からむ宿木
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「こんなもんかな」
全てのAEDを設置し終わり、ホッと一息。今から私はアイデアルの一員として鞍馬組を殲滅するのである。
嘘である。
とはいえ、この後どうするかはノープランなのである。
手持ち無沙汰になった私は、カラカルさんと電話するマーティンの背中を見つめる。今がチャンスかもしれない。ずっと夕湖達の報告に一言返してあげたかったけど、マーティンが中々私から目を離してくれないのでサウンドアイコンを送るだけに留まっていたのだ。夕湖の所では三戦目が終わり、お屋形様の所では南方さんによる元警視庁副総監殿の取り立てが始まっている。その上、弥鱈君が梶様を連れてこっちに来ると言うのだが…みんなが報告してくれているのに自分だけ手一杯で申し訳なかったのだ。というわけで、わたしはついにイヤホンマイクに触れる。
「もしもし!やっとちょっと隙ができました!あのね、今目蒲立会人が密葬課の箕輪勢一と戦ってて、私の方はアイデアル対鞍馬組に巻き込まれてます!」
『お前がなんだって?!』
「え、だからアイデアルと…」
『聞こえてたに決まってんだろばーか。何で目蒲立会人と別行動とってんの?』
「密葬課粛正の邪魔だから隠れてたのにアイデアルに見つかっちゃったの。で、成り行きで」
『カワイソーな目蒲立会人』
「大丈夫まだバレてない。でもさっきグリーフマーティンと行動してるの見られてキレられてる」
『晴乃君、最高』
「どうもです」
『褒めてないよ』
『と…兎に角生きて帰って来い…』
「頑張るよ。では、みなさんも頑張って」
『あ、待て晴乃、お前の父親がいるがどうする?』
「…あ、そうだった!会いたい会いたい!賭けが終わるまで待ってて貰えるか聞いてみて?…お屋形様いいですか?」
『いいよ。そのまま帰っちゃ駄目だよ』
『分かった。タイミングをみて伝えておく』
「ありがとうございます!じゃ、今度こそ失礼します!」
通話を打ち切り、マーティンに笑顔で手を振る。もちろん彼は最高の笑顔で応えてくれた。
「マーティンも連絡終わった?酷いこと言われなかった?」
「大丈夫だよ。そっちは?」
「大丈夫大丈夫。さて、私目蒲さんが戻るまで暇だから手伝うよ。何すればいい?」
「そんな…悪いよ」
「うんにゃ、鞍馬組は賭郎としても仕留めて損はないのよ」
「そう?じゃあ…鞍馬組がこの階に入ったら、外から扉を閉めて欲しいんだ。そうしたら君はそのままメインデッキに戻って…君はこれ以上巻き込まれちゃいけない…君は美しい…」
「そんな…マーティン!私たち友達じゃない!一緒に戦うわ!」
「いいんだ…いい…行ってくれ!」
「ああ…マーティン…マーティーン!」
茶番である。ちょっと楽しかったけど味方陣営の人に見られなくて良かったとも思っている。
私は流れてもいない涙を拭いつつ、マーティンの元から走り去る。このまま指示通りに扉を閉めたら後はアイデアル対鞍馬組の成り行きを見守っていればいいだけなのだが…迷っている。
マーティンとカラカルさんで遊ぶか、身の安全を取るか。
そうなのだ、私は実は弥鱈君とタメ張れるレベルで滅茶苦茶性癖が拗れまくっているのだ。人がどうして‘そう’なってしまったのか知りたくて仕方がない。一体誰の何がどう作用してその性格に、その境遇になってしまったのかを探る事に喜びを見出すど変態なのだ。何で弥鱈君とつるんでたって、共生関係に他ならない。今までは悩み相談の体でひっそり満足していたが、あんな拗れに拗れまくった二人を見たらもう気になって気になって!マーティンの好感度上げたのだって早く本音と生い立ちが聞きたかったからなのだ!
目蒲さんにブチギレられてまで上げた好感度を無駄にするのか、私?
いや、そんな勿体無いことできない!
私は走り出す。早くドア閉めてマーティンと合流し直さなきゃ!
