ダフネの本心
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「つまり、伏龍は自分が裏切り者となる事で、立会人にお屋形様を捜索させる事ができる状況を作ったのだ」
「あの小娘の決断に報いなければならない…お前らに全てを打ち明けたのはその為だ」
「チビ…あいつ裏切ったんやなかったんか!良かった…良かった!」
判事と夜行掃除人がそう締めくくれば、門倉立会人が感動で立ち上がる。俺は何も言わない。言わぬが花である。
伏龍は、絶対に、そこまで考えていない。大親友の俺が言うんだから間違いない。伏龍はマジで裏切ってる。
「判事、先程仰った、二つ目の賭けとは?」
「ああ…そうだったな。伏龍は今、お屋形様のワイルドカードとして行動している。彼女が考えるお屋形様の為の行動…それはお屋形様の安全を守る為、一刻も早く連れ戻す事なのか…お屋形様の記憶を取り戻す事なのか。前者であれば何も憂いは無かったが…後者であった場合、二人は合流してもすぐには帰ってこない可能性が高い」
「既にお屋形様の電話から一時間が経っておる…そうじゃな、銅寺立会人?伏龍から未だ連絡が無いという事は…恐らく、二人は記憶を探す事にしたのじゃろう」
「それは… 伏龍には戻る気が無いという事でしょうか?」
南方立会人の質問に一瞬全員が止まった。俺はすかさずフォローに入る。
「いえ〜、伏龍の性格上、必ずお屋形様を玉座に戻しに来ます。仮に…自分が裏切り者として粛清される事になったとしても、です」
「弥鱈立会人、言い過ぎでは?」
「いいえ。初対面の目蒲立会人にあそこまでやれるイカれポンチです。やります」
言い切ってしまえば聞く方は納得するしかない。夜行掃除人が「坐して待ってても戻ってくるが…そんな悠長な話じゃねえな」と腕を組んだ。
「一つ気になっているのが… 伏龍が賭郎に戻った時、彼女はまた事務に?」
「そうじゃな…こうなった以上、あやつももう宙ぶらりんな位置にはいられまい。最終的にはお屋形様のご決断によるが、我々としては…立会人に据え、きっちりと管理下に置くのが無難と考えておる」
「漸く彼女も立会人入りですか」
「ああ…そうだな銅寺立会人。伏龍立会人案は前々からあった。良い機会と捉えよう」
伏龍は素直にハンカチを受け取るだろうか。いや、受け取らせるしかないか。
「兎に角…君達には真実を伝えた。全立会人が事に当たっているが… 伏龍の首に鎖をかけられるのは君達だと思っている。必ずや二人を賭郎に引き戻してくれ」
各々に返事をし、我々は大会議室から退室する。伏龍会だけになった廊下で、口火を切ったのは門倉立会人だった。
「一瞬疑ったが、良かったわ」
「随分長い一瞬でしたねえ」
「僕、門倉立会人と號奪戦しなくて良かったよ。一分位やらされそう」
「おお、おお。お前ら言うてくれるやないか」
喧嘩を買う素振りは見せるものの、機嫌は頗る良い様だ。直ぐに彼は笑顔になって話し出す。
「メカも良かったのう。首の皮一枚繋がったやんけ」
「元々お屋形様と晴乃の間の約束だよ。両方共いないなら幾らでも手の打ちようはあった。だがまあ…そうだな。良かった」
目蒲立会人の素直な言葉に、後方の亜面立会人が小さく笑顔を作る。良かった。そう、その言葉に尽きる。
だからこそ。
「皆さんに、折り入って相談があります」
「弥鱈もか…私もだ」
「何や、言わんでも分かっとるわい」
自分が話し出せば、泉江外務卿が、門倉立会人が追随する。一年も経てば俺以外も彼女の為人を理解していて当然か。
