ダフネの本心
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まだ11月というのに気の早いイルミネーションが街を照らす中、彼女は時間通りにやってきた。
「君が伏龍晴乃?」
「うん。初めまして。そっちは今切間創一?蜂名直器?」
「蜂名直器」
「了解」
彼女はカーキ色のモッズコートを羽織り直した。屈託の無いその笑顔は賭郎とは似つかわしくなくて、僕は首を傾げる。
「君、賭郎?」
「違うよ?裏切ったって言ったじゃん」
彼女はあっけらかんとそう言うと、悪戯っぽく笑う。
「じゃあ君、何で来たの?」
「何でだろうね。ねえ、歩かない?私ここ来るの一年振りなんだ」
そう言って彼女は僕の隣に並ぶと、ついと袖を引いて歩き出す。
「貴方には散々な目に遭わされたの、私。スターウォーズ全部観させられて、ハリーポッター全部観させられて、徹夜麻雀やって、恋ダンス踊らされて、変な薬飲まされて」
「何それ」
「あったんだよ、そんな事。笑っちゃうでしょ?でも…私、貴方のこと大好きだよ。だから来たの」
「何、それ」
「うん。これは裏切り者の私の最後の慈悲。選んでよ。このまま直ぐに賭郎に帰るか…貴方の記憶を取り戻しに行くか」
僕は。
彼女は立ち止まり、僕を見つめる。全てを見透かす様な墨色の瞳が、笑顔の奥で昏く輝いていた。
「君が伏龍晴乃?」
「うん。初めまして。そっちは今切間創一?蜂名直器?」
「蜂名直器」
「了解」
彼女はカーキ色のモッズコートを羽織り直した。屈託の無いその笑顔は賭郎とは似つかわしくなくて、僕は首を傾げる。
「君、賭郎?」
「違うよ?裏切ったって言ったじゃん」
彼女はあっけらかんとそう言うと、悪戯っぽく笑う。
「じゃあ君、何で来たの?」
「何でだろうね。ねえ、歩かない?私ここ来るの一年振りなんだ」
そう言って彼女は僕の隣に並ぶと、ついと袖を引いて歩き出す。
「貴方には散々な目に遭わされたの、私。スターウォーズ全部観させられて、ハリーポッター全部観させられて、徹夜麻雀やって、恋ダンス踊らされて、変な薬飲まされて」
「何それ」
「あったんだよ、そんな事。笑っちゃうでしょ?でも…私、貴方のこと大好きだよ。だから来たの」
「何、それ」
「うん。これは裏切り者の私の最後の慈悲。選んでよ。このまま直ぐに賭郎に帰るか…貴方の記憶を取り戻しに行くか」
僕は。
彼女は立ち止まり、僕を見つめる。全てを見透かす様な墨色の瞳が、笑顔の奥で昏く輝いていた。