ダフネの本心
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「焼け野原になっちまえこんな謎組織!」という大きな声。上階からだ。あの声はきっと先生だよね、と思うけど確信が持てないのは、単にその言葉を信じたくなかったから。
一体何を切れてるの?先生。
僕は黒服の一人と目を合わせた。首を傾げられ、僕も首を傾げる。とりあえず立会人室の窓を開けると、冷たい風が一気に部屋の温度を下げた。
部屋に戻れ、伏龍!という怒鳴り声は夜行掃除人。追え!という鋭い声は能輪壱號立会人。何かの間違いであって欲しい喧嘩相手達がドタバタ音を立てて彼女を追いかける。
喧嘩?いや、これはきっと。
脳裏に浮かんだ嫌な考えを、頭を振って追い払う。直情的で喧嘩っ早い彼女だけど、道理を重んじる優しい人なのだ。そんな、馬鹿な事。
そんな僕の淡い期待は、上階からにょっこり降りてきた足によって砕かれた。
ーーーーーーーーーー
「は?どうされました…ノックも無しに」
「あンの小娘… 伏龍来なかったか!」
「いえ、ここへは」
無事本社の拾號立会人室に戻り一息ついていた所で、晴乃の怒声と慌しく走る足音がしたと思えば、夜行掃除人が部屋に飛び込んできた。
「チッ…どこ行きやがった…」
油断なく室内の気配を探り、彼は「邪魔したな。もし来たら捕らえておけ」と言い捨てて去っていく。バンと乱暴に閉められたドアを見ながら「礼儀のなってねえジジイだな」と呟いた。残業中の黒服共が俺を盗み見る。
「余計なこと考えてねえで、さっさと仕事を終わらせろ」
「目蒲立会人…大丈夫なんですか?」
おずおずと聞いてくる山口に、「何がだよ」と聞き返せば、「あれ、伏龍さんの声だったと思うんですけど」と濁した答えが返ってくる。
「自力でできなきゃあっちから来るだろ」
「いやしかし…」
「ならテメェで行ってこい。足手まといになるだけだろうがな」
俺は飲みかけのコーヒーを煽ると、座席に座り直す。そもそも、本当にブチギレたジジイ共があれを取り逃す筈がねえ。それに気付かない程度の内はお前は俺の黒服だよ。裏があるなら結構だ。今賭郎は考え得る最悪の事態に見舞われているらしいのだから。
一応携帯を確認すれば、晴乃から「脱走します。何とか生き延びて下さい」とのメールが入っている。訳がわからんが、館内放送が幹部の緊急会議を知らせている。こいつに出席すれば何か分かるだろう。
仕事が終わったら自分を待たずに帰るよう申し付け、俺は部屋を後にした。
一体何を切れてるの?先生。
僕は黒服の一人と目を合わせた。首を傾げられ、僕も首を傾げる。とりあえず立会人室の窓を開けると、冷たい風が一気に部屋の温度を下げた。
部屋に戻れ、伏龍!という怒鳴り声は夜行掃除人。追え!という鋭い声は能輪壱號立会人。何かの間違いであって欲しい喧嘩相手達がドタバタ音を立てて彼女を追いかける。
喧嘩?いや、これはきっと。
脳裏に浮かんだ嫌な考えを、頭を振って追い払う。直情的で喧嘩っ早い彼女だけど、道理を重んじる優しい人なのだ。そんな、馬鹿な事。
そんな僕の淡い期待は、上階からにょっこり降りてきた足によって砕かれた。
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「は?どうされました…ノックも無しに」
「あンの小娘… 伏龍来なかったか!」
「いえ、ここへは」
無事本社の拾號立会人室に戻り一息ついていた所で、晴乃の怒声と慌しく走る足音がしたと思えば、夜行掃除人が部屋に飛び込んできた。
「チッ…どこ行きやがった…」
油断なく室内の気配を探り、彼は「邪魔したな。もし来たら捕らえておけ」と言い捨てて去っていく。バンと乱暴に閉められたドアを見ながら「礼儀のなってねえジジイだな」と呟いた。残業中の黒服共が俺を盗み見る。
「余計なこと考えてねえで、さっさと仕事を終わらせろ」
「目蒲立会人…大丈夫なんですか?」
おずおずと聞いてくる山口に、「何がだよ」と聞き返せば、「あれ、伏龍さんの声だったと思うんですけど」と濁した答えが返ってくる。
「自力でできなきゃあっちから来るだろ」
「いやしかし…」
「ならテメェで行ってこい。足手まといになるだけだろうがな」
俺は飲みかけのコーヒーを煽ると、座席に座り直す。そもそも、本当にブチギレたジジイ共があれを取り逃す筈がねえ。それに気付かない程度の内はお前は俺の黒服だよ。裏があるなら結構だ。今賭郎は考え得る最悪の事態に見舞われているらしいのだから。
一応携帯を確認すれば、晴乃から「脱走します。何とか生き延びて下さい」とのメールが入っている。訳がわからんが、館内放送が幹部の緊急会議を知らせている。こいつに出席すれば何か分かるだろう。
仕事が終わったら自分を待たずに帰るよう申し付け、俺は部屋を後にした。