ハシバミの小旅行
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「あら」
お屋形様がするっと外務卿執務室に入ってきて、声を上げる。私のデスクの横に積み重なったショップバッグをご覧になっての一言だった。
「泉江、たくさん買ったね」
「ええ、まあ」
私の歯切れの悪さに気付いたお屋形様がついと片眉を上げる。それに応えるように言い訳をしてしまう。
「乗せられました」
「それは外務卿として心配だね」
慌てて言い訳を重ねようと開いた私の口を制しながら、お屋形様がクスリと笑った。
「油断してると遠慮なく掻き回してくるよね、彼女。僕も押し切られたよ」
肩をすくめるお屋形様。何かあったんですか?と問いかけると、悪いけど言わない約束になってるんだよね、と返ってきた。お屋形様に口止めさせるとはなんて女。
「で、どうだった?」
すこし考える。そして、今日思った事を正直に話した。
「女らしい女ですが、非常に強かだと感じました」
「ふうん」
「賭郎としては異質ですが、やっていけないこともないでしょう」
なるほどね。お屋形様は数度頷いた。
「で、泉江は要る?」
「いえ…今は。しかし、いずれ力を借りる日が来るように感じます。あの心を読む力は…今は不完全ですが…必ず我々の役に立つ」
「不完全?」
「三度読まれました。しかし、内一度は途中で'分からなくなった'と。確かに心は読まれましたが、何故そう感じているのかが分からない様子でした」
「ふうん…へえー」
面白い。お屋形様の表情は、心を読めない私にすら手に取るように分かるほどにそう語っていた。
「どういうことなんだろうね。ますます興味が湧いたな。まあ、それはいいや。で、泉江は何を買わされたの?」
ビクンと肩が揺れる。出来れば、そこには触れないで欲しかった。興味津々のお屋形様を前にして、私はなんとか話題をそらす方法を探るのだった。
ーーーああでも、こんな格好をするのは賭郎の奴らに絶対知られたくはないんだけど、でも、あいつとまた買い物に行くのは悪くないかもと思ってしまったり。
お屋形様がするっと外務卿執務室に入ってきて、声を上げる。私のデスクの横に積み重なったショップバッグをご覧になっての一言だった。
「泉江、たくさん買ったね」
「ええ、まあ」
私の歯切れの悪さに気付いたお屋形様がついと片眉を上げる。それに応えるように言い訳をしてしまう。
「乗せられました」
「それは外務卿として心配だね」
慌てて言い訳を重ねようと開いた私の口を制しながら、お屋形様がクスリと笑った。
「油断してると遠慮なく掻き回してくるよね、彼女。僕も押し切られたよ」
肩をすくめるお屋形様。何かあったんですか?と問いかけると、悪いけど言わない約束になってるんだよね、と返ってきた。お屋形様に口止めさせるとはなんて女。
「で、どうだった?」
すこし考える。そして、今日思った事を正直に話した。
「女らしい女ですが、非常に強かだと感じました」
「ふうん」
「賭郎としては異質ですが、やっていけないこともないでしょう」
なるほどね。お屋形様は数度頷いた。
「で、泉江は要る?」
「いえ…今は。しかし、いずれ力を借りる日が来るように感じます。あの心を読む力は…今は不完全ですが…必ず我々の役に立つ」
「不完全?」
「三度読まれました。しかし、内一度は途中で'分からなくなった'と。確かに心は読まれましたが、何故そう感じているのかが分からない様子でした」
「ふうん…へえー」
面白い。お屋形様の表情は、心を読めない私にすら手に取るように分かるほどにそう語っていた。
「どういうことなんだろうね。ますます興味が湧いたな。まあ、それはいいや。で、泉江は何を買わされたの?」
ビクンと肩が揺れる。出来れば、そこには触れないで欲しかった。興味津々のお屋形様を前にして、私はなんとか話題をそらす方法を探るのだった。
ーーーああでも、こんな格好をするのは賭郎の奴らに絶対知られたくはないんだけど、でも、あいつとまた買い物に行くのは悪くないかもと思ってしまったり。