手近な椅子を引き寄せ、どかりと座る。山口が珈琲を勧めると、彼は軽く右手を上げて礼をする。
要するに駄弁りに来たのだろう。俺は仕事を諦め、ペンを置いた。
「どうした?」
「事務に新しい女が入ったの知っとるか?」
部屋にいた拾號メンバーが視線を交わし合う。きっとこいつらも俺と同じ気持ちだろう。あいつならどんな'むっちゃおもろい'事件もあり得る。そんな危うさとタフさを持ち合わせている。
「知ってる。あいつがどうした?」
俺は内心が顔に出ないよう、細心の注意を払いつつ聞いた。
「あいつ取り合って、銅寺と能輪が喧嘩しとったわ」
「へえ?」
意外じゃろ!門っちは笑う。些か驚いたが、銅寺か。経緯を考えれば意外な人物ではない。
「十中八九、能輪のナンパを止めようとしたんだろう」
「じゃろうなあ。しかし、あそこまでやるっちゅうことは、銅寺も今回は参戦するんかのう」
参戦とはつまり、まあ、'女の取り合いに'である。
「社内では珍しいタイプの女じゃけえ、他にも意外なんが参戦するかもしれんのう」
「どうだろうな」
門っちはぐいと珈琲を煽る。お喋りはおしまいということだろう。
「門っちは今回、参戦すんの?」
ふと悪戯心が湧き、そんな事を質問した。門っちは立ち上がりながら笑う。
「あんま靡きやすい女は好きやのうてな。ナンパラッシュを乗り越えたら改めて声掛けるわ」
「ふうん」
その条件なら門っちまで参戦することになりそうだ。
「で、メカは?」
「俺?…別に」
「お前はそう言うと思うとったわ」
ごっそさん。山口にコップを返し、門っちは「また来るわ。そろそろ立会いじゃ」とドアをくぐっていった。
しかし面白いことになっているじゃないか。仕事が終わったらからかいにいこう。そう決めて、今は書類仕事に戻った。
ーーーーーーーーーー
ここにきてよかったわ。滅茶苦茶意外なんが参戦しとるやないか。
緩む口元を抑えられず、ワシは仕方がなくそれを手で覆った。「ふうん」と言った時のメカのあの目!あいつのあんな感情のこもった目なんか初めて見たわ。しばらくは弄り倒してメカのリアクション堪能したろ。
スキップでもしたい気分だ。楽しいことになってきた。
取り急ぎ、立会いが終わったら改めてあいつに話しかけてみよう。定時を過ぎれば相手をしてくれるそうだから。
門っちは立会人室に入ってくると、挨拶もそこそこにそう言った。手近な椅子を引き寄せ、どかりと座る。山口が珈琲を勧めると、彼は軽く右手を上げて礼をする。
要するに駄弁りに来たのだろう。俺は仕事を諦め、ペンを置いた。
「どうした?」
「事務に新しい女が入ったの知っとるか?」
部屋にいた拾號メンバーが視線を交わし合う。きっとこいつらも俺と同じ気持ちだろう。あいつならどんな'むっちゃおもろい'事件もあり得る。そんな危うさとタフさを持ち合わせている。
「知ってる。あいつがどうした?」
俺は内心が顔に出ないよう、細心の注意を払いつつ聞いた。
「あいつ取り合って、銅寺と能輪が喧嘩しとったわ」
「へえ?」
意外じゃろ!門っちは笑う。些か驚いたが、銅寺か。経緯を考えれば意外な人物ではない。
「十中八九、能輪のナンパを止めようとしたんだろう」
「じゃろうなあ。しかし、あそこまでやるっちゅうことは、銅寺も今回は参戦するんかのう」
参戦とはつまり、まあ、'女の取り合いに'である。
「社内では珍しいタイプの女じゃけえ、他にも意外なんが参戦するかもしれんのう」
「どうだろうな」
門っちはぐいと珈琲を煽る。お喋りはおしまいということだろう。
「門っちは今回、参戦すんの?」
ふと悪戯心が湧き、そんな事を質問した。門っちは立ち上がりながら笑う。
「あんま靡きやすい女は好きやのうてな。ナンパラッシュを乗り越えたら改めて声掛けるわ」
「ふうん」
その条件なら門っちまで参戦することになりそうだ。
「で、メカは?」
「俺?…別に」
「お前はそう言うと思うとったわ」
ごっそさん。山口にコップを返し、門っちは「また来るわ。そろそろ立会いじゃ」とドアをくぐっていった。
しかし面白いことになっているじゃないか。仕事が終わったらからかいにいこう。そう決めて、今は書類仕事に戻った。
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ここにきてよかったわ。滅茶苦茶意外なんが参戦しとるやないか。
緩む口元を抑えられず、ワシは仕方がなくそれを手で覆った。「ふうん」と言った時のメカのあの目!あいつのあんな感情のこもった目なんか初めて見たわ。しばらくは弄り倒してメカのリアクション堪能したろ。
スキップでもしたい気分だ。楽しいことになってきた。
取り急ぎ、立会いが終わったら改めてあいつに話しかけてみよう。定時を過ぎれば相手をしてくれるそうだから。