「伏龍家の食糧管理だろ?」
「決起集会の日取りやろ?」
「いいえどちらも違います。あともう門倉立会人は喋らないでください」
「あの小娘の決断に報いなければならない…お前らに全てを打ち明けたのはその為だ」
「チビ…あいつ裏切ったんやなかったんか!良かった…良かった!」
判事と夜行掃除人がそう締めくくれば、門倉立会人が感動で立ち上がる。俺は何も言わない。言わぬが花である。
伏龍は、絶対に、そこまで考えていない。大親友の俺が言うんだから間違いない。伏龍はマジで裏切ってる。
「判事、先程仰った、二つ目の賭けとは?」
「ああ…そうだったな。伏龍は今、お屋形様のワイルドカードとして行動している。彼女が考えるお屋形様の為の行動…それはお屋形様の安全を守る為、一刻も早く連れ戻す事なのか…お屋形様の記憶を取り戻す事なのか。前者であれば何も憂いは無かったが…後者であった場合、二人は合流してもすぐには帰ってこない可能性が高い」
「既にお屋形様の電話から一時間が経っておる…そうじゃな、銅寺立会人?伏龍から未だ連絡が無いという事は…恐らく、二人は記憶を探す事にしたのじゃろう」
「それは… 伏龍には戻る気が無いという事でしょうか?」
南方立会人の質問に一瞬全員が止まった。俺はすかさずフォローに入る。
「いえ〜、伏龍の性格上、必ずお屋形様を玉座に戻しに来ます。仮に…自分が裏切り者として粛清される事になったとしても、です」
「弥鱈立会人、言い過ぎでは?」
「いいえ。初対面の目蒲立会人にあそこまでやれるイカれポンチです。やります」
言い切ってしまえば聞く方は納得するしかない。夜行掃除人が「坐して待ってても戻ってくるが…そんな悠長な話じゃねえな」と腕を組んだ。
「一つ気になっているのが… 伏龍が賭郎に戻った時、彼女はまた事務に?」
「そうじゃな…こうなった以上、あやつももう宙ぶらりんな位置にはいられまい。最終的にはお屋形様のご決断によるが、我々としては…立会人に据え、きっちりと管理下に置くのが無難と考えておる」
「漸く彼女も立会人入りですか」
「ああ…そうだな銅寺立会人。伏龍立会人案は前々からあった。良い機会と捉えよう」
伏龍は素直にハンカチを受け取るだろうか。いや、受け取らせるしかないか。
「兎に角…君達には真実を伝えた。全立会人が事に当たっているが… 伏龍の首に鎖をかけられるのは君達だと思っている。必ずや二人を賭郎に引き戻してくれ」
各々に返事をし、我々は大会議室から退室する。伏龍会だけになった廊下で、口火を切ったのは門倉立会人だった。
「一瞬疑ったが、良かったわ」
「随分長い一瞬でしたねえ」
「僕、門倉立会人と號奪戦しなくて良かったよ。一分位やらされそう」
「おお、おお。お前ら言うてくれるやないか」
喧嘩を買う素振りは見せるものの、機嫌は頗る良い様だ。直ぐに彼は笑顔になって話し出す。
「メカも良かったのう。首の皮一枚繋がったやんけ」
「元々お屋形様と晴乃の間の約束だよ。両方共いないなら幾らでも手の打ちようはあった。だがまあ…そうだな。良かった」
目蒲立会人の素直な言葉に、後方の亜面立会人が小さく笑顔を作る。良かった。そう、その言葉に尽きる。
だからこそ。
「皆さんに、折り入って相談があります」
「弥鱈もか…私もだ」
「何や、言わんでも分かっとるわい」
自分が話し出せば、泉江外務卿が、門倉立会人が追随する。一年も経てば俺以外も彼女の為人を理解していて当然か。
「伏龍家の食糧管理だろ?」
「決起集会の日取りやろ?」
「いいえどちらも違います。あともう門倉立会人は喋らないでください」