全てのAEDを設置し終わり、ホッと一息。今から私はアイデアルの一員として鞍馬組を殲滅するのである。
嘘である。
とはいえ、この後どうするかはノープランなのである。
手持ち無沙汰になった私は、カラカルさんと電話するマーティンの背中を見つめる。今がチャンスかもしれない。ずっと夕湖達の報告に一言返してあげたかったけど、マーティンが中々私から目を離してくれないのでサウンドアイコンを送るだけに留まっていたのだ。夕湖の所では三戦目が終わり、お屋形様の所では南方さんによる元警視庁副総監殿の取り立てが始まっている。その上、弥鱈君が梶様を連れてこっちに来ると言うのだが…みんなが報告してくれているのに自分だけ手一杯で申し訳なかったのだ。というわけで、わたしはついにイヤホンマイクに触れる。
「もしもし!やっとちょっと隙ができました!あのね、今目蒲立会人が密葬課の箕輪勢一と戦ってて、私の方はアイデアル対鞍馬組に巻き込まれてます!」
『お前がなんだって?!』
「え、だからアイデアルと…」
『聞こえてたに決まってんだろばーか。何で目蒲立会人と別行動とってんの?』
「密葬課粛正の邪魔だから隠れてたのにアイデアルに見つかっちゃったの。で、成り行きで」
『カワイソーな目蒲立会人』
「大丈夫まだバレてない。でもさっきグリーフマーティンと行動してるの見られてキレられてる」
『晴乃君、最高』
「どうもです」
『褒めてないよ』
『と…兎に角生きて帰って来い…』
「頑張るよ。では、みなさんも頑張って」
『あ、待て晴乃、お前の父親がいるがどうする?』
「…あ、そうだった!会いたい会いたい!賭けが終わるまで待ってて貰えるか聞いてみて?…お屋形様いいですか?」
『いいよ。そのまま帰っちゃ駄目だよ』
『分かった。タイミングをみて伝えておく』
「ありがとうございます!じゃ、今度こそ失礼します!」
通話を打ち切り、マーティンに笑顔で手を振る。もちろん彼は最高の笑顔で応えてくれた。
「マーティンも連絡終わった?酷いこと言われなかった?」
「大丈夫だよ。そっちは?」
「大丈夫大丈夫。さて、私目蒲さんが戻るまで暇だから手伝うよ。何すればいい?」
「そんな…悪いよ」
「うんにゃ、鞍馬組は賭郎としても仕留めて損はないのよ」
「そう?じゃあ…鞍馬組がこの階に入ったら、外から扉を閉めて欲しいんだ。そうしたら君はそのままメインデッキに戻って…君はこれ以上巻き込まれちゃいけない…君は美しい…」
「そんな…マーティン!私たち友達じゃない!一緒に戦うわ!」
「いいんだ…いい…行ってくれ!」
「ああ…マーティン…マーティーン!」
茶番である。ちょっと楽しかったけど味方陣営の人に見られなくて良かったとも思っている。
私は流れてもいない涙を拭いつつ、マーティンの元から走り去る。このまま指示通りに扉を閉めたら後はアイデアル対鞍馬組の成り行きを見守っていればいいだけなのだが…迷っている。
マーティンとカラカルさんで遊ぶか、身の安全を取るか。
そうなのだ、私は実は弥鱈君とタメ張れるレベルで滅茶苦茶性癖が拗れまくっているのだ。人がどうして‘そう’なってしまったのか知りたくて仕方がない。一体誰の何がどう作用してその性格に、その境遇になってしまったのかを探る事に喜びを見出すど変態なのだ。何で弥鱈君とつるんでたって、共生関係に他ならない。今までは悩み相談の体でひっそり満足していたが、あんな拗れに拗れまくった二人を見たらもう気になって気になって!マーティンの好感度上げたのだって早く本音と生い立ちが聞きたかったからなのだ!
目蒲さんにブチギレられてまで上げた好感度を無駄にするのか、私?
いや、そんな勿体無いことできない!
私は走り出す。早くドア閉めてマーティンと合流し直さなきゃ!