見守る瞳のオキザリス
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「権田、お前が南方のフォローに出るたぁ意外だったぜ」
「生憎、臨床心理士でもサイコパスでもないもので」
淡々とパソコンと向き合う権田の横顔。堅物と思いきや、こういう風にルールを曲げられる男だったんだなあ。
「今は、後悔しています」
柔らかな苦笑い。その先では若造二人がぎゃあぎゃあ喚いている。
「女史!バトンタッチだ!」
「お断りします!オムツくらい自分で替えて下さい!」
「臭いんだこれが!」
「知るかってんですよ!」
埒があかないので「出来ねえなら俺が縊るぞ」と脅してやれば、南方は「やります!」と威勢良くオムツを外しにかかる。直後、「くさっ!」といくつか声がハモった。
「ちょ、何でここで替えるんですかもう!」
「そもそも何でここで子育てしてんだ」
「賭郎にいるなら業務に携わって頂かないと」
三人に辛辣な言葉をかけられ、南方は頭を掻いた。
「…女史がいてくれた方が心強くてね」
伏龍は素直な言葉に反応して「やだ」と顔を赤らめるが、俺と目が合うや否やキリッとした顔を作り「いや、そんな簡単には絆されません。その子を育てるならご家庭で。ここにいるなら仕事して下さい」と言い切った。
「頼むよ、女史。君しか頼れない」
「知りません。私はあなたに痛い目にあわされたこと、まだ根に持ってるんですからね」
「あれは…悪かったよ」
「そう思うなら頼るなってんですよ」
南方は柄にもない気まずそうな表情で俯くと、「たのむよ」と頭を下げた。伏龍はなんとも言えない表情で唇を尖らせ、「今回だけですからね」と不服そうに言った。
全くこいつは、人に甘い。
「…で、こっちに来てオムツ替えをしてくれないのかね?」
「私はお手伝いしかしませーん。基本は自力で頑張ってくださーい」
意地悪く笑いつつも、伏龍は南方に近づいていく。
ーーーーーーーーーー
「女史!」
「オムツですって」
「ありがとう!」
だの、
「女史!」
「ミルクですって」
「ありがとう!」
だの、
「女史!」
「チョコレートですって」
「それ君が欲しいだけだろう!」
だの。二人は兎角喧しい。伏龍は本当にお手伝いしかしない、というか、恐るべき精度で赤ん坊の泣き声の理由を言い当てる役に徹している。言わば口だけ状態だ。しかし、それこそがやってほしいことだった南方は文句一つ言わず、テキパキ動く。
いい父親になりそうだ、この男。今度誰か女を紹介してやろう。
俺は姦しい二人を尻目に、仕事に戻る。
「生憎、臨床心理士でもサイコパスでもないもので」
淡々とパソコンと向き合う権田の横顔。堅物と思いきや、こういう風にルールを曲げられる男だったんだなあ。
「今は、後悔しています」
柔らかな苦笑い。その先では若造二人がぎゃあぎゃあ喚いている。
「女史!バトンタッチだ!」
「お断りします!オムツくらい自分で替えて下さい!」
「臭いんだこれが!」
「知るかってんですよ!」
埒があかないので「出来ねえなら俺が縊るぞ」と脅してやれば、南方は「やります!」と威勢良くオムツを外しにかかる。直後、「くさっ!」といくつか声がハモった。
「ちょ、何でここで替えるんですかもう!」
「そもそも何でここで子育てしてんだ」
「賭郎にいるなら業務に携わって頂かないと」
三人に辛辣な言葉をかけられ、南方は頭を掻いた。
「…女史がいてくれた方が心強くてね」
伏龍は素直な言葉に反応して「やだ」と顔を赤らめるが、俺と目が合うや否やキリッとした顔を作り「いや、そんな簡単には絆されません。その子を育てるならご家庭で。ここにいるなら仕事して下さい」と言い切った。
「頼むよ、女史。君しか頼れない」
「知りません。私はあなたに痛い目にあわされたこと、まだ根に持ってるんですからね」
「あれは…悪かったよ」
「そう思うなら頼るなってんですよ」
南方は柄にもない気まずそうな表情で俯くと、「たのむよ」と頭を下げた。伏龍はなんとも言えない表情で唇を尖らせ、「今回だけですからね」と不服そうに言った。
全くこいつは、人に甘い。
「…で、こっちに来てオムツ替えをしてくれないのかね?」
「私はお手伝いしかしませーん。基本は自力で頑張ってくださーい」
意地悪く笑いつつも、伏龍は南方に近づいていく。
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「女史!」
「オムツですって」
「ありがとう!」
だの、
「女史!」
「ミルクですって」
「ありがとう!」
だの、
「女史!」
「チョコレートですって」
「それ君が欲しいだけだろう!」
だの。二人は兎角喧しい。伏龍は本当にお手伝いしかしない、というか、恐るべき精度で赤ん坊の泣き声の理由を言い当てる役に徹している。言わば口だけ状態だ。しかし、それこそがやってほしいことだった南方は文句一つ言わず、テキパキ動く。
いい父親になりそうだ、この男。今度誰か女を紹介してやろう。
俺は姦しい二人を尻目に、仕事に戻る。