香り立て花蘇芳
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「そんなに言うなら亜面さんもスカート履けばいいのに」
「いえ、いざという時スカートで戦闘は出来ません」
「へえ。やっぱり違うんですか?」
興味深そうに私の前へと回り込み、顔を覗き込んでくる晴乃さん。社員食堂へと向かう廊下は、丁度ランチタイムのピークなので人通りが多く、そのため賭郎の中ではどうしても小柄な部類に入る晴乃さんは基本的に同行者の後ろを歩く。最近はそれでは後ろからの奇襲に対応できないからと前を歩かせていたのだが、今日は「いける気がする」から後ろを歩くと言い張った。一つのミスも許されないこの職場で、こうやって根拠のない自信で行動できるのはこの人だけだろう。あまり想像したくはないが、いつか死ぬと思う。
「スカートの中が見えるのはどうかと思いますよ。下に履いている、いないに関わらず」
「蹴られる!って時にスカートの中身に注目する人いませんよー」
「足、掴まれたらどうするんです」
「あ、それは恥ずかしい!」
じゃあパンツスーツしかダメですね、とコロコロ笑う彼女の背後に南方立会人を見つけ、私は晴乃さんを引き寄せた。彼女は不思議そうに私の視線を辿り、「ああ」と納得の声を上げた。その間にもスタスタと近づいてくる南方立会人は彼女をじっと睨みつける。
晴乃さんには止められているが、もう我慢の限界だ。今日は先に文句を言ってやる。
「お疲れ様です」
「へ?」
南方立会人の言葉に、思わず開いた口から素っ頓狂な声が漏れる。
「うん、お疲れ様です。ランチだったんですか?」
「ええ、混む前に」
「要領いいですねえ」
「嫌味ですか」
「まっさかー」
彼の挨拶を当然のように受け止め、彼女は軽やかに笑い声を立てる。
いつの間に優劣が入れ替わったというのか。
唖然とする私を他所に、二人はスタスタと反対方向へ歩いていった。
「へ、え?」
私の言葉にならない疑問に答えてくれる人は、残念ながらいない。
「いえ、いざという時スカートで戦闘は出来ません」
「へえ。やっぱり違うんですか?」
興味深そうに私の前へと回り込み、顔を覗き込んでくる晴乃さん。社員食堂へと向かう廊下は、丁度ランチタイムのピークなので人通りが多く、そのため賭郎の中ではどうしても小柄な部類に入る晴乃さんは基本的に同行者の後ろを歩く。最近はそれでは後ろからの奇襲に対応できないからと前を歩かせていたのだが、今日は「いける気がする」から後ろを歩くと言い張った。一つのミスも許されないこの職場で、こうやって根拠のない自信で行動できるのはこの人だけだろう。あまり想像したくはないが、いつか死ぬと思う。
「スカートの中が見えるのはどうかと思いますよ。下に履いている、いないに関わらず」
「蹴られる!って時にスカートの中身に注目する人いませんよー」
「足、掴まれたらどうするんです」
「あ、それは恥ずかしい!」
じゃあパンツスーツしかダメですね、とコロコロ笑う彼女の背後に南方立会人を見つけ、私は晴乃さんを引き寄せた。彼女は不思議そうに私の視線を辿り、「ああ」と納得の声を上げた。その間にもスタスタと近づいてくる南方立会人は彼女をじっと睨みつける。
晴乃さんには止められているが、もう我慢の限界だ。今日は先に文句を言ってやる。
「お疲れ様です」
「へ?」
南方立会人の言葉に、思わず開いた口から素っ頓狂な声が漏れる。
「うん、お疲れ様です。ランチだったんですか?」
「ええ、混む前に」
「要領いいですねえ」
「嫌味ですか」
「まっさかー」
彼の挨拶を当然のように受け止め、彼女は軽やかに笑い声を立てる。
いつの間に優劣が入れ替わったというのか。
唖然とする私を他所に、二人はスタスタと反対方向へ歩いていった。
「へ、え?」
私の言葉にならない疑問に答えてくれる人は、残念ながらいない。